以前ブログで中国にも、もちろん「匠」がいることをお伝えした。
しかしまだまだ大量生産、大量消費のお国柄、「匠」に向け“現在修行中”という方も多い。
売却した(元)マイホーム。
これだけ早く買い手が見つかったのは、我が家に畳の部屋があったからだ。
現在中国では畳の部屋がブームで、一種のステイタスにもなっている。
畳専門内装業者があるだけでなく、タオバオなどでも積極的に販売されている。
(中国語では音を取り「榻榻米 tàtàmǐ」と表記)
元マイホームの畳の部屋も、もともとはフローリングの部屋であった。
私が妊娠中、義両親が孫は日本の文化も知っておく方が良いと改装の話をしてくれた。
そこで主人と相談し、畳専門業者に連絡を取り改装してもらったのだ。
値段はおよそ1万元(当時≒18万円ほど)。そしてそのお部屋とは…。
ちなみに畳縁や襖の模様は、数あるサンプルの中から選ぶことができる。
このように見ると、実に畳の和室らしく見えるのだが、少しアングルを変えてみると…。
まずこのように、板で骨組みを作る。
もともとのフォローリングとの間は、約50cm程の空間がある。
(引っ越しのため急いで撮影したので、埃はご容赦いただければ幸いです)
畳はご覧のとおり、表面は井草でできている茣蓙を貼ってあるような感じで、
曲がりやすく、日本の畳に比べると軽い(女性一人でも悠々と持ち運びできる程)
商品であっても、隠れてしまう部分ならば良しなのか、ところどころにメモ書きの後。
押入れは、奥行きがあまりなくこじんまりとしている。
ちなみに仕切りはカスタマイズが可能。
ふすまは和紙ではなく、板に張り紙をしてあるため、いくら叩いても破れない。
さらに、ここにもメモを発見。(ここは襖を開けるとメモ書きとご対面~)
また元々の家がゆがんでいるのか、それとも採寸が間違ったのか、さらには加工が違うのか
とにかく隙間の多い畳の部屋。
部屋が出来上がった当時、中国感情がネガティブも最高潮(関連記事はこちら)。
そのためこの畳の隙間にも「なにこのクオリィー⁉」と、キー!!!となっていたが
今では「そういうこともあるよね」と思えるのが、成長というか、慣れと言うか…(笑)
この畳の部屋には、随分お世話になった。
我が子が誕生し、退院して初めて寝かしつけた部屋は、この畳の部屋だった。
また親子三人「川」の字になっていつも眠るのも、この畳の部屋だった。
我が子が思いっきりハイハイの練習ができたのも、この畳の部屋だった。
元マイホームの買い手さんは、初孫の誕生をまもなく迎える老夫婦。
この近くに住む息子さん夫婦と「スープの冷めない距離」で、ヘルプしてあげたい
との思いで、今まで住んでいた部屋を売りに出し、新しい家を探しをしていたそうだ。
内見の際、我が子がこの畳の部屋いっぱいにおもちゃを出して遊んでいる姿を
初孫の姿と重ね、購入を決意されたとの事。
そのため我が子が使った「幼児危険防止グッズ」は、そのまま置いてきた。
そして「母子ともに無事に!」という願いの元、乳児商品をプレゼントした。
畳の部屋がつないでくれた、このご縁に感謝の気持ちも一緒に込めて。