プロジェクトの本部は8階までが百貨店、9-10階がフードコート、そして
11階から最上階までが貸し会議室&オフィスという、少々変わった商業ビルである。
お昼ともなれば、百貨店の買い物客から従業員、フードコート目当てのお客様、
オフィスの社員などが、集まり賑わいをみせる。
店舗も食べ物の種類も多く、1日一店舗ずつ食べまわったとしても、1か月の出勤日で
食べつくせるかどうか、というほどである。
最近は冬場の寒い時期の麺類を追い抜き、プレートランチがお気に入り。
お値段によるが、ご飯とおかず数品を取り分けてくれるお店。
基本10元(≒170円)で、ご飯+スープそして肉・魚料理1品と、野菜料理3品を指定できる。
以前もご紹介したが、このようなプレートランチを提供するお店が合計3つある。
ただ10元の分量は私にとっては多く、食べ残すことは嫌なのでしたくないが、
それでも午後の業務に影響するため、以前ご紹介したお店は足が遠のいていた。
先週、久しぶりにプレートランチが食べたくなって、違うお店で注文したのが正解だった。
そこはメニューには載っていないが8元タイプがあるだ。
ご飯+スープに肉・魚料理1品と野菜3品、あるいは野菜3品。
しかも以前のお店より塩加減を抑えてあるので、薄口の私には非常にありがたい。
あまりにも毎日通うものだから、老板娘(≒女性店長)が私のことを覚えてくれた。
しかも普通は女性でも10元タイプから注文することもあり、8元タイプを注文する私を
いつも「その量で足るのかい?体があっての仕事だよ」と心配してくれる。
さらに毎回8元のプレートを注文するので、8の数字と「菜(=料理)」とを掛けて、
私に「发财(=財を築く)」というあだ名をつけてくれた。
(中国語の八と发の音、菜と财の音が似ている。中国では8は縁起の良い数字である)
昨日もお昼になり、いつものように老板娘に「来たよ」と手を振る。
笑顔でお出迎えの老板娘は、行列をなすお客様を他の従業員に交じりチャキチャキとさばき、
手はひっきりなしに動かしながら、話しかけてくれる。
「发财、今日は何にする?」
「うーん、オススメなのをお願い」
「じゃあ、茄子と体に良い豆腐、あとお肉は…、せっかくだから少しずつ2種類入れてあげる。
スープを取り忘れちゃだめよ。しっかり食べてがんばって」
老板娘が用意してくれたプレートランチ、8元(≒130円)がこちら。
ちょっとした事かもしれないが、私はこういうやり取りが非常に好きだ。
市場の野菜売りのおばちゃん、個人経営のパン屋のおじちゃん、がらくた市のご夫婦、
近所のおばあちゃん、守衛のおじいちゃん…
主人が「きみは本当に外国人か?」と半分冗談、半分本気で尋ねるほど溶け込んでしまう。
そしてそれが今とてもおもしろく、中国の生活が充実しているという気持ちを後押しする。
もちろん昔からできたわけではなく、子供ができ、ある意味で中国に身を預けられるように
なってから、だんだんとできるようになってきた。
もちろん東北人の人懐っこさ、裏表のない性格も後押ししてくれているのは言うまでもない。
週末の今日、また新しい出会いを求め、さぁ、散歩に出かけるとしよう。