日本でも中華系レストランなどに入ると、商売の神様をお祭りしている情景を、
目にされることもあるのではないだろうか?
ちなみにこちらは中国語では「财神」と呼ばれている、お金の神様である。
中国では信仰深い方も多く、神様は生活の中で比較的近い存在のようで、安全を祈り車のギアに、
あるいは無病息災を祈り手首に数珠を巻いたり、装飾品として肌身離さずお守りとして、
身に着けている方も少なくない。
我が家にも弥勒様がいらっしゃり、家族のことを守ってくれている。
「弥勒」と言えば、日本人であれば弥勒菩薩様を想像する方が多いかも知れないが、
中国の弥勒様と日本の弥勒菩薩様は、見た目からも異なっている。
先日引っ越しの際、ブログでも少し触れた「佛龛(=神棚)」の配送待ちというお話し。
実は日中は家を不在にしているため、主人の会社を受取場所に指定したが、
これが大きな間違いだった。
この神棚、荷物の重さがなんと50㎏近くあり、とても一人では運べない。
さらに身長程の長さもあり、内装会社の友人から貨物車を借りて移動をした。
ただその内装会社に勤める従業員の彼が、只者ではなかった。
「その昔『力工(=力仕事の日雇い)』をしてたからさ。階段は一人の方が動きやすい
クーラーや洗濯機、冷蔵庫までぐらいなら一人で十分さ」と、その荷物を一人で抱え、
エレベータのない我が家まで、サササッと運んでくれた。
彼を車で送り、家に到着後、荷物を解くと何枚もの分厚い大小の板と部品が入っていた。
日曜大工は大の苦手である主人。組み立てを依頼すると100元(≒1700円)だったが
信仰深い主人は、「まずは自分で神棚を作りたい」とのことだったので、
とりあえず見守ることに。
ドライバーと電気ドリルを何度も持ち替え、金槌で釘を叩いては、抜いたりを繰り返した週末。
週末があけ平日になると、まるで神棚の部品が見えていないかのように、放置された。
「難しくてお手上げかしら」とそろそろ組み立て依頼をかけようかと思い始めた頃、
また週末が訪れ作業が再開した。
配送にも時間がかかったが、その後の組み立てにさらに時間を要し、先日やっと完成した。
費やした日数、約2週間。そしてやっとの思いで完成した神棚のが、こちら。
主人の名誉のために一言付け加えると、神棚の設計が非常にアバウトで、
普通にドアを取り付けるとドアが斜めになり、うまく閉まらないという事態が
発生したため、微調整の板をボンドで貼り付けて乾くのを待っていたとの事である。
神様を大変お待たせしてしまった。やっと安心して暮らしていただけるようになった。
これからも家族の喜怒哀楽を、ずっと見守り続けていただけるように手を合わせ
私達家族一人一人も、自分のできる範囲で努力を重ねようと神に誓い、三礼をした。
※方法は地域や信仰により、少しずつ違ったりもします。主人と一緒の時は、こちらの方法でしますが、私一人での時(例えばご飯が炊きあがった時、果物を買ってきたときお供えするなど)は、日本式でさせていただくこともあります。
「宗教」と言うと、戦争の発端になったりと、“神”を信じるあまりに、他者を受け入れられないという考え方も誘ってしまう可能性もあり、また時として“宗派”を作ってしまう可能性も潜んでいますが、そうではなく、形がどうであろうと、どんな思いであろうと、さらには“神”と言う存在でなく、ご両親やご家族、愛する人や物、身近な方々など、自分が信じる人(あるいはもの)を大切に思う気持ちが、何よりも大事なのではと思います。