先日のお話。
体調が悪く、3時ごろに帰宅した主人。
とはいえ、仕事は体調など考慮してくれることもなく、
ベッドにもたれかかりながら、取引先に電話をしていた。
ちょうど幼稚園のお迎えの時間が来たため、電話をする主人を横目に家を出て、
その足で子供マッサージへ。
なんだかんだで6時頃帰宅すると、主人が我が子の帰りを玄関で手を広げて待っていた。
しかし我が子は(恥ずかしい思いもあり)、主人とは反対方向に走り出し
主人の呼びかけにも無視。
これは毎回のことで、ショックを受けていた主人。
しかし、いつもは「パパ、寂しいなぁ」と言って終わりなのだが、
なんせ体調が悪く、私がお迎えに行っている間に取引先とひと悶着あったこともあり、
怒りスイッチがオンになってしまった。
「お前がそういう態度なら、パパも同じことをするぞ!」と言って、
寝室に閉じこもった。
我が子は部屋の外から「パパ。ごめんね」と呼びかけても、中から声は聞こえず、
おまけにドアは、鍵をかけてある様子。
我が子は私のところに助けを求めに来るも、
「いつもそうやってパパの心を傷つけていたんだよ。
自分でどうすればパパが出てきてくれるか、
『ごめんなさい』という詫びを受け入れてくれるか、考えてごらん。
大丈夫、きっとできるから」と言って、少し突き放した。
始めはドアをドンドンと叩き、大声で「パパ、ごめん」と言っていたが
主人も一向に反応せず。
(キッチンからWechatで「もうそろそろいいんじゃない?」とメッセージを送るも、
「無視される悲しみを少し感じてもらいたいんだ」とのこと。
もう少し様子を見守ったほうがいいかなと思い、キッチンで夕食の準備をしていた)
我が子の泣き声が聞こえなくなったと思い、キッチンから静かに様子を見に行くと…
我が子が何をしていたかの前に、少し補足説明がある。
私は我が子とは日本語で話すため、中国語に接する量はクラスメイトと比べると
かなり少なめである。
そのため、我が子の中国語レベルを上げようと、
我が家は家じゅう至るところに、「ラベル」を張ってある。
我が子は、この椅子の前に座り込み、必死に“爸爸”という漢字を見ながら
手紙を書いていた! 私に気が付くと、
「ちゃーちゃん、”对不起”ってここに書いて欲しい」と“爸爸”と書いた下を指さしたが
「自分で書いた方が、気持ちが伝わるよ」と、別の紙に“对不起”と書いて渡した。
そして気持ちを一生懸命込めて、初めて書いた手紙がこちら。
さすがにこれには参った。
誰に言われたわけでもないのに、『詫び状』で気持ちを伝えようとし
さらに今まで書いたことのない“爸爸”という漢字が、”椅子”に貼ってあることを思い出し
見よう見まねで書こうとしたその発想に、正直私もびっくりした。
ドアの前まで我が子と一緒に行き、パパに二人で渡したいものがあることを
必死に訴えると、パパもようやく鍵を開けてくれた。
“爸爸,对不起”と言いながら、渡した手紙。主人も涙を流していた。
今回のことで子供は私たち親が思っている以上に、私たちのことをよく見ており
私たちが思っているよりはるかに、駆け足で成長しているのだと知った。