有朋自远方来,不亦乐乎? ~朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや~
現代文に訳したとすると、一般的には
「友が遠い所からもたずねて来る、いかにも楽しいことだね」となるが、最近は
「遠くからも(人が)やってきて朋となる、これもまた悦(よろこ)ばしいことではないか」
とも言えるのではないか、と思ったりする。
昨年2018年9月から、北京に中国政府の奨学金を得て北京に留学してきた大学生の「小理さん」。
数日後に留学を控え、中国に到着するまでは期待に胸を弾ませていたツイートも、
日が追うごとに消極的なツイートも増え、それでも前向きに取り組もうとしている姿が
自分の留学時代と重なった。
夏が終わり秋に入る頃、中国語へのプレッシャーもあったのだろう。
今にも溢れだしそうな日本への思いと、毎日のように襲ってくる異国でのストレスに
少し触れると壊れてしまいそうな心が、痛いほど分かった。
老婆心と知りながらも、声をかけつつ、それでも見守るしかできない私。
きっと今のもがき苦しむ心は、大きな成長をもたらしてくれるはずと、とにかく彼女を
信じて待った。
彼女はがんばった。
秋が深まる頃、留学のストレスを乗り切り、またポジティブなツイートが増えていった。
その前向きさはとどまることはなく、この冬休みは中国各地を一人旅。
ハルピンを皮切りに、西安から南下のルートを辿り成都、広州、マカオへ。
今度はそのまま東に抜け福建、そして今度は沿海地域を北上。
ついに最後は、瀋陽まで私を訪ねて遊びに来てくれることになったのだ。
成都で会った大連付近住んでる子とか、友達の友達の大連住んでる子とかが色々教えてくれたおかげで大連満喫できそう〜
— 小理 1/17〜中国旅 (@songlizaizhong) 2019年2月17日
瀋陽ではTwitterでお世話になりっぱなしの方にお会いできるし、冬休み最後に東北行けて良かった
そして本日、彼女にお会いできた。
彼女の宿舎のロビーでの待ち合わせ。写真などの交換はなく面識はなかったが、
何人もの若者がソファでくつろいでいる中でも、すぐに彼女が小理さんだと分かった。
そしてお誘いしたのは、東北料理レストラン「那家老院子(=那家の大園庭)」
ちなみに「那」はこの瀋陽を拠点とし、17世紀に現在の中国およびモンゴル国の全土を
支配する清を興した満州民族の名字である。
(通常「那」の発音はnàと四声だが、こちらはnāと一声で発音する)
こちらのレストランは農村をイメージしており、至る所に田舎を思わせる工夫が施されている。
目をキラキラ輝かせながら語ってくれる小理さんの中国奮闘記を、主人と二人で拝聴しながら、
中国の友人に「女の子一人旅行は危ないから」と止められながらも、彼女が今日まで
約1か月間、中国を駆け抜けてきた姿が、留学時代の当時の自分の姿に重なる。
思えば休みごとに、私も長距離列車に乗っていた気がする。
沿海地域はほぼ制覇したが、女一人旅の内陸部。15年前はまだまだ遠い場所だった。
(赤色に塗りつぶされた場所は、私が学生時代に旅をした市や省である)
12時半から約3時間、本当に素敵な時間をいただいた。
初対面にもかかわらず夫婦で参加したことで、気を遣わせてしまったのではないかと
心配していたが…、
いつもTwitterでお世話になっている方に現実でもお世話になってきました!
— 小理 1/17〜中国旅 (@songlizaizhong) 2019年2月22日
素敵すぎる夫婦でめちゃくちゃ羨ましい…!
また夏にお邪魔させていただきます! pic.twitter.com/0UYybg81Lo
次にお会いするまでにもっともっと中国語を勉強したい!
— 小理 1/17〜中国旅 (@songlizaizhong) 2019年2月22日
とのツイートをいただけ、心から嬉しく感じた。
有朋自远方来,不亦乐乎? 朋(同志)になれるとは、なんと素晴らしいことか。
彼女の留学は、あと半年続く。
良い事ばかりではないだろう。しかしあの時の寂しさを乗り越えた強さ、そして何より
この冬休みに一人旅をしようと決意し、飛び出せた覚悟と勇気。
これらがあれば、この半年は今まで以上にきっと楽しい留学生活になるだろう。
そして半年後の夏、また瀋陽に来てくれた時は、もっと逞しくなった彼女を拝見できるだろう。
その日まで、私も負けじと精進したいと思う。
がんばれ! 小理さん!!!