今年の夏休みは、いつもとは少し違う。
子供たちも、ストレスがたくさん溜まっているのでは…。
そんな思いから、小学生にボランティアで中国語のレッスンを!
本日は私の担当。
(ほかにも何名か先生が交代で担当されています)
以前も市内の小学校を回り、中国語に触れてもらう授業をしていたとはいえ、
今回はオンライン。
しかも10年ぶりとあって、少しの緊張と、大きなワクワク感が交差する。
どうやらそのワクワクは、すでに夢の中でも起こっていたらしく
朝起きたときに、わが子から「ちゃーちゃん寝ながら何かしゃべっていたよ」と
寝言のご指摘を受ける。
私自身も、授業をしている夢を見ていた記憶はある。
今日の授業内容は「家族構成」について。
私自身、文字だけの乾燥気味の授業は大嫌いなため、
絵や写真、効果音やビデオ、ぬいぐるみや実物までも飛び出して、
楽しんでもらうことをまずは第一に、授業を展開していく。
さらには言語の習得は、とにかく「聞く」ことから始めると思っているため、
授業中は日本語をほぼ封印。
そのためジェスチャーや、先ほどの「アイテム」たちが大活躍。
小学生にも、「発音を可視化する」中国語講師、ちゃーちゃんである(笑)。
授業を通し、何を思ってもらってもいい。
「中国語って楽しい~!」「先生との時間はすぐ過ぎちゃう」でもいい。
あるいは「日本のこと、もっと知りたいな」「知らない世界もあるんだ」でもいい。
何かを感じてもらえたら、という思いを胸に授業に臨んでいる。
中には、「中国語なんて学んでも」という親御さんもいらっしゃる。
ここ数年、中国の方の日本への感情がポジティブになってきたのとは相反し、
日本の方の中国への感情の統計数値は、あまり喜ばしいものではない。
また「何と言っても世界の共通言語は『英語』!」という、親御さんのお気持も
私も一人の親として、十分理解できる。
しかしその子が好き嫌いに関わらず、隣国として
中国と関わっていかなければならないことは、ゆるぎない事実である。
さらには、これほどまでにグローバル社会が進む中で、
英語を武器に世界に飛び出したとしても、同じ土俵で勝負をするのは、
日本人同士だけではなく、世界中の方という時代がやってくる。
教育大国である中国。
私たちの子供が大人になる頃は、母語+英語、さらにもう1言語が必要である。
アニメなども影響もあり、日本語が話せる中国の方も増えてきた。
これらの状況を踏まえ、ライバルとなりえる相手の一人の有力候補である。
そんな時相手の言語が理解できれば、直に相手の考えを知ることができる。
これが自分にとって、どれほど有利なものか想像に難くない。
まさに『孫氏の兵法』の「知彼知己,百战不殆(zhī bǐ zhī jǐ, bǎi zhàn bú dài)
彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず。
(敵についても自分についても、その情勢を熟知していれば何度戦っても必ず勝つ)」
である。
“大人の事情”は一旦傍に置いておき、子供たちには単純に中国語を感じてほしい。
授業を生み出していく、苦しさはあるものの
参加してくれる小学生が、どんどん声が出てきて、生き生きしてくる姿に
ここにも中国語をやり続けて良かったと思う私がいる。
そんな愉しさをまた味わうために、また教材作りに励みたいと思う。