先日前に、ご紹介した大学院進学のお話。多くの方にご反響いただきました。「いいね」やコメント、本当にありがとうございました。
こちらのブログをご覧いただいていらっしゃる方の中には、中国の大学院進学を目指している方もいらっしゃると思います。そこで、何かの参考になればと、入試の記述式問題と面接について、今日は少しお話ししたいと思います。
問題数:必須問題が3問、選択問題1題(4題から1題を選択して解答)
制限時間:2時間半
字数:1題につき中国語で800文字以上
私の専攻は“国际中文教育”という「対外中国語教育」であるがゆえ、外国人に中国語を教えることに関する問題が出題されました。その一部をご紹介します。
第一题 谈谈您对国际中文教育的理解。
第二题 ......。
第三题 ......?
第四题 以下题目中选择一题回答
- 第1题 谈谈和您来自相同国家的外国人学习汉语的重点和难点。
- 第2题 有一个来自您的国家的短期汉语进修班,学生们在自己的国家学习了半年汉语,现在他们要在中国的大学学习两个星期,请您为他们做一份详细的口语课的课程设计。
- 第3题 ......?
- 第4题 ......。
こちらの試験の難点はまずスピード。2時間半で合計4題解答しなければならないため、普段からこの専攻に関わることに自分なりの考えをもち、それを文字に「書き起こす」練習をしておく必要があります。どの問題も短くも長くも書けるので、200文字ぐらいの要約タイプと、1000文字ぐらいのものを準備しておくと、頭の中が真っ白で時間だけが過ぎていくということを防ぎやすいと思います。
またご自身の誤用から、母語干渉を受けていないか。受けているならば、日本語ネイティブの難点といえるのでは、というように分析する癖をつけていると解答しやすいのではと考えます。
筆記試験が先に行われ、合格者のみ面接試験に進むとのこと。ソワソワしていても何も変わらないと思いつつも、やはりこの「待つ」という行動は、いつでも苦しいものだと改めて感じていました。
面接時間:約30分
面接官:4名(事務方1名、教授3名)
面接方法:オンライン腾讯会议(VooV Meeting)
まずは事務方の先生からの質問が開始。自己紹介から始まり、中国語学習歴について質問されました。
- いつから、どこで学んだか?
- なぜ中国語を学ぼうと思ったのか?
- 北京の大学での専攻
ここまでは和やかな雰囲気でしたが、以下は試験らしく、各教授から一気に専攻と関係のあるような質問がされました。
- 好きな中国の作家。またその作家の作品のタイトルと内容の紹介。中国語教師として、生徒にその作品を紹介するならば、どんな風に紹介するか?
- 授業をするにあたり、気を付けている事は?
- 生徒を引き付ける授業とは、教師に必要なものは?
- 口頭による誤用の訂正を数題。例:“你学汉语得好!”
A教授は言語学、特に文法の専門だと思われるほど(のちに授業で“汉语语言学”の教授だと知る)、また私が講師業をしていることも事前に知っているため、日本語ネイティブの誤用についても、どんな特徴があり、どんな対策をとっているかを中心とした質問でした。
B教授になり、(のちに授業で日本滞在歴が長いことを知る)、今度は少し突っ込んだ質問が多くなりました。
北京で大学を卒業していることに触れられ、そのまま北京に残る選択肢はなかったのかというような質問もされました。確かに大学院を選ぶときに、北京大学も選択肢にありました。本心を言えば、北京大学に行きたいとも思っていました。
しかしながら、子供はまだまだ私を必要とする年齢であること、主人にだけその負担を背負わせるのは本望ではなく、あくまで子供は私たち夫婦で育てたいこと(中国の家族は、ふつうここで祖父母が登場し、私は寮生活、子供の面倒は両親にお願いすることが多いです)。なにより「教育」というのは、人を大切にすることが根底にあり、一番身近な家族を大切にできないのに、生徒のことを思いやれるか...、それには疑問が残るという話をしました。
最後にC教授に質問権が移り、研究したいテーマについて質問されました。さらにはA教授と同じように誤用について、そして“也”や“就”の位置が変われば、どのような意味の違いになるかなど詳しい説明を求められました。
- 日本人学習者の、中国語難点はどこか。またそれはどんな理由からか?
- 大学院を卒業した次の目標は、将来はどんなふうになりたいか?
テンポよく進んでいき、上記の質問以外もありましたが、ごめんなさい、忘れました…。
最後に、何か言いたいことはないか?と聞かれたため、
“感谢老师们在百忙之中拨冗给我面试!希望今后能作为老师们的弟子跟随各位老师学习。在研究生期间,努力奋斗,好好学习,天天向上,不辜负老师们的栽培与期望。再次感谢!”
と、思いをお伝えしました。
面接の結果は筆記試験とは違い30分ほどでご連絡をいただけ、まずはメールにて「合格」の一報が告げられました。
大学や専攻、奨学金の有無で入試科目から違いますが、流れとしては同じような感じではないかと思います。大学院に進学されたい方、あるいはご興味がおありの方に、なにか少しでも参考になれば幸いです。