昨日、我が子を幼稚園に迎えに行き、帰り道を歩いていると
「今日は先生したの」と、ポツリと話し出した。
「先生? すごいね! なんの先生だったの?」
「笑笑老師(我が子の主担任)がね、“你好”用日语怎么说?你能告诉大家吗?って」
(”ニーハオ”って日本語でなんていうか、みんなに教えてくれるかな?)
「それでみんなに教えてあげたの?」
「うん! 『こんにちは』って言ったよ」
「みんななんて言ってた?」
「『どうして日本語が話せるの? すごいね! かっこいいね!』って」
「本当だね、日本語も中国語も話せてすごいね!」
(満面の笑みの我が子)
「どうして話せるの?という質問には、どう答えたの?」
「『ばあば(=日本の祖母)のこと好きだから』って答えた」
「そうだね、ばあばのこと好きだもんね」
「先生が『よくできました』って褒めてくれて、嬉しかった!」
他にもいろいろなことを聞きたくて、聞いてみたものの
「もういい、もういい。おしまい!」と照れ臭そうに言われたため、
「分かった分かった、そうね、また話したくなったら話してね」と言って話を終えた。
言霊を信じ、また言語の”ちゃんぽん”を防ぐため、我が子には日本語でしか話さない私。
また出産後に日本と中国を行き来したこと、コロナ禍で幼稚園が休園になり、
日本語を話す私と、二人っきりの時間が長かったこと。
それらが積み重なり他のクラスメイトの子供たちと比べると、
中国語を聞くことも話すことも圧倒的に少ないため、我が子の中国語はかなりたどたどしい。
以前の幼稚園は、年少クラスの算数であれば、5までの足し算引き算を教え、
年中クラスでは20までの足し算引き算に加え、虫食い問題にまで及ぶ。
年長クラスでは、暗算なども入ってくる。
そのため幼稚園の授業についていけず、なおかつ主担任からも放任され、
クラスメイトからいたずらをされても言い返せないため、どんどん自分の殻に入っていった。
主担任とコミュニケーションを取るも、表面的にしか取り合ってもらえず、
非常に悩みはしたものの、「孟母三遷の教え」を信じ、
2021年の1月から(コロナで休園していたため、実質春節明けの2月19日から)
新しい幼稚園に転入した経緯があった。
新しい幼稚園の主担任は、以前アメリカ帰りで中国語を一言も話せない子供の
主担任をしたご経験をお持ちで、
「2カ月とにかく待ってあげてください。きっと大丈夫ですから」
という心強いお言葉をいただいたこともあり、思い切ってお願いすることにした。
幼稚園を変えてから、性格が一気に明るくなり、
日本語でも中国語でもよくしゃべるようになった。
また中国語でも歌うようになり、その音楽に合わせ、踊るようにもなった。
ここ2週間ほどで、パパとも中国語で積極的に話すようになり、
主担任のお話だと、幼稚園でもクラスメイトとひっきりなしに話し、
友達の輪にも自分から進んで入るようになったとお伝えくださった。
そんな日々を過ごしていたところに、さらに昨日のサプライズ。
しかも我が子の話では、先生が世の中にはいろんな言語があって、
それぞれが素晴らしいと言っていたこと。
そして日本語に排他的になるのではなく、先生をはじめ、
クラスみんなで「こんにちは」と言ってくれたことが、とても嬉しかったという。
キラキラした目で語るその小さな体から、大きな自信を感じた。
その様子に、先生へのご配慮に心から感謝をした。
また孟母三遷の教えを信じ行動したこと。さらに主人も我が子が分かるまで、
何度も何度も繰り返し、時には言葉を変え、時には絵をかき、時には体を使い
中国語を引き出そうと努力してくれていることに、感謝と尊敬をしている。