中国の幼稚園は「連絡帳」というものはなく、Wechatで先生方とやり取りをする。
またクラスの連絡も、さらに幼稚園全体の連絡も、Wechatのグループチャット機能で
連絡を取り合っている。
昨夜、Wechatの受け取り音が鳴ったので早速開いてみると
栄養士の方から、「本日の給食」が全園児のグループチャットに配信されていた。
ちなみに中国の幼稚園は、朝食、10時のおやつ、昼食、3時のおやつ、夕食の
合計5食が準備され、仕事をしている保護者が、
食事の心配をしなくてよいようになっている。
この投稿を受け取ってすぐに、また着信音がなったので覗いてみると
保護者の一人が「昼食と夕食が同じメニューですか?夕食は昼食の残り物ですか?」
という質問を投げかけていた。
見れば分かりそうなものだけれど…、と思いながら、
栄養士も丁寧に「昼食は鶏肉で、夕食は豚肉。同じものではないですよ」と返答。
しばらくするとさらにまた着信音がなった。
今日は着信が多いなと思いながら開いてみると…。
「昨日の果物は南国梨とバナナ。そしてまた今日も同じ。
この季節の南国梨は大人だって食べないほど硬いのに。
あなた栄養士なのにそんなことも知らないの!」
とかなり強い口調で、怒りをぶつける保護者がいた。
その発言に「ご意見ありがとうございます。すぐに上司に報告いたします」と
栄養士は丁寧に返答。
しかしたたみかけるように、
「成長期の子供にとって、おかずにしても果物にしてもバラエティ豊かに
いろんな食材を摂取させることは、基本でしょ!
1週間で2度同じものを食べたら、大人だって食べ飽きちゃうわよ」
と、攻撃の手を緩めない。
さらに
「アドバイスを謙虚に受け止めるのは、良いことだわ。
実際この幼稚園は努力していると思うの。
幼稚園の食費は20-25元/日が一般的だから。(この幼稚園は18元)
もし食費が問題なら、私たちはいつでも相談にのるわ、
だって子供がよりよく成長するために、ちょっとの値上がりで、
ガタガタ言う保護者はいないと思うの。
問題が起きたらまずは話し合いと理解が大事。だってすべては子供のためですもの」
それに対し栄養士も
「問題が起こればいつでも話し合いさせていただきます。
Wechatの友達申請をいただければと思います。すべては子供のため。
承知しております」ときちんと対応し、
最後は「私のミスです、以後気をつけます」と結んでいる。
この一連のやり取りに、そんな言い方で責めるのか…。
もっと言い方があると思うんだけれど。
と思い、主人にこのやり取りをどう思うか聞いてみた。
主人の一言目は「傻逼,不要管她了(=バカ、相手にするな)」だった。
その後、中国人の目から見た場合、どう思うかも尋ねてみると
「お金を払いさえすれば、自分のためになんでも奉仕をしてくれ
自分の思い通りになると思っているバカが、中国にはまだまだたくさんいる。
でもそれ以上に、彼女のような方に対して
『そんな言い方しかできないのか』『お粗末な態度だな』と思っている人が
多くいることも知っていて欲しいと思う。
実際、Wechatのグループチャットには486名も参加しているのに、
彼女に加担したのは、誰一人もいなかった。まぁ、変な質問してる人はいるけどさ。
みんな心のどこかで、あざ笑っていたと思うよ。
いや、あざ笑うところもまでもいかないかもね。相手にさえしていない感じかな。」
「中国人は…」と、多くの場合ひとくくりで見られがちだが、
実際にはいろんなタイプの方がいらっしゃるし、日本も然りである。
今回のやり取りを見ていて、言語が好きな一人として
心をえぐるような言葉の使い方は、気をつけようと改めて思った。
またせっかく伝えるのなら、相手が受け取りやすい表現で
きちんと伝えられるようになりたい。そのために中国語学習を続けていると思った。