昨日、みなさんのおかげで無事2000PVを達成し、気持ちよく8月が終了。
(みなさん本当にありがとうございました!)
さて9月からは更新が週2になり、少し落ち着いて記事が仕上げられる、
と思いきや、カレンダーに目をやると、本日9日1日はなんと土曜日!
おぉっと、いきなり更新曜日である(笑)
ここ最近は、少し“重め”の記事が続いていたこともあり、
また瀋陽の近況をお伝えしたいと思っていたところ、昨日久しぶりの天高い秋晴れ!
(瀋陽はもう秋。日中でも25度ぐらいで、朝夕は長袖を羽織っている人もチラホラ)
PM2.5が懸念される中国だが、晴れさえすれば、最近はこんな青空も。
台風の影響もあってか最近は曇り空が多く、同じ景色でも曇り空は気持ちも沈みがち。
そう、こういう晴天の日を、私はずっと待ち望んでいたのである。
なぜなら、観光スポットや記念建造物はネット上を検索すれば、写真家あるいは
誰かがすでにもうUPをしてくれており、簡単に情報を得ることができる。
しかし単純に「中国人はいったいどんなところで生活しているのか?」という疑問。
その疑問を解決すべく、本日は「小区(=団地)」の様子をレポートしたいと思う。
この団地は人専用の出入口が、団地の至る場所に合計5か所ある。
しかし車両はこの大門からのみ。黄色の柵で一台ずつ出入りを管理。
一番奥の赤い屋根の建物は、出入りを管理する警備員室。
手前側の黒い淵が人専用出入口。特別チップの入った鍵をスキャンすると
自動ドアが開閉する。(※写真は左奥ドアがちょうど開くところ)
車両は基本、団地内の駐車場に契約した車両のみ進入可能。(タクシーは可)
しかし特別な事情があれば、出入口で登録をすれば2時間までは許可される。
ただ正直「2時間」はあってないような規則。翌日に跨がなければほぼ問題なし。
団地のエントランスには、花壇がお出迎え。
人口が多い中国 。衣食住の「住」を解決すべく、マンションは高めが多い。
この棟は最上階が18階まである。
向かいの低いマンションでも、6階建て。
雑学として、中国の居住用地(普通住宅用)の土地は中国政府のもので、中国人民は使用権を購入し(=土地使用権譲渡金)、使用しているわけである。
使用権は最高70年となっており、これは城鎮国有土地使用権出譲和転譲暫行条例(1990年5月施行)の第12条に明記されている。
つまり土地使用権の期限が到来した際、分譲マンションの建物部分は購入者の所有物のため、70年後も購入者のものである。
しかし問題の土地使用権は城市房地産管理法(2007年8月改訂)第22条によると、土地使用権の期限到来1年前までに、継続申請できると明記されている。しかも特別な事情がない限り継続申請は承認されるとのこと。
ただし、土地使用の継続申請が承認されると、新たに土地使用権譲渡契約書を締結し、一定の土地使用権譲渡金を再支払しなければならない。万が一継続申請をしない、あるいは継続申請が政府部門に承認されなければ、中国政府が無償で土地を回収するとある。
ただ住宅制度政策の変更(房改)は1978年から約10年の試験期間を得て、1988年から段階的に開始。住宅の市場化が正式に開始したのは1998年である。
そのため土地使用権の問題は、期間が短い商業用地(=40年)や工業用地(=50年)の更新費用が話題になるはずで、普通住宅用が実質的に問題の話題になるのは、まだ先と思われる。
生活のあるところにゴミはあり。マンションの出入り口にゴミ箱が設置されている。
日本のようにゴミ出し時間の決まりや、分別する必要もない。
生ごみも、電池も、ペットボトルも、すべて一緒に捨てられる。
ゴミ箱には「可燃物」「不燃物」と書かれてはいるが・・・。
「いつでも何でも、そのままポイ!」回収は、マンション管理会社が対応している。
ただペットボトルや瓶、段ボール、時には壊れた家電製品等、ゴミ箱から漁り回収し、
回収業者に売る人たちもいるので、「リサイクル」という意味では問題ない。
(画像元:收垃圾的 搜索结果_360图片)
ちなみに回収されたペットボトルは2つ1角、つまり20つで1元(=18円)ほどで
回収業者に買い取られる。団地一周すれば1日分の食費ぐらいゆうに稼げる。
私も留学時代は自分が飲んだペットボトルを置いておき、いくらか集まったら
売りに行った。2008年のころは1つ1角、食用油4Lは1元だった。
話しを戻し天気が良いと、布団を天日干しする風景も。公共スペースでもお構いなし。
この布団はよくここで見かけるので、どうやら「縄張り」の暗黙の了解があるようだ。
団地内に、2か所設置されている浄化水の販売機。
大きなペットボトルを持参して、専用コインで購入している人をよく見かける。
最近はだんだん「健康=口にするもの」に気を配る人も増加してきた。
そのため浄化水の売り上げは、年々増加傾向にあるようだ。
もちろん浄化水を配送してくれるお店もある。
我が家は沸騰水を利用しているが、今後導入を検討中。1桶(18L)約20元~。
お年寄りや子供も多い団地のため、至る所にベンチが準備され、休憩ができる。
ここに集まり井戸端会議をしたり、トランプやマージャン、将棋をしたり。
日中から将棋盤を囲みワイワイ、ガヤガヤ。中国ならではの景色もよく見られる。
夏の夕食時になると、ここで家族や仲間でBBQする強者も。風物詩である。
子供用のちょっとした遊び場も。団地の中に2か所設けられている。
大人も少し体を動かしたり、ストレッチをしたり。こんな場所も3か所ある。
朝夕は結構多くの人が集まる。ちなみにおばちゃんは休憩中。
この団地は、このあたりでも特に有名なほど緑化を重視。木漏れ日が心地よい。
マンションとマンションの間の道路も整備されている。
エレベータで屋上階へ。周りの様子もパチリと一枚。
ちなみに曇りがちな日なら、こんなにどんよりする。
せっかくなので団地の中の写真も、一緒にどうぞ!
この道路を歩いて団地を一周すると約1.2㎞、ジョギングにもピッタリ。
また、初冬はこんな感じ。去年は寒い割に雪がかなり少なく生活しやすかった。
せっかくなので、もう少しだけ瀋陽の冬について話しておこう。
外気の平均温度はマイナス20度前後、草木も全て凍ってしまう。
タオルを外に干すと、ものの10秒でパリパリに(その画像はまた冬にでも)
室内は「暖气(=オンドル)」と呼ばれる床暖房があるため、26度程で温かい。
そのため暖をとる手段のない上海など南方地域に比べると、部屋の中は快適で、
少し日差しが差し込めば半袖、半ズボンでも過ごせる程である。
暖气に関しては、北京などは毎年11月15日~翌年の3月15日の期間だが
東北地方はさらに寒いため、毎年11月1日~翌年の3月31日である。
すでに冬支度は始まり、現在市政府の窓口にてオンドル代の支払いを受付中。
標準価格は26元(=約500円)/平方mとあるが、それぞれの団地により微妙に異なる。
せっかくの機会なので団地の周辺風景も。
大門を出てすぐのところに、バス停あり。4本の路線を抱える。
また最近景観整備がされ、周辺に流れる川ももずいぶんきれいに整備された。
夏の夜、この橋を歩くと気持ち良い。冬はさすがにごめんだが・・・。
今日は案外知られることにない、庶民の住宅環境について触れてみた。
もしかしたら、ジャッキーチェンさん等の映画の影響で、下記のような
街並みを想像し「ちょっと違った」と思われる方も・・・。
もしそういう方がいらしたら、
「自分が想像している中国とは、少し違うような気がしてきた。
やはり一度行ってみなくちゃ分からないものだ」と思っていただけたなら
それ以上嬉しいことはない。