ちゃーちゃん@中国瀋陽

オンライン中国語講師|中国語ネイティブの発音と、より楽しく学べる方法を模索中|漫才や“脱口秀”など、面白い事(言葉遊び)が大好きな関西人

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瀋陽のホテル集団隔離状況(持参品リスト付き)

本日の記事は、不快感を抱かれるかもしれません。

ただ中国や中国語に関われば関わるほど、私は日本人だと感じますし、

日本がより良くあればと、心から願う一人でもあります。

しかしながら日本のコロナ対策に関して、苦しみに似たような不安を

感じずにはいられません。

 

「中国は新型コロナ感染者数を隠蔽している。」

 

ネットなどでもよく目にするコメントです。

確かに、中国の大学時代『中国国情』の先生が、

「人民日報で正しい情報は日付だけ」と、おっしゃったように

素人の私が見ても、疑問を感じる情報はたくさんあります。

 

感染者数に隠蔽がないとは、私はもちろん断言できません。

しかし「発表されている数字は、真実かもしれない」という程、

中国のコロナ対策は徹底していると感じます。

 

はっきり申し上げると

現時点では、日本より中国の方がしっかりと新型コロナ対策を行い

感染を抑制できています。

そのためメディアで映し出されているような、中国観光地の三密、マスクなしでも

感染者が爆発的に増加していません。

 

いろいろな対策を講じ、新型コロナを封じ込めている中国。

昨日発表した記事の中でも、感染者数が急増している国家には入国禁止措置を再開し

日本に対しても、ビザ受理条件を調整してきました。

8月22日以降、帯同ビザの申請も受領されていましたが

聞くところによると、現在は停止されたらしいです。

 

また上海に限っては「7+7隔離」として、7日間の集団隔離、7日間の自宅隔離が

可能でしたが、居住地のある小区(=団地)側が受け入れを拒否し、

ほとんど14日間の集団隔離であるとのことです。

 

瀋陽に関しては子供やご年配、中国籍外国籍に関わらず、

空港到着・ホテル移動・各部屋入室後、14日間(336時間)を経て隔離解除されます。

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http://m.sy.bendibao.com/news/56560.shtm

 

ホテルで集団隔離中、食事はドア前に設置された椅子に置かれています。

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1日3回の食事。配膳係は毎回、防護服・フェイスマスク・手袋等で完全防備され、

配膳係の方が完全に見えなくなるまで、ドアを開けてはいけません。

また通路は1日3度以上消毒され、部屋の中にまで消毒液の匂いが漏れてきます。

 


 

陰性検査に関しては、まずフライト搭乗のため搭乗2日前以内に、

日本国内にてPCR検査と抗体検査を実施。

陰性証明を航空会社チェックインカウンターに提出しなければなりません。

また中国の各空港到着後すぐ、1度目のPCR検査があり、

陽性反応が出た場合は、到着後24時間以内に感染症センターに搬送されます。

 

集団隔離中もPCR検査、さらには抗体検査が実施され経過を観察されます。

これらの徹底した防止対策により、隔離解除が終われば(ほぼ)安心して日常生活を

送ることができるようになります。

ここでの「安心して」というのは、本人も周りもという意味です。

 

ちなみに普段の生活でも、PCR検査は100元(≒1600円)程で

予約なしですぐに受診でき、当日中に結果が出ます。

 


 

国をあげて、コロナ対策が全て強制的に実施、管理されているからこそ

万が一、陽性者が出た場合も後追いができる体制がきちんと整備されています。

 

これだけ徹底しているにも関わらず、先日から天津や上海で陽性者が発見されており

新型コロナは隙があれば、いくらでも拡大していくと思わざるを得ません。

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https://baijiahao.baidu.com/s?id=1683037186077871192&wfr=spider&for=pc

 

中国のコロナ対策法とその徹底ぶりを見た後、日本の対策法を思うと

本当に心配でなりません。

GO TOも、今実施しなければならなかったのか、

GO TOでなくとも、もっと違う税金の使い方があったのではと思います。

もちろん経済を回さなければ、昨日発表されたように10月の自殺者が

日本の全コロナ死亡者数を上回るという事態も起こっています。

 

だとしても、何の対策も打たない(打っていないように見える)状態で

経済を回そうとしても、結局は足元をすくわれるような気がします。

 

「今のコロナ感染者急増は、日本入国を緩和したのも原因の一つだ」

というコメントも、よく見かけます。

中国以外の国や地域からの入国状況は、私は理解不足のため言及できませんが、

中国から日本に入国する方は、よほどの理由があると思います。

なぜなら感染者を(ほぼ)把握している中国にいたほうが、身は安全だからです。

 

日本入国後の方が、現時点ではコロナ感染リスクが高く、

中国帰国時には高額なフライトチケット、さらには14日間のホテル集中隔離が必須で

隔離費用の1万元(=16万円)前後は、全て自己負担です。

11月日中フライト状況

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http://osaka.china-consulate.org/chn/xwdt/t1827736.htm

 

日本側としては、中国が14日間の集中隔離を強制しているように

ビジネストラック・レジデンストラックなどは実施せず、

オリンピック選手村などを利用して、日本入国者の強制集団隔離を行うべきだと、

思えてなりません。

その方が本人も、周りも安心ですし、完全に感染陰性だったとしても

色眼鏡で見られたり、要らない誤解を招きにくいはずです。

(※相手国である中国側と、双方でビジネストラックを実施すると発表していますが、

中国入国時その条件を満たせるビジネスマンは、少ないと思われます。

政府関係か中国に貢献している企業のトップクラスだけでは…、と考えます)

 

それでなければ、今まで自主規制をしてきてくださった方や

瀬戸際で頑張っていらっしゃる方に、あまりにも酷な状況を生み出しています。

 

ある友人は、飲食業を営んでおり、現状からすればGO TOイートは

喉から手が出る程、実施したいそうです。

ただクラスターが起これば、今まで積み上げてきたもの全てを失い

楽しい食事が、憎しみの食事に変わる可能性があるのであれば意味がないと

今でもテイクアウトだけに絞って営業しています。

ある友人は『鬼滅の刃』を見に映画館に行きたいところ、

ご自身が医療機関に従事しているため、我慢しています。

万が一の可能性を、できる限り減らすためだそうです。

 

私にも、心臓病を抱えた92歳の祖母がいます。

「ここまで生かしてもらったから、もう悔いがないとはいえ

戦争や、女手一つで息子を育ててきたことを乗り越えてきた人生の最後に、

この先、もしかしたらコロナに感染して人様に迷惑をかけるのではと、

怯えながら生活しなければならないのは、なんとも言えない虚しさがあるね…」と、

ビデオチャット越しに心の内を打ち明けてくれた、小さくなった体に

その苦労を重ねてきた手さえも握ってあげられない、

言うに言えない悔しさがありました。

 


 

とはいえ、私が感染拡大防止のために、直接できることと言えば

「手洗い、うがい、消毒の徹底」ぐらいしかなく

そのため、他の方法で少しでも誰かの役に立てればと、

数少ない瀋陽での隔離状況の報告を、ご紹介したいと思います。

(ご協力いただきました方々に、この場をもちまして心よりお礼申し上げます。)

 

まずどのホテルの入居になるかは、居住区により分けられます。

ホテル名や住所は、到着する(正確にはホテルに向かうバスが出発する)まで

明かされず、自分でホテルを選択することも不可です。

 

居住地 A区

 

1.朝ごはん(牛乳か豆乳がつきます)

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2.昼ごはん(紅茶などのジュースが付きます) 

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3.部屋

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4.サービス

1日2度の体温報告、その他連絡事項も内線電話にて。

到着5日目に、同じ階の別室で抗体検査のため採血。

時間を持て余すだろうと、入室時に受付からレゴの差し入れ。

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5.持参物について 

【持ってきて良かったもの】
折りたたみ電気ポット、ハンガー、ピンチハンガー、洗濯袋、速乾タオル、消臭スプレー(ファブリーズ的なもの)、梅干、ふりかけ、カロリーメイト、お茶、コーヒー、使い捨てコップ、ウェットティッシュ、香港SIM、シャンプー・リンス等、ハンドクリーム、ハンドソープ、スリッパ、体温計、掃除用スポンジ

【持ってくれば良かったもの】
ティッシュペーパー(トイレットペーパーしかないので、少しでもあると便利かな)

【持ってこなくて良かったもの】
割箸、スプーン

 

 

居住地 B区

 

1.朝ごはん

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2.昼ごはん

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3.部屋

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4.サービス

入室時にデポジットとして、Wechatで4000元を支払う。

シャンプー、石鹸類、ドライヤー等なし。

毎日トイレットペーパー1巻、ミネラルウォーター550ml2本が支給。

差し入れ、デリバリーは基本自由。受付預かりで、食事の時に一緒にお届け。

体温報告、要望はホテル受付の方とマンツーマンのWechatにて。

到着7日目に、各自の部屋で抗体検査のため採血。

飲酒・喫煙可能。

お弁当は3日で一回り。(1日目と4日目、2日目と5日目が全く同じメニュー)

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5.持参物について 

【持ってきて良かったもの】
ハンガー、ピンチハンガー、洗濯ばさみ、洗濯洗剤、洗濯干し用ロープ、タオル、半そで(暖房が効いていて暑い)、部屋着(基本誰とも会わないので、リラックスできる服)、ほうじ茶、コーヒー、カレー、マグカップで作るラーメン、除菌ウェットティッシュ、シャンプー・リンス、石鹸、ボディークリーム、スリッパ、電子体温計、食器洗い洗剤・スポンジ、ふきん、水洗い用ゴム手袋、タッパー、保温用ボトル(500ml)、果物ナイフ、爪切り

【持ってくれば良かったもの】
床用クイックルハイパー(瀋陽のホテルは床暖房のため、カーペットよりフローリングが多い)

【持ってこなくて良かったもの】
割箸、スプーン、爪楊枝

 

上海や大連のように、日本人の多い地域では、Wechatのグループチャットを使用したり

Wechatのやり取りでも、通訳や翻訳サービスもあったりするようなことを、

Twitterやブログから拝見することがあります。

こちら瀋陽からの入国はそのようなサービスはなく、Wechat操作ができること、

中国の携帯番号があること、中国国内で連絡のつく中国の方がいることが前提で

中国語のみで話が進んでいくため、「中国語はこれから習得する!」という方は、

少しハードルが高いように思われます。

ただスタッフの方々は、中国語が分からなくとも一生懸命対応してくれるそうです。

瀋陽から入国する日本人数は、非常に少ないため情報はあまりないと思われます。

もし私でお手伝いできることがありましたら、できる範囲内ではございますが

ご連絡をいただければご対応いたします。

 

最後になりましたが、日本のいたるところで第三派到来と言われるようになりました。

これから一気に寒くなり、インフルエンザも流行する季節となってきました。

いろんな思いはあると思います。

まずはご自愛いただき、今日も、そして明日も笑って過ごしていただきたいと思います。

 

ホテルに湯沸かしポットがない場合があります。またあった場合でも汚れていたり不衛生な場合があるため、スペースに余裕があるのなら一つお持ちされることをオススメします。

 

ホテルのネット環境は非常に弱く、つながりづらいです。またホテルのWifiではVPNを経由しても、GoogleFacebookにつながらない場合がありますが、この香港Simカードから接続すれば、問題なく接続できます。有効期限内であれば、今回開通手続きをしなければ以後も使用できますので、お守り代わりに一つお持ちだと便利です。

 

瀋陽は11月~翌年の3月まで部屋に24時間暖气(=暖房)が入っているため、案外早く洗濯ものが乾きますが、それでも一つあれば便利です。

 

※こちらの記事にて、隔離を終わられた後の感想をインタビューしています。

ぜひ併せてご覧いただけますと幸いです。

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