私がこのブログを立ち上げた理由は、ブログのトップにも記載させていただいているように
「日本人と中国人の誤解が少しでも解ければ」と思ったからです。
誤解が生じる原因の1つは、「分からない」と言うことではないでしょうか。
特に各種手続きは、必要書類の提示がなかったり、仮にあったとしても
必ず最後に「その他必要書類」という項目があり、
窓口で急遽提出を求められたりする場合が、度々存在します。
そのためその不確定が不安に変わり、情報探しに右往左往し、
さらには数少ない情報の正誤さえも確かめられない程、ある意味偏った情報に支配され
結果として誤解が生じてしまう…、と言うことではないでしょうか?
個人的にも多くのお問い合わせを受けた中で、今までご紹介に至らなかったものの1つに
外国人就労ビザの申請手続きがあります。
本日から数回に渡り、そちらの一般的な手続き方法をご紹介したいと思います。
実は以前上海での就職時、業務の1つとして「就労ビザ代行業務」に携わっており
企業様向けの取得、および更新手続き方法の説明会ができる程でした。
瀋陽への引っ越しを機にその職を離れ、さらには2017年に手続き方法が一新されたため
就労ビザ業務に関わることはないだろうと思っていました。
しかし瀋陽で就職の際、会社が初めて外国人を受けいれたため、ビザ手続きの担当者がおらず、
BOSS直々に「全部自分で手続きしてくれる?」との、ご依頼がありました。
その経験から、今回皆さんにお伝えできることがあるのではと思います。
とは言え、中国は広大で各省(あるいは市)により、少しずつ必要書類が異なる場合
あるいは臨時的に追加される書類などもありますので、最終必要書類の確認は、
企業が所属する省(あるいは市)の手続き関連部門に、ご確認いただくことを
併せてお願いしたいと思います。
今回はLビザ(旅行ビザ)、特に私のようにQビザ(家族ビザ)で
中国に滞在されていらっしゃる方が、申請される場合をご紹介いたします。
ただ日本国内など、中国以外の地域に滞在されていらっしゃる方の申請方法も
手続きの順番を少し変更するだけで応用可能です。そちらは後ほどお伝えいたします。
(※配偶者が中国国籍で「Qビザ」で入国されている方は、日本にある中国大使館への
「Zビザ」の申請のために、帰国の必要なく中国国内で全て手続きができるように
(大都市北京などでは)なりつつあります。しかし瀋陽ではまだその手続きシステムが
完了しておらず、一時帰国が必要です。
この問い合わせ先は、企業が登録されている省(あるいは市)の出入国管理局になります。)
【本日の紹介部分】
第1章 取得条件
第2章 手続きの流れ
第3章 必要書類、及び窓口申請場所
第4章 番外編
それではまず第1章として、中国で就労するための「Zビザ」取得にあたり
必要条件からお伝えします。
- 大学卒業(学士号取得)以上
- 最低2年以上の就業経験
- 18歳~60歳未満で健康問題がない
- 犯罪歴がない
- 就職先が決まっている
※高校卒業の方、60歳以上の方であっても、職種や役職、就職地域や条件により取得できる場合があります。
※インターン、アルバイト等であっても、報酬が発生する場合はZビザの取得が必要です。
第2章として、「就労ビザ手続きの流れ」をお伝えします。
就労するために必要な手続きは、大きく分けて4ステップあります。
この4ステップ全てが終了した時点で、就労することが可能となり、不法滞在となりません。
・申請場所:企業が登記している省(あるいは市)の外国専家局
・取得書類名:「中华人民共和国外国人工作许可通知」
・手続き日数:(ネット申請)5営業日 +(窓口申請)15営業日
(左:中国語版、右:英語版。2言語で発行してくれます)
・ 申請場所:中華人民共和国駐日本国大使館、領事館(日本にある中国大使館、領事館)
・取得書類名:「Zビザ」(パスポートに貼り付けられます)
・手続き日数:通常申請 4営業日
・申請場所:企業が登記している省(あるいは市)の外国専家局
・取得書類名:「中华人民共和国外国人工作许可证」
・手続き日数:(ネット申請)数日 +(窓口申請)10営業日
(写真上、左側空白に顔写真、右側空白に個人情報のQRコードがプリントされます。
以前のパスポートサイズの冊子から、2017年以降カードタイプに切り替わりました。)
・申請場所:企業が登記している省(あるいは市)の出入国管理局
・取得書類名:「中华人民共和国外国人居留许可」(パスポートに貼り付けられます)
・手続き日数:(窓口申請)15営業日
ちなみにこのステップ1、3、4の申請手続代行サービス料の相場は、1万元(≒15万円) 前後。
(ステップ2の手続きは、別サービスになっているところが多いです)
それに各種書類の申請実費が必要になってきます。
上海など外国人就労者が多い都市では、代行サービス会社も多く存在することから
もう少し費用が抑えられますが、瀋陽のような日本人自体が少ない都市になると
代行サービス料は2万元(≒303,000円)という、高額料金を提示されました。
やり方さえ分かれば、決して難しくないため、その必要書類とノウハウを
これから一つずつ丁寧ににお伝えしたいと思います。