これまでも何度か登場している、中医の幼児マッサージ
通常の施術は約半時間ほどかかるため、子供たちきちんとが座り続けていられるようにと、
テレビが設置され、録画したアニメが何種類か準備されている。
そこで我が子がはまったもの、それが『ペッパピッグ(中国語:小猪佩奇)』。
もともとは2004年にイギリスで放送が開始され、やがて海を越え、中国、日本をはじめ
現在では世界180か国で放送される、人気アニメである。
1話が約5~10分。
160話分を準備してくれているが、毎日マッサージに通う我が子と共に見ている私も
すでにセリフを全て覚えてしまうぐらいである(笑)。
そして最近我が子が一番好きな、この29話。『Pancakes(中国語:煎饼)』
※追記1:多くの方からPancakesは、「松饼」ではないかというご連絡を頂戴しました。ありがとうございます。私も実はそう思いながら、中国語タイトルが「煎饼」となっていたため、(勝手に)煎饼なのかも、と思っておりました。
※追記2:面白い討論になっております。ぜひ続きをどうぞ!(Pancakes=「煎饼」ではなく、「松饼」ではないか、というご指摘を頂戴しました... - Shenyang Chachan | Facebook)
この影響を受け、週末になるとホットケーキを作ろうと言う我が子。
それが早くも先週末で、4週連続を迎えた。
ホットケーキミックスという素敵な食材は、中国にいる我が家には当然ない。
そのため小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、卵を一緒に秤で計り、ボウルに入れ混ぜ、
そしてフライパンで焼く。
(以前作ったもの。白い部分は生クリームではなく、水分を切ったヨーグルトです)
こちらの絵本の影響、そしてもともと料理が好きなようで、とにかくこぼしながらでも、
自分で作りたがるので、そばで見守りながら自由にさせている。
一緒に後片付けをしながら、Pancakesの訳語である「煎饼」という言葉を改めて考える。
おそらく中国で生活をされた方や、中国語をご存じの方なら「煎饼」と聞けばと
先に思い出すのは、「山东煎饼」かも知れない。
単語をそれぞれの漢字レベルで調べてみると
▼煎(Jiān)
- (少量の油で両面がきつね色になるまで)焼く。
- (“炸”程油の量は多くなく、“炒”のようにかき混ぜることはしない)
▼饼(bǐng)
- 小麦粉などをこねて円盤状にして焼いた食物
- ケーキ
このように一つ一つの意味を確認すると、pancakes=煎饼でも間違いではないよう思う。
しかし「pancakes」と写真の「煎饼」は、どう見ても似つかないような気がするのは
私だけだろうか…。
少し整理をしておこう。
まずPancakes=ホットケーキである事は、動画の材料や作り方、自分の経験から分かる。
つまりは、「Pancakes=ホットケーキ=煎饼」という公式が成り立つ。
この理論で言えば、同じものが出てくるはずだが、我が子から義母と私それぞれに
「煎饼、ホットケーキを作って欲しい」と言われ、「せーの」で我が子の前に出せば、
おそらく違うものが出てくる可能性が、非常に高いのではないかと思われる。
共通認識がない、あるいはその文化になじみのないものを訳するというのは、
本当に難しい。
ちなみに主人にホットケーキの実物を見せ、何かと尋ねてみた時返ってきた答えは、
「蛋糕(=ケーキ)」だった。
更に違うものが出てくる可能性がある…(笑)
中国語の名詞は、時に曖昧なことがある。
それに比べ中国語は、上記の調理方法からもお分かりのように動詞が非常に細分化しており
動詞をきちんと理解することは、中国語らしい中国語への近道だと私は思っている。
逆に日本語は、色彩、色の種類にも表れるように名詞が非常に多いように感じている。
ちなみにこちらの4色。
主人や同僚に聞いてみると、全て「青色」だった。
(詳しく色分けしてもらうと、左から天蓝色、蓝绿色、靛蓝色、深蓝色と回答)
中国語を中国語のまま理解をすることは、とても大切である。
しかしあくまで私にとっては、第二言語である中国語。
- 私ならどう訳すだろうか?
- その訳は果たして正解なのだろうか?
- 少なくとも日本の方(あるいは中国の方)にとって、誤解なく“それ”がイメージできるだろうか?
- もっと適した訳語はないだろうか…?
アニメを見ていても、頭の中ではそんなことがぐるぐる、ぐるぐる回っている。
(だからオタクと言われるのだが…。)
今年の干支が豚(中国はイノシシではなく、豚)であることからも、街中でペッパピッグを
よく目にする。
中国の方との話題作り、家族ぐるみのお付き合いのためにも、そして語学学習のためにも
オススメの作品である。機会があれば、ぜひご覧いただけばと思う。
追記:世界180か国で放送されていることからもお分かりいただけるように、いろんな言語で放映されています。聞き比べていただくと、微妙に訳し方が違ったりと趣深いことにお気づきになると思います。英語はBritish Englishで、ペッパ家族の行動にしっくりくるように私は思っています。また言語を跨ってご覧になると、声優さんの声質の違いから、それまでイメージしていた人物像と異なる気がしたりと、いろんな楽しみ方があると思います。ちなみに私はパパは中国語バージョン、ママはフランス語バージョン、ペッパは英語バージョンが好きです。)