中国語オンライン音読サークル<玲瓏>りんろんに、約3か月ぶりに参加。
今回の作品は、巴金の『海上日出』。(音読原稿はこちらから、ダウンロードできます)
※中国語学習者の皆さま、講師の皆さま、中国語ネイティブの皆さま
コメント欄やメールに、率直なご感想や改善点、アドバイスをお伝えいただければ幸いです。どうかご遠慮なさらず、ちゃーちゃんの中国語向上に一役かってやろうと、ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
この作品は思い入れがあり、実は今年に入った頃から音読を始めていた作品でもある。
と書くといかにも「準備万端!」と聞こえそうだが、以前twitterでもお伝えしたが、
実は年明けぐらいからずっと、音読でドツボにはまっている。
予告通りUPします。https://t.co/H3Wmtmtc0i
— ちゃーちゃん@中国瀋陽 (@ChachanChina) 2019年1月16日
が、隣で聞いていた主人に「60点」というダメだしを食らいました。
あの音が違う、この音の声調が甘い…。違いを1時間ほど指摘されました。
トホホなのですが、逆にこんなのでもUPしちゃうの? と皆さんのなにかの励みになればと#中検伴走学習 https://t.co/54zggFMMRR
ちなみに点数は、ネイティブ(もちろん標準語をきちんと話せる方)の発音と比較判断
した採点らしい。
- 60点以上:“ノンネイティブとしては”上手だが、ネイティブとは全くの別物
- 70点以上:上手だが、発音が甘いところがある
- 80点以上:非常に上手だが、ノンネイティブと分かる
- 90点以上:非常に上手だが、ん?、ノンネイティブかなっと思うところがある
- 95点以上:耳だけで聞いているとノンネイティブとほぼわからない
毎朝5時半前に起き、洗濯機を回し、朝食を作りながら音読を約1時間。
音読好きの主人とあり、6時ぐらいになる起き出し音読を聞きにくるのだ。
少し自信がついてきたと思ったところで、主人に披露するのだが、いつも後悔する。
“音准方面还是不行!(=発音がやっぱりダメ!)”
“唉,那怎么办呢(=はぁ、どうしよう)”と肩を落としていると追い打ちをかける。
“你把送气音发成了不送气音,而且抑扬顿挫完全不对。你说的不像汉语。
(=有気音が無基音になってるし、抑揚や一呼吸を入れるところが全く違う。
中国語らしくない!)”
分かっている、分かっているが、この愛の鞭はかなり傷つく。
しかもモグラたたきゲームのように、自信が出てきて上がってきたところを、
ポコンとハンマーで打ち付けられるような気持ちになる。
上がってはポコン、上がってはポコンの繰り返し。
極めつけの一言はおとといの早朝。
“你这样每天辛苦朗读也根本没有效果。因为本来你的舌头不灵活,位置不对嘛。
(=毎日そうやってがんばって音読しても、あんまり効果ないよ。だって(中国語の)
舌の動きが追いついてないし、舌の位置だって間違ってるんだからさ)”
分かっている、分かっているが、この愛の鞭は傷口をさらに抉られた。
中国語、というよりすべての言語は「ミッション自動車」のようなものだ。
トランスミッションとクラッチを正しくかみ合わせなければ、車は動かない。
それと同じ道理で、舌の位置や口の形が正しい上に、息を正しく送る事で正確な発音ができる。
ただ車の場合は「動かない」という現実が可視化できるが、発音の場合「通じない」
ということ以外は、その場で音は流れてしまい、間違いはなかなか気づきにくい。
さらに下記の3点が正確に一致しなければ、自分の間違いを見落としがちである。
- 中国語を見て、その発音を(頭で)どのように発するかの音
- 発音した音
- 実際に相手の耳に届いた音
私の場合この3点が一致していないことがあり、自分の音読を録音し聞いてみると、
発音の間違いに気が付く。しかしすべてを録音し聞き比べることはできないし、
会話となればなおさら流れてしまうため、主人に「違う」と言われるまで、その音が
違ったことに気付けないことがある。
これが一番の問題点で、ドツボにはまっている原因なのだ。
ただ悩んでいるだけでは、現状は変わらない。
そこで自らがサンプルになり、一度発音練習の抜本的改革を行ってみようと思う。
つまり、ここまで積み上げてきたものを全て取っ払い、もう一度始めから積みなおそうと思う。
もちろん、心配がないわけではない。
以前ジャンプの荻原健司氏が、「世界一美しい飛行」と言われた船木和喜氏のジャンプを
取り入れようとし、全体的なバランスを欠き、そこから表彰台には程遠い時期が続いた
という話がある。
世界的トップアスリートと比べるなど身の程知らずも甚だしいが、それでも今まで約10年
私なりに積み上げてきたものがある。
それを一度取っ払うとなると、それなりの勇気とプライドが必要だったりする。
その覚悟が固まるまでの期間が、年明けからのこの約2か月間だった。
実際音読会が始まっても、なぜかいつものようなワクワク感がなく、借りてきた猫のようだった。
5番目、私の順番がやってくるまで、出だしの音はどの高さにしようか、あの有気音は
気を付けて発音しなければと、“邪念”が頭をよぎる。
発表の時になり読み上げるも、暖簾を押すかのよう、今までで一番手ごたえがなく、
達成感のない音読になってしまった。
ある意味、発音矯正をしている現段階では正しいのかもしれないが、発音に注意するばかりに
「こぢんまりと、小さくまとめすぎた」音読だった。
ありがたいことに、このこぢんまり感を主催者のお一人である熊澤みどりさんは
見逃さなかった。
「今日はいつもののびやかな感じがなく、後鼻音の広がりが弱かったような…」
私の音読に、毎回丁寧に、慎重に耳を傾けてくださっているからこそのアドバイス。
(ご本人は「感想」とのことだが、私にとっては素晴らしいアドバイス)
参加者のめい子さんも「みどりさんの愛のあるご感想、私も同じように思いました」とのこと。
めい子さんも音読会で何度も私の音読を聞いてくださり、分析がきちんとできる方。
思えば音読会は、私の発音のバロメータだった。
昨年6月からほぼ毎月参加をし、発音や音読の問題点を見つけるたびに、練習方法を工夫し
少しずつ、少しずつと中国語の階段を上がってきた。
(音読会に関する過去の記事はこちらからご覧いただけます。【音読音源付き】)
こんな素晴らしい中国語同志に出逢える音読会。
開催していただけることに感謝しかない。
同時に、普通なら言いづらいアドバイスを、相手の上達を心から願い伝えてくれることに、
「愛」と「中国語への情熱」を感じる。
ネガティブな部分であろうと、発音に“変化”が出てきたのであれば、それをポジティブに
捉えよう。とにかく今は地道な努力を重ねよう。
その地道な練習方法が実を結び、発音が今よりも中国語らしくなったならば、
練習方法をこの音読会で発表をして、いままでの恩を返したい。
そんなことを思い、新たな目標を見つけたところで音読会が終了した。
瀋陽は例年に比べ、かなり早い春が訪れようとしている。
この春が過ぎ、夏になる頃には「武者修行」が形になっていればいいなと願う。
その修行方法を共有できる日を夢見て、今日から今まで挑戦したことのない未知の練習方法に
臨みたいと思う。
“天呐!你是外国人吗?别开玩笑了。听你说话根本就听不出来啊!
(=えぇ!外国人だって? 冗談もいいところだよ。全然(外国人だと)分からなかった!”)
そう言われる日を夢見ながら。