年末に申込みをし、この10日間非常に楽しみにしていたのが、このイベント。
そして今日ついに、「『日中バイリンガル司会』ってどんな仕事?」の座談会が開催された。
日本各地、中国、フィリピンから総勢17名の参加者。
パワーポイントを使い、中国語との出会いから今に至るまでをお話しされた。
- 中国語との出会いは25歳。(私と同じ比較的遅くからだと知り親近感が増す)
- 中国語学習を始めた後、ご主人の駐在に合わせ、中国広州に2年間ご滞在。夢にまで見た中国滞在が叶ったにも関わらず、生の中国・中国語に恐怖を抱いた苦い思い出
- 30歳で中国語にはまる。そして仕事として中国語を使いたいと思い続け、模索と試行錯誤を繰り返した日々
- 「バイリンガル司会」としての格闘と苦悩、それを越えるような喜びとやりがい
途中トラブルもあったが、司会者として、普段からやり直しがきかない状況で、
臨機応変さとトラブル対応力を培われていらっしゃるのだろうと、すぐにわかる
冷静沈着な対応で、その場をさらりと乗り切られた。
「司会者として日本語に非常に気を付けています」「エージェントの評価点は日本語」
とおっしゃるように、座談会すべてのお話しが言葉を選び、非常に分かりやすく、
心地のいい落ち着いた声で進められていく姿に、画面のこちらから拍手と送っていた。
また一番心に残ったのは、語学一本に絞るのではなく、何かに語学を+αすることで
自分の付加価値を高めていくという考え、そして行動。
つまり「〇〇×中国語」という化学反応で、「唯一」を創りだせるかということである。
もちろん通訳、翻訳として言葉を武器にご活躍されていらっしゃる方も多い。
しかし通訳・翻訳だけで生き残っていく道のりは、非常に厳しく狭き門である。
特にフリーランスともなれば、語学力はもちろんのこと、知識面、専門性、人間性、
そして声をそろえておっしゃるであろう、母語レベルの高さが求められる。
さらに逐次通訳などになると瞬間記憶力、背景把握力、ロジカル能力が求められ、
その上の同時通訳ともなれば、聖徳太子並みの同時にいくつも聞いて理解する能力は
もちろんのこと、EQさえも非常に高いレベルが必要不可欠である。
その証拠に「あの通訳さんにお願いしたい!」と逆指名を受けられる同時通訳さんは、
誰もが知る有名人、つまり行きつく人が同じ人ということが多い。
それだけ狭い世界なのだ。
さらに宇高さんの発言で、「司会者として専門の技術で勝負するには、
専門の訓練を10年程受けやっと一人前になれるかな、という感じのようです。
でも私にはその時間はおそらくないですし、それだけの金額と労力を司会業に!
とは思わないです。それなら中国語に注ぎたい!」とおっしゃっていたように、
何か一つに特化した技術は、それを極めることはかなり難しいというのが事実であろう。
また正直年齢的にも、学生時代など早くにその仕事につながることに巡り合えていれば
進む方向や結果も変わってくるだろうが、宇高さんも私と同じ40代。
これから始めてできる事を探すより、今まで持っている何かを発揮し、さらに付加価値を
つけていくほうが、自分の力を発揮しやすいというのも、冷静な分析だと思う。
何かと何かを組み合わせることにより、活路を見つけていく。「中国語×〇〇」という公式。
中国語に何を掛け合わせる事で、いかに「唯一、自分らしさ」を創りだせるか、
ならば私の「〇〇」に当たるものは、あれしかない!
〇〇もまだまだ“実習生”のレベルだが、唯一を目指して突き進もうと、背中をおされた
座談会でもあった。
今日がきっと分岐点。
宇高さんにそして、司会を務められた小島さんに、この場をお借りして、
心よりお礼を申し上げたい。
「参加ができ、収穫の多いとても良い座談会でした。ありがとうございました」
追記:宇高さんのブログに、今日のご感想をお書きになっておられます。
ぜひそちらも併せてご覧くださいませ。