ちゃーちゃん@中国瀋陽

オンライン中国語講師|中国語ネイティブの発音と、より楽しく学べる方法を模索中|漫才や“脱口秀”など、面白い事(言葉遊び)が大好きな関西人

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情熱中国(6-2)【宇高よう(Yoyo)さん・日本語中国語バイリンガル司会者】

中国にゆかりのある「人と人」「人と情報」をつなげたいという熱い思いから

始まった企画。その名も「情熱中国」

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(※決してパクリなどはしておりません。もとが良いので敬意を表し、少々拝借しているだけです。)

 

第6回目のゲストは、日中バイリンガル司会である宇高よう(Yoyo)さん。

結婚式、イベント、商談等での日本語中国語バイリンガル司会、通訳等を承ります。レッスンもご相談ください。

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情熱中国(6-1)【宇高よう(Yoyo)さん・日本語中国語バイリンガル司会者】

 

それでは昨日の第1部に引き続き、日中バイリンガル司会への熱い思いのインタビューを

早速ご覧いただきたいと思う。 

 


 

 日中バイリンガル司会の輪が、大きく広がっていくと良いですね。
 この業界へは中国語という語学からと言うことですが、司会スキルはどのように身に着けていかれたのですが?

 基礎は日本人の司会の先生に個人的について学びました。実はその先生には「司会者として需要のピークは30代」と聞き、40歳を過ぎてから始めた私は「よほどペースを上げて挑まなければならない」少々焦りました。ただ初めてみてわかったのは、日中バイリンガル司会者の人材はまだ少なく、20代30代でなければ選ばれないと言うことはありません。実際、50代を過ぎて活躍されている方もおられます。少しでも長く仕事を続けられるよう、中国語や司会スキルはもちろんの事、メイクを習ったり、健康に気を付けたり、各方面のスキルアップ(?)に勤しんでいます。

 

 実は私は人見知りで、一対一でも話したいことが出てこない時がよくあります。司会者ともなれば、大勢の方を前に話されるわけですが、緊張で声が出ないというようなことはございましたか? また緊張されたときは、どのように対処されているのでしょうか?

 マイクを持ち、緊張で声が出なくなると言うことはありませんが、始まるまでは非常に緊張します。また緊張で前日眠れなくなることや、胃が痛くなること、冷や汗が出ることもよくあります。以前は食事が喉を通らなかったことも経験しました。しかし最近、緊張すればするほどうまくいかないと言うことに気付き始め、当日の朝に美容院へ行ったり、いつもより少し豪華なランチに行ったり、ネットサーフィンにふけったりして、あえて少し「仕事モード」から離れることで、頭を切り替えリラックスがするようにしています。
 またボランティアで司会をするときは、私自身を第三者的立場から観察し「こうすればリラックスできるかな?」「こうした方がうまくいくのかな?」と、リラックス方法を試してみたりしています。この感覚はヨガを始めてから身に付いたと思います。
 もちろん私も始めからうまくできたわけでなく、ハプニングや小さな失敗は相変わらず後を絶ちませんが、今思い返せば、何か中国語に関する仕事ができないかと試行錯誤していたころに携わった観光協会の仕事がとても役に立っています。マイクを持ち大勢の方の前で話をするという経験だけは、自分一人ではなかなか練習ができません。当時は日本語でしたが、人前でマイクを持つ機会にたくさん恵まれ、場数を踏めたことが今の土台となっています。

 

 冷静になるために、自分自身を観察できることは非常に有効ですよね。またヨガがきっかけとのことですが、ヨガを通じて他に得られたこと、変わられたことはありますか?

 ヨガを始めてもう4~5年になりますが、自分を客観的に見て、気持ちをコントロールすることができるようになってきたと感じています。呼吸が浅くならないようにすることが大事です。息の使い方一つで、リラックスできることにもつながっています。もちろんジムでも体は鍛えられますが、ヨガはさらに精神的なトレーニングもでき一挙両得で、時間の節約にもなると思います。実は時々中国語でもヨガを習っています。更にお得ですね!
 実のところもともと、精神的なことやスピリチュアルことに触れるのは得意ではなく、あまり関心がありませんでした。そんなこともあり、自分の体や心に関しても疎かにしがちでした。しかし年を重ねるごとに体に対するケアも必要だと言う意識が芽生え、ヨガを始めてから栄養学や気持ちのコントロールに関する知識を少しずつ取り入れるようになりました。これらは直接声に関わることもあり、徹底的に実施されている方が周りにはたくさんいらっしゃいます。その方たちと比べるとまだまだですが、体調により「これは少し控えておこうかな」などと、自分のことを気遣うようになりました。
 というのも、昔はやり過ぎて倒れてしまうことも何度か経験しました。「頑張るのは得意だけれど、休むことは苦手」という人が周りに多く、私もそのうちの一人でした。司会が終了した後は、回復に3日程かかり、時には熱を出し体が言うことを聞かず、これは仕事をする者としてあるべき姿ではないと思ったことがきっかけです。またそういう失敗を何度か繰り返すうちに、「このままではダメ、自分を大切にしなきゃ」とか、「生活のペースを少し落としたい」と、内面を顧みるようになりました。
 性格的に、以前は120%で頑張らなくてはうまくいかないと思い込んでおり、やり過ぎていたのだと思います。しかし80%ぐらいでやっても、合格点が取れるようになってこそプロではないかと思い始め、今はそこを目指してやっています。「ホームランでなくていいから、ヒットを打ち続けなくてはいけない」という言葉があるように、最近は完璧を目指し前に進めないよりも、今できるものでまずは一歩踏み出すこと。そして次回はさらに良い物を作ろうという考え方に変わってきました。

 

 私もブレーキをかけられず、頑張り過ぎてしまうタイプなので、耳の痛いお話しです。
 4、5年前、ちょうどヨガを始められたころのお写真をブログでも拝見しましたが、その頃とはずいぶん雰囲気も変わられた印象をお受けしました。

 ちょうど観光協会に勤務していたころですね。中国語関連の仕事をしたくて観光協会に入ったのですが、あの時期は尖閣諸島問題で日中関係が緊迫し、実質日本と中国の交流がほぼありませんでした。そのため中国語の仕事もしたいけれど、中国語の仕事がなく迷っている時代でした。将来もしかしたら通訳等の仕事をするときに役に立つのではないかと、ゆるキャラキャンペーン等で全国を回り、積極的にマイクを握っていました。仕事がないなら他の活動をしようと、ブログ作成に力を注いだり、原書会を開催したりと、とにかく試行錯誤の日々を過ごしていました。

 

 原書会。確かに原書を読むことで語彙力もアップすることができますよね。またプロフィールにも「中国語の小説を原書で読むこと」とお書きになっているのを拝見し、本当にお好きなんだと感じました。
 原書会について少しお伺いをいたしますが、今も開催されていらっしゃいますか? 一番好きな原書は何ですか?また原書など仕事の他に、普段はどのように中国語に接しておられるのかをお聞かせ願いますか?

 当時は3か月に一度定期的に開催していました。今は不定期ではありますが、継続しています。
 原書に関しては、おそらく200冊以上は読んでいると思います。一冊を選ぶのは難しいですが、初めて読み切った原書である海岩『永不瞑目』、頭が痛くなるほど泣いた余華『活着』は特別な存在です。初めて原書を読まれる方には中国でも大ベストセラーになっている東野圭吾さんの『ナミヤ雑貨店の奇跡』、中国語では《解忧杂货店》をおススメすることが多いです。また普段の中国語の関わり方として、毎日入浴中にipad mini で中国語の映画やドラマを見ながら、セリフを口ずさんだりしています。机に向かう勉強ではないですが、常に中国語に触れるようにしています。商談通訳や中国企業のビジネスサポートの仕事もしています。

 

 日頃からの努力の積み重ね、本当に素晴らしいですね。
 もう一つご趣味として、「宝塚歌劇鑑賞」ともございましたが、いつぐらいからファンなのでしょうか?

 私は九州出身なのですが、実は小学生の時、父親が関西に出張する機会に一緒に連れてきてもらいました。その時、取引先の方に「せっかくだから関西らしいものを!」とオススメしていただいたのが、宝塚歌劇団吉本新喜劇でした。当時は正直どちらも分からず、何となく宝塚歌劇団を選び、宝塚大劇場へ連れて行っていただきました。そこで宝塚歌劇団を目にしたところから、宝塚歌劇団とのご縁が始まります。  また以前は『花の指定席』という宝塚歌劇舞台中継が、毎週関西テレビで放映されたり、NHKBS放送で舞台を鑑賞できたりしました。見ているうちにどんどん好きになり、高校生ぐらいにはファンになっていました。大学受験は宝塚歌劇団を見に行けるという理由で、関西の大学を受験、合格。願いを叶えることができました。 実は近年、中華圏の宝塚ファンがどんどん増えています。昨年は三回目の台湾公演が行われ、私も行ってきました!FacebookなどSNS上でのファン同士の交流も盛んで、私も加えてもらっています。劇場でも中華圏のファンの姿を毎回見かけますよ。中国語と宝塚、私の好きなこの二つがこうして結びつくなんて、昔は思ってもいなかったので、嬉しい限りです。
 どきどき宝塚の舞台に「中国語を話す」という設定のキャラクターが登場することがあります。そんなときに発音指導なんかをできるようになれたら最高ですね。それから中華圏のファンの生態はとても興味深いので、どなたかジャーナリストの方が本にしたら面白いのに、と思っています。その時は是非通訳翻訳でお手伝いしたいですね。宝塚のことなら専門用語もばっちり訳せます。

 

 お仕事の「陽」とご趣味の「陰」がうまくかみ合っていらっしゃるのですね。
 ところで先日「“聞かせる中国語”ワークショップ」というイベントを開催されたとお伺いしましたが、こちらについても少しお伺いできますか?

 まずこのイベントを開催したきっかけは、私自身今年の2月に「自宅で始めるナレーション入門講座」(https://www.voiceoverjapan.net/webinar-signup)」を受講したことです。講座主催者は英語のバイリンガル司会のお二方で、自分の家でナレーションを録音し、海外向けに自分を売り込んでいくと言う講座でした。
 私はもともと英語が苦手なため、英語圏への展開はないにしろ、音源の収録方法について学びたかったために参加をしました。参加者は30名ほどで、司会者、通訳者、ナレーター、また英語の堪能なキャビンアテンダントの方々と、みなさん本当に意識の高い方ばかりで、意見交換や質疑応答も非常に活発でした。
 声を使うお仕事はボイスサンプルを作成することで、クレームを防ぐことができます。先程にもありましたが、私は日本語もナレーションやアナウンサー出身ではありません。一般的に、日本語の司会スキルに関する講座などに参加をすると、同業者同士でも「司会者になるなら“このぐらい”のレベルの日本語は必須」と、かなり厳しいご意見が飛び交うことがあります。またバイリンガル司会者を名乗る以上、中国語レベルも求められます。これらの声や言語レベルが、相手の要求に応じられているかをご判断いただく材料の一つとして、ボイスサンプルを準備しておくことは非常に有効だと考えます。そのため中国語を使ってお仕事をしたい、さらにはもっと積極的に使いたいという方に、ボイスサンプル作りについてお話ができればと思い、開催することにしました。
 イベントはSTEP1~3まであり、STEP1のレッスン後、STEP2として中国語発音チェック、そしてSTEP3ではご送付いただいた音声データを編集して、プレゼントさせていただいております。幸い好評をいただいているので、第二回の開催も計画中です。

 

 専門機材を使用し、編集をしていただけるなんてすぐにでも売り込みアイテムの一つになりますね。ところで編集にかける時間について、どのぐらいで完成できるものでしょうか?

 量やこだわりにもよって変わってまいりますが、ボイスサンプルのような短めで標準的なものですと、録音が終了した時点から集中すれば2~3時間ぐらいで1本完成することができます。もちろん最初の頃は1日かけても完成できないこともあり、数をこなし慣れることもとても重要だと思います。
 編集は音源データをクリアにしたり、息つぎ音の消去やノイズカットなどをしたりするほか、BGMを入れたり、顔写真や連絡先などの画像を加えたりをします。
 編集の良しあしは、最終的には“センス”というところもあり、普段から色んなボイスサンプルを聞いて研究されるのも、非常に勉強になると思います。

 

(明日の、第3部につづく)

 

情熱中国(6-1)【宇高よう(Yoyo)さん・日本語中国語バイリンガル司会者】

 


 

これまでの『情熱中国』の記事はこちらをクリック

 今後も中国(あるいは中国関連)で奮闘される方を取材、あるいはインタビューをし、「人と人」「人と情報」をつなげたいという理念のもと、有益な情報を皆さんにも共有していただけるような、そんな企画になればと思っております。

 ある日突然、インタビュー依頼のご連絡が届いた方には、ぜひ今お持ちの専門性、独自性、影響力等の非常に価値のある情報やご経験、熱い思いを、存分にお伝えいただければと存じます。また逆に中国、あるいは中国語で「こんなことを知ってほしい、こんなことを伝えたい」という情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報いただければ、取材やインタビューをさせていただきたいと思います。

 これからもこの企画をはじめ、ブログをご愛読いただければ幸いです。