ちゃーちゃん@中国瀋陽

オンライン中国語講師|中国語ネイティブの発音と、より楽しく学べる方法を模索中|漫才や“脱口秀”など、面白い事(言葉遊び)が大好きな関西人

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発音習得、発音矯正を始めるにあたり(イベントで割愛したお話)

昨日、「中国語の発音について語ろう(第3弾)」というイベントを、

SC神戸中国語スクールの森川寛先生と、開催いたしました。

 ・SC神戸中国語スクール|講師が自慢の神戸の中国語会話教室

 

私は「日本人の苦手な発音 コツ教えます!」という内容で発表したのですが、

その中で、「発音習得、発音矯正を始めるにあたり」と、

2点ほどお話しようと思っておりました。

しかしながら、発表時間も限られていることもあり、こういうお話よりも

実践的な発音の仕方を、少しでもお伝えした方が良いと考え、

その部分はバッサリと割愛しました。

 

とは言え、発音習得や発音矯正において、私自身が事前に知っていれば、

気持ちが随分楽だっただろうな、と思うこともあり

こちらのブログでご案内する旨を、イベント内でもお話いたしました。

それについて、少しお話できればと思います。

 


 

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発音習得、発音矯正をするにあたり、2つ心に留めていただきたいことがあります。

  • 覚悟する、決心する
  • 螺旋階段

 

覚悟する、決心する

 

これから中国語を始められようとされる方、あるいは初めて間もない方は

(基礎となる)発音の習得は、短期戦であることを

「覚悟」していただきたいと思います。その期間は約2か月~半年ぐらいです。

 

この期間に、ある程度の仕上がり度がなければ、

発音で苦労するだけでなく、リスニング力にも多大な影響を及ぼす可能性が、

非常に高く、最終的には中国語が頭打ちになりやすいです。

 

というのは、ご自身の発音は、ご自身が思っている以上に脳に響いており、

一度脳にインプットされてしまった以外の発音は、なかなか入ってこなくなります。

そのため極端な話ですが「ong」の発音を、「eng」と発音してしまう癖が

ついてしまうと、リスニングやディクテーションの際、

おそらく間違って脳の中で処理をしてしまい、

「結果聞き取れない」「間違って聞き取ってしまう」となってしまうでしょう。

 

また口の形や、舌の位置も間違った音の形、位置で覚えてしまい、

その後、固定してしまいます。

そうなってしまうと矯正をしようとした際に、

本来ならば正しい位置に調整できたとしても、それが逆に気持ち悪く感じてしまい

少し気を抜いてしまう、ナチュラルスピード、あるいは少し早口で話した場合、

間違った悪い癖の位置に戻ってしまう可能性が、大いにあります。

 

余談ですが、私も発音矯正をし始めた時は、先生に

「今日きちんと発音ができるようになっても、寝て起きると戻っているね」と

いつも言われておりました。

それ程、悪い癖は本当にすぐに戻りやすく、その状況を打破するには、

約4か月ほどかかりました。

 

中国は広大で、中国語ネイティブの中でも発音に幅があります。

そのため「通じること」が発音習得のゴールであるならば、

それも尊重されるべきだと、私は思っています。

日本語訛りの中国語であったとしても、構わないのではないかと…。

 

ただ、ある程度発音は習得されていらっしゃるものの、

「さらに上を目指したい!」「外国人だと分からないような発音を身に着けたい」と、

これから発音矯正をしようとされる方は、

大きな「決心」をしていただいてから、始められることをオススメします。

 

発音矯正をし始めると、苦手な音に注意力が向かうため、

今まで上手く発音できていた音にも、(一時的な)音の狂いや、

間違った音への変化が、生じる場合があります。

 

さらに、発音矯正は文章の音読などではなく、ピンインという基礎中の基礎から

やり直さなければならないため、中国語レベルが高ければ高い方ほど、

その単調な練習、向こう岸が見えない海を泳いでいるような練習に、

飽きや嫌気がさしやすい、という傾向があります。

 

具体的な例を話しますと、発音がまだ安定しないうちから、

(発音への注意力が持続しづらい)長文を読んだり、早口で話してしまうと、

舌や口の周りの筋肉が追い付かなくなってしまいます。

そのため自分の癖に戻りやすい環境に、身を置いてしまうことになります。

 

私自身、中国で生活していることもあり、

中国語を今まで通り、話さなくてはいけない環境にありました。

一方で発音のことも気になりながら話すため、しどろもどろになることが多く

「最近、中国語が下手になったよね」と、友人や同僚から

散々言われた時期がありましたし、自身でもとてもはがゆかったです。

それでも「今はこれでもいい」と、ある意味開き直れたのは、

発音矯正を始める前に、「決心」をしてあったからだと思っています。

 

また練習方法は、「まずはピンインだけ!」という日々が約2か月程続き、

その後単語、短文、段落とステップを踏んでいきました。

最終的に、先生から長文音読許可が下りたのは、

発音矯正開始から、7か月以上経過してからのことでした。 

(もちろん色々な方法、アプローチの仕方があると思います)

 

そして「決心」が必要な最大の理由は、発音矯正はとにかく長期戦であること。

(中国人の)主人からは、「次のステップに行くには、あと2年は必要だな」と

言われています。

 

これらは私の経験で、しかも私は習得が遅い方だと自覚しています。

しかしながら、途中で心が折れてしまわないためにも、「覚悟と決心」をされてから

取り掛かられた方が、長く続けていけるのではと思います。

 

 

螺旋階段

 

発音矯正だけでなく、語学学習は「螺旋階段」のように思っています。

 

実は先日、久しぶりに主人に音読を採点してもらったのですが、

読み終わった後の一言が、「もう一度ピンインからし直そう!」でした。

 

この一言は(ここだけの話)かなりショックで、

「私のこの1年間の努力は何だったの?」と、正直思いました。

 

ただ主人曰く、

「1年前は間違いを指摘して、僕が正しい発音を数十回、数百回言っても

それを模倣することもできなかったけれど、今は2度も言えばきちんと再現できる。

言い換えれば、口の形や舌の位置等が正しく、単独で発音すれば

間違いなく発音ができるまで成長した。

ただ、長文になると前後の音や声調の影響を受け、口や舌が

正しい位置までおっつかないことがある。要は筋肉耐久力の問題だね」

という評価でした。

 

つまり「ピンインに戻ろう」と言われ、振り出しに戻ったような気になりましたが、

改めて考えると、「螺旋階段」を上がり、一周してきたと言うことだと思いました。 

 

またテキストや参考書、先生のアドバイスでさえも

1回目は理解できなかったことが、2回目、3回目と回を重ねるごとに

理解ができるようになってきます。

(例えばビデオ学習などで)1回目の視聴では気づかなかったことが、

2回目では疑問に感じ、3回目ではご自身で答えが分かったりと言うのも、

「螺旋階段」の原理です。

 

一見同じように見える景色も、その足を止めなければ、

きっといつの日か、景色が違って見える日が来ると思います。

 

発音など語学学習は全般的に、何度も何度も繰り返す必要があります。

しかし同じところを回っているのではなく、螺旋階段のように

少しずつ、少しずつ上に登っていることを、心に留めていただきたいと思います。

 


 

イベントの持ち時間の冒頭で、本当はこのようなお話をさせていただくつもりでした。 

ただ、この部分を含めるとメインである発音のコツの部分に、

十分時間を割くことができず、この部分はブログでお伝えするという判断を

イベント直前にしました。

 

今回のイベントでは、左側黒文字部分の発音のコツを話させていただきましたが、

機会を設けて、右側灰色文字部分の発音についても、お伝えできればと思っています。

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イベント「中国語の発音について語ろう(第3弾)」 開催報告 (「ビデオ視聴」追加募集承ります) 

 

またこの発音イベントのための“特別ゲスト”も、ご参加くださいました。

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こちらのゲストも、大変ご好評いただいたため、

次回もぜひ、ご参加いただけるようにいたします(笑)

 

ステイホーム週間で、従来のゴールデンウィークとは過ごし方が全く異なりますが、

このように中国語を通じて、みなさんと共に時間を過ごせることを、

本当に嬉しく存じます。

このコロナウイルスが収束するころには、また違った時代がやってきます。

オンラインを通じ、さらに世界が近くなっていると思います。

その日のために、中国語同志のみなさん、少しずつ一緒に準備をしていきましょう!

 

 ※イベント後、購入元のお問い合わせがありましたので、こちらでリンクを張っておきます。