中国にゆかりのある「人と人」「人と情報」をつなげたいという熱い思いから
始まった企画。その名も「情熱中国」。
(※決してパクリなどはしておりません。もとが良いので敬意を表し、少々拝借しているだけです。)
第8回目のゲストは、中国語発音矯正講師、中国語発音指導法講師である井田綾さん。
中国語の発音が気になるなら「りんず中国語ラボ」でクセ改善を
中国語をある程度マスターしたという方でも、発音に関する悩みは尽きないものです。中国語には独特の発音法があり、学習者一人一人もそれぞれ異なるクセを持っていることがほとんどです。中国語の発音に悩んでいる方は、りんず中国語ラボの講座をご利用ください。
スマホやパソコンがあれば、どこからでも利用できる、オンラインのプライベートレッスンをおこなっており、個々の受講生のスキルと目標に合わせた内容を提供しています。通訳として働きたい、仕事で中国語を使っているといった方も、適切な発音チェックを行い、矯正が必要な個所を明確にできるりんず中国語ラボをご利用ください。
情熱中国(8-1)【井田綾さん・中国語発音矯正、中国語発音指導法講師】
情熱中国(8-2)【井田綾さん・中国語発音矯正、中国語発音指導法講師】
情熱中国(8-3)【井田綾さん・中国語発音矯正、中国語発音指導法講師】
本日は中国語発音矯正講師、中国語発音指導法講師のほかに違った顔が…。
その顔とは? それでは引き続きをご覧いただきたい。
産業翻訳を経て、人生の目標である文芸翻訳に少しずつ移行されますが、なぜ文芸翻訳を!とお考えになったのでしょうか?
まず文芸翻訳の前に、私の専門の学術書でどうしても翻訳をしたい1冊があります。その1冊とは中国東北部の少数民族の60年程前のフィールドワーク調査(をまとめたもの)で、著者にも会いに行きました。
実際に著者の元まで足を運ばれたのですか。それはすごいですね。私も中国で生活をしていて、少数民族についても非常に興味があります。
ではその作品以外に、翻訳されたい作品はありますか?
中国の都市生活者が主人公になっている、軽いエンターテイメントみたいな作品を、ぜひとも翻訳したいと思っています。それはミステリーでもいいですし、オフィス小説でもいいと思っています。その作品が日本で出版されたら、たまたまおもしろそうだからと手に取った読者が、今まで中国についてなんの興味もなかった人であっても、たまたまその物語の舞台が中国であることによって、中国の日常の生活を知る。登場人物を通じて、中国人も今の自分と同じような悩みを抱え楽しみをもって生活していることを知る。そしていつの間にか中国という国が、未知の別世界ではないと感じるようになり、中国アレルギーを持つことがなくなるような、そんな作品を、翻訳したいと思っています。
確かに中国を紹介する作品は、少しヘビーなものが多いように私も感じています。
そうですね。莫言さんに代表されるように、ノーベル賞級の作家の作品が多く、もちろんすべて名作ではありますが、読んでいて少し疲れてしまう感じがします。
少数民族の書籍や、軽いエンターテイメントのような作品など、それらの情熱は、どこからやってくるのですか?
言語そのものに対する興味や、言語、そして翻訳に対するリスペクトだと思います。余談ですが、旧約聖書にバベルの塔の話があります。人類がバベルの塔を建設したことが神の怒りに触れ、人々は共通言語を失い言葉が通じなくなったという話ですね。それが非常におもしろいと思います。聖書のエピソードが生まれた背景に、どんな社会事情があったかのは分かりませんが、世界に多くの言語があって互いに通じないことを、経典に特筆してあるということがすごく奥深いと思っています。言語を獲得したからこそ人類は人類なのである、そんな切っても切れない関係が反映されていると思えてなりません。言語について、こんな風におもしろがる、そういう感覚がずっと心の奥底にあり、尽きることがありません。
言語自体がお好きでいらっしゃるということは、条件や時期が少しが異なれば、選択言語が中国語ではなかったかもしれませんね。
大学で第二外国語を選択するとき、第一希望は中国語、第二希望はロシア語で提出をしました。そのため、ロシア語だった可能性もなきにしもあらずですね。
中国語を第一希望にした理由は、韓国旅行の思い出が影響しているのかもしれません。韓国語にも日本語と似ている発音の単語があり、漢字文化圏の歴史を感じました。中国語に至っては漢字、漢文、文学、古典、和服、正倉院の宝物などなど日本文化のルーツの国の言葉だと思っていましたし、高校時代に漢文を学びますが、日本に文字がなかった卑弥呼の時代のもっと昔から書物がつづられているという驚き、漢字文化圏に日本が組み込まれていることは自然と理解することができます。その文化のルーツを知り、深く追求したいという思いから、中国語を選択しました。
高校時代に訪問されたこともあり、ハングルから外国語への興味をお持ちになったという理由から、韓国語という選択肢はありましたか?
選択科目になかったため、選択肢にありませんでした。しかしもし選択肢の1つだったとしても、漢文への興味が強かったかもしれません。大昔に稲が中国から船に乗せられ伝播してきたというような話や、七夕の原型が中国にある話、お雛様の川に形代を流すのは中国文化の影響を受けているというような考古学や民俗学が好きで、日本海を中心とした東アジア文化圏への興味が強かったため、やはり中国語を選択していたと思います。
なるほど。ちょうどその中国語への情熱を体感していただけるような書籍が、現在執筆中とお伺いしましたが、そちらについてお聞かせいただけないでしょうか?
『中国語の先生の教科書』という、中国語を教えるノウハウや私が日頃行っているレッスン方法などをお伝えする内容です。
中国語を教えること自体に「どうしたらいいでしょう?」と迷ってらっしゃる方が、私のアドバイスを聞いて喜んでくださいました。また中国語講師数名の方から、発音教授法を教えてほしいというお声をいただき、出版しようという思いに至りました。
今までのほとんどの中国語講師のロールモデル、職業モデルが、中国語を専攻し大学で教えられている方だと思います。その方々は教授法においては大学で勉強されていない場合も多いですが、テキストも決まっており、同僚もいて、恩師もいて、という環境で有形無形のサポートがあると思います。一方私は、中国語専攻ではなく、なおかつ大学の教壇にも立っていません。そのことで逆にこれからいろんな形で中国語講師になりたいという、多くの方々のロールモデルになれるのではと思っています。今手探りで教えていらっしゃる方々に、民間の中国語教室や企業派遣、オンライン発音講師の経験、心構え等、お役に立てることをお伝えしたいと、書籍にすることにしました。
特別に「はじめに」を先に拝見させていただいたのですが、その部分だけでもこの本を今すぐに読みたいと思いました。またこの本に10年前に出会っていれば、一時は目指した中国語講師の道を諦めることはなかったと思います。こちらの作品が発表されましたら、ぜひこのブログでもお知らせさせていただきたいと思います。
実は今回が処女作ではなく、Kindle出版は前作の『電子書籍を書く前に読む本 あなたのテーマとタイトルが決まる7つの質問』に続き2冊目で、さらにはkindle出版プロデュースもされていらっしゃいますね。
電子書籍は、教え業、個人事業やブログで専門的なことを書き綴られていらっしゃるフリーランスの方、また副業やちゃーちゃんのように自己発信をされている方の情報発信メディアの1つとして、非常に有効な手段だと思います。
紙の本の出版社に勤めた経験、前回電子書籍を出版した経験から、紙書籍と電子書籍でできることがそれぞれ違うことも理解しています。それを踏まえパソコンも得意なこともあり、kindle出版プロデュースを続けていこうと思っています。
中国語と出版プロデューサー、どちらも大好きな分野で能力を発揮され、二足の草鞋を履かれているお姿は素敵ですね。
自分のできることで、人の役に立てるということがすごく嬉しいです。
息子がちょうど10歳になり、将来のことを考え始める年頃です。思えば子供達には小さい頃から「自分の得意なことで、人の役に立てることはすごく幸せなんだよ」と、いつも伝えていました。残念なことにそれが叶わない人たちもいらっしゃるでしょうし、私自身そうでない時期もありました。良い会社に入るために、良い大学に入学しましょうということよりも、やりがいのある仕事に取り組め、力を発揮できることが幸せだと思う気持ちが私の基本姿勢だと思います。そのためにビジネス面ではりんずプロダクションの規模や対応可能レッスンの時間を増やしていかなければならないと思う一方で、中国語のお陰で自己実現、自己肯定ができ、中国語を続けていることを非常にありがたく思っています。
ご自身が努力の末、つかみ取った中国語と出版関連のお仕事で、そのようにお感じになり、毎日過ごされているお姿は、本当にお美しいと思います。
それでは大変名残惜しくはありますが、最後に一言お願いいたします。
この度はインタビューにお誘いいただき、ありがとうございました。 そうですね…、発音講師としての私の特技は、中国語が私よりお上手な方の発音についても、発音矯正指導をしてさしあげられることだと思っています。発音の悩みを誰に相談したらいいのか…、とお悩みの方に、オンラインで地域にとらわれず発音学習の機会を用意しています。 また、私一人の力では、一生かかってもお手伝いできる受講生の人数はたかが知れています、発音指導のできる講師の育成も始めようとしているところです。
発音が重要と言われる中国語で、発音という障壁を低くし、個人と個人がコミュニケーションを進めることで国際的に親和的な雰囲気が広がっていくことを願っています。
中国語の発音や教え方に興味のある方は、私の「発音矯正は大人になってからでも大丈夫:りんず中国語ラボから7通の手紙」という無料メール講座をぜひお読みください(https://idaaya.com/mail-magazine/)。
この度はインタビューにお誘いいただき、ありがとうございました。
こちらこそ長いお時間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
レッスンや執筆活動でお忙しいため、2日間に渡り、小分けにお時間をいただいての
インタビューだった。
1日目はなんと日本時間5時から、そして2日目は週末にも関わらず、どの質問に対しても
言葉を一つ一つ丁寧に選び、非常に内容の濃いお話をしてくださった。
実はインタビュー前の綾さんの印象は、音読会やメール、Facebookでのやり取りなどから、
冷静で無駄がなく、高貴なオーラを感じるため、ご自身の秘めた思いや苦労話は、
あまり積極的には話されない方なのかもしれないと、勝手に思い込んでいた。
しかしインタビューではご自身のコアとなる部分、辛かったことなども併せて、
思いや中国語発音矯正講師までの道のりを、たくさん語ってくださった。
それらを拝聴した時「この経験があったからこそ、相手の痛みに寄り添い、
ご縁を大切にされていらっしゃる方なのだな」と、胸が熱くなった。
特に中国語発音矯正講師として、発音や音読会について語ってくださるお姿は、
情熱が溢れ、いきいきとし、神々しく本当に美しかった。
また講師の他にもこれまでのご経験を生かし、パラレルキャリアとして
『Kindle電子書籍出版プロデューサー』でもあり、編集・校閲、ヒアリング、リライトも
手がけていらっしゃる。
・Kindle出版の「いろは」:ブログとKindleで著者になる!
「本を出してみたいけれど…」という方の背中を押すべく、
さらには、「一人でも多くの方に著者デビューをしてほしい」という願いを込め
編集・校閲10年、翻訳20年のご経験をもとに書かれた書籍を今年3月に出版されている。
電子書籍を書く前に読む本 あなたのテーマとタイトルが決まる7つの質問: ブログとKindleで著者になる!
- 作者: 井田綾
- 発売日: 2019/03/29
- メディア: Kindle版
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私も発売当日に手に取り、読み進めていくうちに、「書いてみようかな…」と
新たな目標を示してくださるような、そんな内容であった。
AI通訳・翻訳、AIコミュニケーションシステムと、科学技術が目まぐるしく発展し
外国語を勉強する必要がない、そんな時代がこれから本当に到来するかもしれない。
いや、それほど極端なものでなくとも、相手に通じる発音であれば、
発音矯正レッスンを受講し努力を重ねなくとも、もしかしたら十分なのかもしれない。
それでも綾さんは受講者さんの「発音がうまくなりたい!」という切なる願いを受け止め、
優しく寄り添い、時には厳しく、中国語発音矯正講師を、あるいは
発音指導の“同志”を育てようと、中国発音指導法講師をつとめられるのは、
自分の口から出す音で、思いが伝わることの楽しさや重要さ、そして尊さをご存じで、
それらをご自身と同じように味わってもらえたら、という願いと熱情があり、
また、自分にできる最大の努力で発音をキレイにすること、正しくすることが、
相手への尊重であり、言語そのものに対するリスペクトでもあることを
伝えられたいのかもしれない。
小松京子さんを始め、多くの受講者さんが「本当に素晴らしい先生」と
ご自身のブログでも取り上げたくなる、そんな綾さんのレッスン、そしてお人柄。
これは発音に対する知識の豊富さはもちろんのこと、言語に対する情熱、
そして綾さんそのものの人間性に、多くの方が惹かれ、魅了されるからであろう。
今日も「聞こえる耳」で、受講者さん一人一人に丁寧に向き合い、
もう一ランク上の語学習得、伝わる快楽のステージへと、導いていらっしゃるはずである。
今回綾さんの熱意に触れ、中国語により一層真摯に向き合おう、やはり中国語って楽しい
そう思えたインタビューだった。
情熱中国(8-1)【井田綾さん・中国語発音矯正、中国語発音指導法講師】
情熱中国(8-2)【井田綾さん・中国語発音矯正、中国語発音指導法講師】
情熱中国(8-3)【井田綾さん・中国語発音矯正、中国語発音指導法講師】
今後も中国(あるいは中国関連)で奮闘される方を取材、あるいはインタビューをし、「人と人」「人と情報」をつなげたいという理念のもと、有益な情報を皆さんにも共有していただけるような、そんな企画になればと思っております。
ある日突然、インタビュー依頼のご連絡が届いた方には、ぜひ今お持ちの専門性、独自性、影響力等の非常に価値のある情報やご経験、熱い思いを、存分にお伝えいただければと存じます。また逆に中国、あるいは中国語で「こんなことを知ってほしい、こんなことを伝えたい」という情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報いただければ、取材やインタビューをさせていただきたいと思います。
これからもこの企画をはじめ、ブログをご愛読いただければ幸いです。