ちゃーちゃん@中国

中国滞在10年以上の日本人女性から見える「生の中国」とは?



あなたの目には、中国はどのように映っていますか?

あなたが本当に知りたいことはなんですか?

影響力等は決してないですが、日本人と中国人の誤解が少しでも解ければと思って始めたブログです。



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前回「胸が熱くなり、涙を流した」のはいつでしたか? ~こども園で起こったある出来事~

前回「胸が熱くなり、涙を流した」のはいつでしたか?

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中国は一般的に、9月から新しい学年が始まる。

多くのこども園も9月が入園、進級の時期であるが、我が子が通うこども園は、

両親が共働きという家庭も多いため、夏休みがなく8月1日からが新学期である。

(ただこども園は随時入学可能で、我が子のこども園は入学式さえもない)

 

中国も園児数に対して、先生の数が法律で定められている。

1クラスあたり小班(年少、3~4歳)25人、中班(年中、4~5歳)30人、

大班(年長、5~6歳)35人に対し2名の保育士(正担任と副担任)と

1名の補助員の合計3名で構成されている。

中华人民共和国教育部令(第39号)幼儿园工作规程_2016年第12号国务院公报_中国政府网


思い返せば1年前の8月1日に、我が子はこども園の門をくぐった。

入園1か月間、クラスメイトはピーピ君と我が子の2人。

先生方3人を2人で独占したこともあり(笑)、比較的早くこども園に馴染んでくれた。

今でもピーピ君と我が子はどこに居ても隣同士でいるほど、本当に仲が良い。

 

また主担任を始め、先生方にも恵まれた。

新聞やテレビのニュースから体罰や暴言、贔屓の記事もよく見かける。

そんな中、本当に親身になって我が子に接してくださっただけでなく、

日本人である私にも、懸命にコミュニケーションを取り、

私の考えを理解しようとしてくださった。

またおべっかなどの不要な遠慮はせず、我が子の1日に起こった良い事と悪い事を包み隠さず

伝えてくれたことも、非常に感謝をしている。

 

そのため、進級後も担任を引き続き受け持ってもらえればと思っていたし

入園時に、主担任は変わらないと聞いていた。

念のため日本帰国前の6月、園長先生に確認したところ「正担任は変わりません」とのこと。

安心して日本一時帰国をし、中国に戻った7月31日、事件は起こった。

 

Wechatの保護者グループに流れてきたメッセージ。

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なんと、正担任が急遽交代になるというのだ!

 

このあと、保護者たちが「正担任が変わるなんて聞いていない!」「新担任から電話がきた」と、

一気にコメントをし始める。

 

正担任は変更しないという口約束があったため、入園したというピーピ君のママが

怒りを爆発させた。

「明日から新学期が始まるということは、今日中に解決しなければ

新しい先生への交代を認めたことになる。午後、園長先生と話し合ってくる!」

 

それに反応したのは、シャンシャン君のママ

「人数が多い方が説得力があるはず。時間のある方はみなさん園まで足を運びませんか?」

 

その声にさらに反応したのが、シャオヤン君のママ

「今日どうしても抜けられない用事があって、園には行くことができないけれど、

反対の署名をするわ。主担任交代に反対でなおかつ今日園前いけない方は、私に続いて!」

その呼びかけに集まった署名。

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決戦は午後2時。

「おとなしく座ってられない!」と、オフィスを早めに出て1時半にはこども園

到着予定とのコメントを残したピーピ君のママ。

私もピーピ君のママの到着に合わせ、こども園に向かった。

 

ピーピ君のママとこども園に入っていくと、受付で手続きをしている主担任が目に入った。

私達を見つけた主担任は、すぐさま駆け寄ってきてくれ

「私も…」と言ったところで、声を詰まらせ、目を真っ赤にした。

 

どうやら主担任も、この通知を前夜に受け取ったらしい。

そして園長先生に引き続きクラスを受け持ちたいことを訴えたものの、聞き入れてもらえず

しぶしぶ「主任交代確認」のサインをしに、受付に来ていたというのだ。

隣をみるとピーピ君のママが、怒りで震えているのが分かった。

 

午後2時には合計10名の保護者が集まり、園長先生との対話の時間を一緒に待った。

 

約束時間を少し過ぎたところで、園長先生が会議室に入室してきた。

園長先生の言い分、保護者たちの言い分を聞きながら、どちらも理路整然と淡々と

主張していく姿を見て、「東北女性はやっぱり強いな!」と思ったりもした。

 

私も便乗する形ではなく、自分の意見として2、3程述べさせてもらった。

  • 園長先生は発表会などで「『立派な人になる』ための教育が大切で、我が園ではそう言う教育をしているとおっしゃっていました。私もこの考えに同意します。しかし今回「主担任は変わらない」とお伝えいただいたにも関わらず、急な交代という事実を受け、我が子は騙されたと思うと思います。この状況を我が子に、どう説明すればいいか教えてください。
  • 新しい先生の授業を受けたことがないのに、新しい先生はダメだという判断はしないでいただきたいとおっしゃいました。一方で主担任は年少クラスを持ったことがないため、任せられないともおっしゃいました。この論理、矛盾があると思われませんか?
  • 園長先生がおっしゃるように、子供の「変化に対する適応力」を高めることはとても大切だと思います。ただ今この子たちに必要なのは、まず安心感、安定感なのではないでしょうか? この1年間で副担任は3人変わりました。クラスの人数も入園時、園長先生からは最大20人とのお話しでしたが、25人まで増えています。それでも主担任が変わらず、子供たちに愛を持って接してくださっていることが分かるため、我慢してきました。適応能力が必要と言えども、人には感情があります。昨日の今日で、主担任の交代を宣言されても、私達大人でさえも受け入れ難いのに、子供たちの小さな心はどのように感じるでしょうか?変化を受け入れられる心は、まずは安定した心があってからこそではないでしょうか?

 

ピーピ君のママは、すでに退園届も持参しており、

「主担任が変わるなら、新しい環境に適応しなければならないという点で

新しいこども園に移っても同じです。主担任が彼女だったから、今まで1時間かけて

このこども園に通っていましたが、その必要もなく近所のこども園に通わせます」とのこと。

我が子にとって、主担任もピーピ君も一気にいなくなってしまうようなことは、

避けてあげたいと願うばかりだった。

 

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2時間にも及ぶ話し合いがもたれたが、膠着状態。

会に参加している保護者たちが、「主担任を交代させるならこども園を退園します」と

次々に切り出した。

そこで園長先生が動いた。

「新しい先生と、今の主担任と話し合いをするため、一旦会は終了します。

決定次第、結論をお伝えします。」

 

参加している保護者たちから口々に、「何時に結論が出るのですか?」との声。

園長先生は「今日中です」と言って、退室した。

 

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私達保護者もいったん解散したが、その後もWechatのグループチャットは、

着信音が鳴りやまない。

さらに会議に参加できなかった保護者たちが、受付に「主担任交代反対!」の

抗議の電話を入れ始めた。

みんなが祈るような思いで、時間が過ぎていくのを待っていた。

 

時計の針が6時を過ぎた頃、Wechatのグループチャットに主担任から連絡が入る。

「先程通知があり、引き続き主担当としてこのクラスを受け持てることになりました!

みなさん、本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。」

 

グループチャットには「良かった!」「ありがとう!」の声が飛び交った。

私も思わず安堵の吐息が漏れた。あぁ~、本当に良かったぁ。

 

今までも、こども園では主担任が新学期の前日に「交代告知」を受け

抗議をしたことがあり、いずれも訴えは聞き入れてもらえず、

園児も保護者も涙を流してきたそうだ。

それが今回初めて、意見を聞き入れたらしい。

 

心躍る結果に、震える手で主担任にメッセージを送った。

「嬉しくて涙がでました。本当に良かったです。保護者の方々を動かしたのは

先生の日頃の努力の賜物だと思います」

 

そのメッセージを受け、主担任から音声メッセージが届いた。

声にならない涙声で「ありがとう、ありがとうございます。みなさんが私のことを

ここまで信頼してくださったことに、本当に、本当に感謝しています」

 

先生のその思いを受け取り、私も涙が止まらなくなった。

「今まで以上に先生との時間を大切にしたいと思います。

この1年もどうぞよろしくお願いいたします。」

そう音声メッセージを送るのが、やっとだった。

 


 

今回、この結果を掴みとることができたわけは、保護者の一致団結と、

そして教養の高さだったと思えてならない。

実は我が子が通うこども園は、瀋陽市内では高めのこども園料である。

その支払い能力がある家庭の保護者は、留学を経験していたり、有名大学院を卒業していたりと、

やはり教養が高く、経験が豊富な方が多い。

そのため話し合いも決して暴力的にはならず、ロジカルに、説得力のある言葉で

展開していくため、隣で聞いていて身震いがするほど勉強になった。

そしてもう一つの理由である団結力は、以前のブログでもご紹介した通り、

外国人である私も受け入れてくれる懐の深さと、度量の大きさがあり、

お互いを尊重できる「心」があるからだと思う。

 

こども園での出来事を通し、中国社会を1つずつ体得していけること。

こんなにありがたいことは、他にあるだろうか?

「胸が熱くなり、涙を流せる」程の主担任に出逢えたこと。

こんなに幸せなことは、他にあるだろうか?

 

地域性もあるだろうが、不満や疑問を感じれば理性的に声を上げ、

周りも一緒に巻き込み、味方を増やしていきながら、自分の望みをかなえていく姿。

「事なかれ主義」「表面的には賛成で、後から文句を言う方」

「足並みをそろえるために、自分の主張ができないこと」が多いように感じた

私が学生時代だった頃経験した同胞の姿より、今回のママたちが輝かしく見えたのはなぜだろう。

 

きっとこういうところが、この中国瀋陽で生活をしていて

「これからもがんばっていこう」と思える、そんな出来事だったのではと思う。

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