ちゃーちゃん@中国瀋陽

オンライン中国語講師|中国語ネイティブの発音と、より楽しく学べる方法を模索中|漫才や“脱口秀”など、面白い事(言葉遊び)が大好きな関西人

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情熱中国(9-3)【はーもりこさん・作文指導講師】

中国にゆかりのある「人と人」「人と情報」をつなげたいという熱い思いから

始まった企画。その名も「情熱中国」

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(※決してパクリなどはしておりません。もとが良いので敬意を表し、少々拝借しているだけです。)

 

第9回目のゲストは、作文指導講師のはーもりこさん。

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書くことは自分自身を知る事、をモットーとした作文の教室です。

作文の書き方を学ぶだけではなく、自分自身の気持ちと向き合い

言語化する習慣をみにつけながら、お子さまの表現力を育みます。

書いて深める、作文の教室

 

情熱中国(9-1)【はーもりこさん・作文指導講師】 

情熱中国(9-2)【はーもりこさん・作文指導講師】 

 

 昨日の第2部に引き続き、はーもりこさんがずっと温め続けられた作文教室。

そこにはどんな“つながり”が…。

それでは、早速ご覧いただきたいと思う。

 


 

 最近「子供が切れやすい」と言われることが多くあり、それは自分の感情をうまく表現できないことが、原因とも言われています。それは核家族になり、近所付き合いも少なくなった今、色んな人との交わりが少なくなることで、語彙力も少なくなっているからだそうです。以前は違う年代、違う背景を持った人たちから、色々な語彙に触れることができました。例えば一人称でも、「私、僕、俺、自分、吾輩、あっし、うち、わい、おいどん、拙者…」。いろんな語彙に接する機会が少なくなり、自分の気持ちを的確に表現できる語彙力も、少なくなったと言われています。そのため、じれったさや、もどかしさが、苛立ちとなって現れるそうです。

 言語は人の気持ちと、結びついていますよね。私自身も外国語を学んだり、海外での生活を通して、ひしひしと感じています。

 

 私自身も中国で生活をし、中国語で上手く伝えられないことで、感情が激しくなることがあります。
 少し話が飛びますが、生徒さんのご両親からのコメントを拝見していると、お子様の作文能力が上がったことに対する感謝はもちろんですが、お子様の新しい一面を知る機会になったことを、感謝されているようにも感じています。

 泣けるぐらい、とっても嬉しいお言葉です。ありがとうございます。

 

 先生と言う「教える」立場の方は、それらのコメントをご覧になった後、あるいは講座での反省点などを消化し、次につなげていこうと考えていらっしゃると思うのですが、これからさらにこの作文教室を、どのように展開されたいですか?

 文章は添削を繰り返してもらうことにより、洗練されていきます。そのいい意味での壁打ちができる存在に、なっていきたいなと思います。そのために生徒さんが自分のことを表現したいと思ってもらえるような、そんなフィードバックができるように、さらにスキルアップがしたいです。
  さらにとても大きな夢ですが、作文教室を国籍問わず、たくさんの子供さんに届けられれば感無量というか…。私の人生に意味があったな、と思えるんじゃないかなと思っています。
 「内省をし、その感情を表現し、自己理解を深める。」そんな、自分の人生を主体的に歩む力を養っていけるような、そんな授業を目指したいと思っています。欲を言えば、それをスワヒリ語や中国語でもできると最高です。想像しただけで、嬉しくてドキドキします。

 

 以前、日本滞在の日本語に不自由を感じていらっしゃる方の、学習支援ができればとおっしゃっていましたが、そちらはいかがですか?

 そうですね。自分が学んだ中国語を生かして、やってみたいと思う一番の理由がここにあります。その学習支援が、この作文教室でもできると良いなと思っています。もちろんそれらができるまでの実力は、まだまだ伴っていないので努力を重ねて参ります。正直、まだどういう風に始めていくかさえも手探り状態ですが、いずれはそんなことができればなと考えています。

 

 それは国籍だけでなく、子供も大人も、誰もが参加できるイメージですか?

 子供に限らず、大人の方も「日本語でのコミュニケーション」と言う意味で、困難をお持ちの方はたくさんいらっしゃると思います。そういう方たちにも授業ができるなら、さらに良いなと思っています。
 また作文教室は、今はお子様向けですが、大きな目標としては親御さんも含めた「家族」を対象にしていける方向を探っています。まだまだそこには至りませんが、もし「目標は?」と尋ねられたなら、掲げたいです。

 

 素晴らしいと思います。

 この作文教室を続けていると、ありがたいことに「親の私も受けたいです」とのお言葉も頂戴します。私自身も一生を通し、内省する習慣がとても大事だとも思います。そのため、そう思ってもらえることが、非常に嬉しく思います。またこのような作文教室が、子供だけに限らず、大人向けの開催があってもいいと思います。なぜなら「自らの心に問う」というような時間は、人生に絶対必要だと思っているからです。
 ただそこまでの規模になると、私一人では手が回らないと思います。そのため共感してくださる、多くの方のお力をお借りできれば嬉しいです。

 

 子供から大人まで「家族」を対象にした作文教室。それが実現できると、本当にすごいなと思います。応援しています!
 それでは大変惜しくはありますが、最後に一言いただけませんか?

 本日は本当にありがとうございました。インタビューを受けながら、コロナウイルスでモヤモヤしていた気持ちが、さらに心が浄化されていきました。

 それではまず中国で出会った友達へ
  コロナウイルスが発生したために、中国生活が強制的に終了してしまいましたが、中国生活を振り返ると、後悔は微塵もなく、本当に行って良かったなと思っています。夫には中国に連れて行ってくれて、本当にありがとうと伝えました。そう思えるのも、中国で出会ったあのおじさん、あのおばさんとの出逢いがあったからこそです。みなさんのその温かい気持ちに支えていただき、多くのことを教えていただけました。きっといつの日か、必ずお礼を言いに行きます。そしてその日までは私も、日本でしっかりと地に足を付け、生きていくことを伝えたいです。また私なりに、中国と日本を繋げるような活動をすることで、中国への恩返しや還元をしたいと思っています。
 
 これから駐在が始まる方へ
 コロナウイルスの影響で、私が中国を訪れた時のような状況ではないために、同じことは当てはまらないかもしれませんが、コロナウイルス収束後、中国の地に足を踏み入れられることを、私は心から応援したいと思います。良い事も、そうではない事もどちらもあるとは思いますが、そのいずれの経験も、振り返った時に「良かった」と思えると、私は信じています。ぜひがんばって、楽しんでいただきたいと思います。
 
 そして、最後にちゃーちゃんさんへ
 今までも何度もお伝えしていると思うのですが、私が中国語を始めた理由は、ちゃーちゃんさんに出逢うためなのでは…、とさえ思っています(笑)。神様がくださった出逢いだなとしみじみ感じ、本当に感謝しかありません。 コロナウイルスで中国生活が強制終了し、フラストレーションがたまっていた時に、「中国生活の卒業式をきちんとして、次に進めるようにしなきゃね」とお声掛けくださったこと。そのお心遣いに気持ちが浄化していくのを感じました。そしてこのインタビューも話しながら、心が癒されていくようでした。本当にありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いします。

 長きに渡り、ありがとうございました。このインタビュー中、はーもりこさんとの「つながり」を色々思い出し、一人で胸が熱くなっていました。
 中国語同志として、どうかこれからもよろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。

 


 

インタビューの冒頭で、ふと、この『情熱中国』の話となった。

「ちゃーちゃんさん自体が情熱ですよね(笑)。でないと、ここまではできないです!」

「何かを伝えたい、感じてほしいという思いだけです。お金にもならないですし(笑)」

「そうなんですよ。『情熱中国』がいずれどこかで、“購読”になってしまわないかと。

読みたい私からすれば、ちょっとドキドキしています(笑)

本当にすごいことをされていると思っています」

と、いつものあのキラキラした瞳で話してくださったため、

それまで頭の中で組み立てていた、インタビュー内容が全て真っ白になってしまった。 

 

インタビューで気付いたことは、こちらの問いかけに、

「そうですよね」「うんうん、分かります」「あー、なるほど」と

すぐに自分の思いを伝えるのではなく、一旦私の質問を全て受け止めてから、

ゆっくりと話し出されるのが、非常に印象的だった。

 

はーもりこさんと接すると、いつもやわらかで、温かい気持ちになるのは、

きっとこの「受け止める力」「つないでくれる力」という安心感が

伝わってくるからではないだろうか。

 

また中国への感謝、そしてご自身の作文教室への思いや目標を語られるときは、

まっすぐ前を見て、溢れる思いを自分自身の心にも、もう一度染み込ませるかのように

ひとつひとつ丁寧に、それでいて穏やかに語ってくださった。

 

作文の指導講師と言うだけあり、内容がスッとはいってくる言葉選びをされ、

いつもはインタビューの音源起こしに、丸2日以上かかってしまう私だが、

なんと数時間で書き上げることができた。

一度聞くだけで、長い文章を書き起こせるほど、心に届き、残っていく。

 

音源を起こしながら、初対面のあの日、はーもりこさんのあの言葉が、

口調、声質、そしてはにかんだ表情さえも、一緒に鮮明に思い出せた。

それは、きっとこの「はーもりこ話術」に魅了され、

脳と心の2か所で、記憶していたからに違いない。

 

あまりご自身のネガティブな感情を、表には出されないはーもりこさんだが、

今回コロナウイルスにより、不完全燃焼のまま本帰国をしたされた2月、

行き場のない悔しさの中で、もがいている感情が痛いほど伝わってきた。

そのためインタビューで思いをお話いただくことが、

今回の駐在からの“卒業式”となれば、そして中国の生活に

気持ちの上で一旦区切りをつけ、日本での新たな生活を

またキラキラされたはーもりこさんで、歩まれるのではないか。

そのための、なにか少しでもお力添えができればと思い、

今回のオファーをさせていただいた。

 

しかし実際には、インタビューを通し私の方が

コロナウイルス発生の「前と後の生活の違い」に対し、戸惑いや得体のしれない苛立ちを

無理をして強がらなくとも、素直に弱音を吐きだしてもいいんだと、

優しく包んでいただいた気がした。

 

コロナウイルスが憎い」「春節中から、自宅での約2か月以上に及ぶ生活はつらい」と、

口にした瞬間、すっと肩の力が抜けたことを自分自身で感じた。

 

さらには、はーもりこさんが探し求めた「働き方」の答えをお伺いし、

私自身のキャリアについても、いろいろ考えさせられた。

多くの30代女性にとって、人生が大きく変わる出来事がたくさんある。

結婚、出産を経験し、自分の意思だけで方向を選択できないことも、

10代、20代からは想像できなかったほど、たくさんあった。

 

私の30代はどちらかと言えば、目の前の事だけに追われ、

「目標設定をしても、結局は振り出しに戻されるんだから」と

流れる水のごとく、とにかく流れに沿うだけで考えないようにしていた。

またそれらに対し、もっともらしい言い訳をいくつも用意して、

「今は子供最優先」「そういっても、どうしようもない」と思うと同時に、

転ばないように、傷つかないようにしていなかったのでは?

と、思えてならなかった。

 

現実として、子供はまだまだ小さい。

着替え一つにしても、自立心を育てようと自分でさせれば、私が着せるよりも

何倍もの時間がかかる。それでも今は信じて待つことが、必要である。

また、今回のようにこども園が休園になり、自宅待機になれば

仕事時間を確保するだけでも一苦労。

子供が寝静まってから、やっと少しできるぐらいだ。

まさに、仕事に追いかけられているようである。

 

しかしはーもりこさんは、どんな状況であっても、

働き方を「考える」「探し続ける」ことをやめなかった。

いつでも、どんな時も、「ご自身と働き方」にしっかりと、向き合われていた。

 

何年と言う歳月を経て、見つけられた答えが、ご自身が大好きである言語を使い、

さらには「自分の持てる力を誰かのために使えるような、そんな生き方がしたい」という

2つの信念が結合した、作文教室であった。

 

また、以前私の自叙伝をご覧いただき、「『誰かの心に種を撒く』っていいですね」と

お話しくださったことがある。

 ・【自叙伝】(10)中国語の種をまく ~最終話~ 

 

私自身の自惚れを、百も承知でお伝えすれば、

はーもりこさんの「作文教室」のホームページのバックには、多くの植物が見られる。

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書いて深める、作文の教室

これらのホームページ1つにしても、ご縁という“つながり”を大切にされ、

いつも心に留めていらっしゃるからではないだろうか。

 

そんな思いが詰まった作文教室であるからこそ、播かれた種がすでに発芽し

愛情という太陽の光を一身に浴び、これからも天高く生長していくのであろう。

はーもりこさんが大切に育てられた花たちが、いつの日か美しき咲き誇り、実を結び、

次の世代へと”つないでいく”。

そんな様子を、これからもずっと、拝見したいと思う。

 

今回、はーもりこさんに「つなぐ」をテーマに、インタビューをさせていただいた。

話しは少し飛躍するが、英語で“学位授与式”はcommencementといい、

「開始」というもう一つの意味を持つ。

この『情熱中国』が、はーもりこさんにとって新しい生活への始まりとなれれば…、

そんな願いを込め、はーもりこさんにエールを送ると共に、

これからも中国語同志として、切磋琢磨していければ幸いである。

「卒業、おめでとう!」

 

情熱中国(9-1)【はーもりこさん・作文指導講師】 

情熱中国(9-2)【はーもりこさん・作文指導講師】 

 


 

これまでの『情熱中国』の記事はこちらをクリック

 今後も中国(あるいは中国関連)で奮闘される方を取材、あるいはインタビューをし、「人と人」「人と情報」をつなげたいという理念のもと、有益な情報を皆さんにも共有していただけるような、そんな企画になればと思っております。

 ある日突然、インタビュー依頼のご連絡が届いた方には、ぜひ今お持ちの専門性、独自性、影響力等の非常に価値のある情報やご経験、熱い思いを、存分にお伝えいただければと存じます。また逆に中国、あるいは中国語で「こんなことを知ってほしい、こんなことを伝えたい」という情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報いただければ、取材やインタビューをさせていただきたいと思います。

 これからもこの企画をはじめ、ブログをご愛読いただければ幸いです。