ちゃーちゃん@中国瀋陽

オンライン中国語講師|中国語ネイティブの発音と、より楽しく学べる方法を模索中|漫才や“脱口秀”など、面白い事(言葉遊び)が大好きな関西人

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中国瀋陽の総合病院(小児科)をレポート

10月7日 晴れ

国慶節休暇の、この10日間。

僕は12人もの家族や親戚たちと生活を共にし、毎日違う場所へ連れまわされ、

羊肉や犬肉と見たことのないような、食事に付き合わされ(おいしかったけど)、

大人時間で生活を強いられた。時には親戚一同35人と一緒に食事もした。

 

ミンミンには大切なおもちゃと絵本を壊され、それでも北京のじいじやばあばは、

「お兄ちゃんだから泣いちゃいけない」と言うし、パパはミンミンを構うし、

おじちゃんには、何かとミンミンと競争させる。

ママは僕をかばおうとして、おばちゃんと不穏な雰囲気になるし・・・。

(仲直りしたみたいだし、パパもママを一生懸命守っていたのは知ってる)

 

僕はママの膝の上で静かに絵本を読んだり、音楽を聴いたりが好きなのに、

家族や親戚が入れ代わり立ち代わり、ワイワイガヤガヤ、ドタバタドタバタ。

はぁ~、国慶節休暇は、とってもとっても、とってーも、疲れた!!!

 

もしかしたら我が子が国慶節の日記を書いたなら、こんなことを書くかもしれない。

小さな心のうちは、こんな苦しみがあったかもしれない、とふと思う。

 

一番気にかけていた事が、国慶節休暇最終日10月7日に起こった。

結論から言うと、疲れからか風邪をひき、熱はないものの、咳と鼻水が止まらない。

明日10月8日からは、また「日常」が始まりこども園もあるため、本人がまだ元気で、

自分で座って待っていられるうちに、小児科のある総合病院に行ってきた。

 

休暇明けこの約1週間。咳と鼻水はまだ残っているものの、幸い本人はいたって元気。

食欲もあり、排便も正常。こども園に喜んで通園し、帰宅後も上機嫌だった。

 

病院でも「来なくても良かったかな」と思うほどで、心身ともに余裕もあったため、

今日は普段はあまり触れらることのない、中国の病院(小児科)について

レポートしてみたいと思う。

 


 

中国は基本的に週末でも、病院運営している。ちなみに銀行も。

ただ注意したいのは、人口の多い中国。1日に診察できる患者数も決まっている。

そのため「挂号」と呼ばれる番号札がなくなれば、その日は診察してもらえない。

つまり今日確実に診察をしてもらいたい時は、朝早くから順番待ちをする必要がある。

(番号がなく、どうしても診察してもらいたいときは、急患窓口になる)

 

最近は携帯のAppから予約できるシステムもここ最近整って来た。

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しかし予約できるのは前日までの「日時指定予約」が多く、「当日予約」は

医師や受診科が限られたりするため、基本的には出向いて番号札を取り待合室で待つ、

という仕組みになっている。

 

10月7日当日、我が子の小児科呼吸内科はAppからの「当日予約」ができなかった。

(後で窓口で確認すると、前日までの予約ですでにいっぱいだったようだ)

そのため、2階小児科窓口で「挂号(=番号札)」を取ろうとしたが、長蛇の列。

(病院は行列が当たり前。このぐらいは正直少ない方である)

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診察カードさえ持っていれば、隣の自動発券機で番号札が取れるため、

そちらで処理をすることに。

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ちなみに中国の病院は「挂号(=番号札)」に料金が必要。

金額はどの医師を選択するかで異なり、教授レベルだと100元と言うこともある。

我が子の場合通常の「挂号(=番号札)」のため、15.4元(≒265円)であった。

この15.4元には、初見の診察料金も含まれる。

 

受け取れた番号は104番。

診察は8時からだが、「挂号(=番号札)」は7時から受け取ることができる。

私たちが到着したのが9時前で、この人数。

しかも国慶節最終日で、基本人は非常に少ない。人口の多さを改めて思い知らされる。

(待合ブースと点滴ブースが隣接している。点滴は「座って」が基本である)

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順番は掲示板で常に表示される。

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ちなみに「98号(=98番)」「K21号(=K21番)」と、Kがあるかないかの違いは

Kがない方が「初見患者」で、Kがある方が初見診察を終え、血液検査などの結果出た後

結果を聞くために、再度医師の診察を受ける「再診患者」の区別となっている。

 

待つこと約2時間半。やっと順番が回ってくる。

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待合室を抜け、奥の診察室ゾーンへ。ちなみに診察室は7つある。

 

医師に症状を伝えると「うーん、咳止め薬だけでいいかな」と1分ほどで診察終了。

生まれた時から体が丈夫で、本当に親孝行の我が子。ありがとう!

 

通常ならここで、血液検査だの、レントゲンだのと診察後の処置が言い渡され、

その処置を受けるために、再度窓口に行き料金を支払い終えた後、処置が行われる。

我が子は今回必要なかったが、簡単にその後のシステムを説明しておきたいと思う。

 

例えば「血液検査が必要」と診断された場合、診察室を出て料金を窓口で支払い

その後、3階の血液センターに出向いて採血してもらう。

採血結果が出るのは1時間半かかるため、この時間何もせず待つ必要がある。

ちなみに結果が出たという案内は、携帯のSNSで受け取ることができる。

 

SNSを受け取った後、「結果報告書」は自分で専用機を操作し、プリントアウト。

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診察カードを鑑識プレートに置き、画面表示に従って進めていく。

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プリントアウトした結果報告書を手に、「再診患者」として再度番号札を取る。

この時の番号札は料金はいらず、「再診患者」診察専用窓口に申請する。

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申請をすれば、先ほどの画面に表示されていたような「K〇番」という番号をもらえ、

初見患者に番号に割り込み、優先的に案内される。

そのため初見診察の場合、予告案内に順番が表示され「次だ!」と思っても、

K番号に割り込みされ、かなり待たなければならない場合もある。

 

再診患者として再度診察室に入り、結果報告書を見ながら医師が治療指示を出す。

昨年から、むやみやたらと点滴をしてはいけないという医療法ができ

今まで病院に行く=点滴だったのが、点滴患者が一気に人数が減ることになった。

ただ小児科は成人に比べると抵抗力が弱く、自力でご飯を食べられない患者も多いため

点滴患者も比較的多い。脱水症状も防ぐ「ブドウ糖液」のが特に多いように感じる。

 

医師に点滴の治療指示が出た場合、点滴代金を再度窓口で支払い、

薬を自分たちで2階の小児科から、1階の薬局まで移動して受け取りに行き、

再び2階に戻り、小児科点滴センターで配合、ならびに点滴針の処置をしてもらう。

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薬のほかに脱水症状を避けるためブドウ糖液は、1回の点滴で数袋に分かれるため、

点滴袋の交換はこの点滴センターまで自分たちで出向き、交換してもらう必要がある。

日本のように横たわっている患者のために、看護師が来てくれ、

取り替えてくれるわけでは決してない。

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また点滴が終了し針を抜いてもらう場合も、特定の場所まで自ら行く必要がある。

(場所は、先ほど再診患者の番号札を発券してもらった隣)

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点滴が終了すると、先ほど医師から処方された薬を1階の薬局で受け取る。

受け取り窓口は5つあり、どこの窓口で受け取るかは携帯にSNSに送られてくる。

薬を受け取った時点で、無事終了となる。

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簡単に流れをおさらいしておくと・・・

  1. 「挂号(=番号札)」&代金支払い
  2. 初見診察
  3. 処置1(採血、レントゲンなど)の代金支払い
  4. 処置
  5. 結果レポートプリントアウト
  6. 再診のための「挂号(=番号札)」
  7. 再診
  8. 処置2(点滴など)と処方箋の代金支払い
  9. 処置2の薬の受け取り
  10. 処置2
  11. 処方箋受け取り

もちろん全ての病院のシステムが同じではなく、外国人対応の病院では、

ノンストップサービスが受けられ、これほどまで面倒なことはない。

ただ一般的な中国人が通うローカル病院は、何かと面倒であるのは確かだ。

 

このため通常、小児科に通院するとなれば、子供1人に対し大人が2人以上が付き添い

一人は手続きに奔放し、残りの大人は子供の看護することになる。

そのため私のようにワンオペ育児の場合、病院は非常にやっかいである。

 


 

以前、まだ我が子が立つこともできない頃、突発性発疹にかかり点滴が必要だった。

まだ寒い瀋陽の春先、オムツや着替えが入った大きなリュックを背負い、

体の前で抱っこができる抱っこひもで我が子を抱っこし、病院に診察に行った。

泣き疲れて眠っている我が子を抱きかかえ、荷物は隣に座っている方に声掛けし、

監視の協力をお願いして、点滴袋の交換してもらいに所定の場所まで行った。

それが3日間続いた。

 

荷物を周りの人に預ける時は、大事なものは入っていないにせよ、一種の賭けである。

そのため少し周りの方に前もって声掛けをし、人となりを探るようなこともした。

周りにどうしても信用できそうな方がいない場合、大リュックは降ろさず背負ったまま

子供を抱きかかえて、点滴の交換に行ったこともあった。

 

一番つらかったのは、我が子が幼く抱きかかえながら点滴をしているため、

私が自由にトイレに行くことができず、1日水を飲まずに頑張ったことだった。

 

今でこそ笑って話せるが、初めての育児を異国で、しかもハード面が整わない中国で、

一人で行うというのは、本当に必死だった。

正直「主人が日本人だったら、こんな苦労はなかったのに」と思ったことも、

「中国、色んな意味でがんばってくれよ!」と思ったこともあった。

 

しかし「我が子を守るために、母として強くならなければ。泣き言は言わない」と、

覚悟を決め、受け入れようと努力できたのも事実。

甘い気持ちを捨て、少したくましくしてくれたこれらの経験に、今は感謝している。

 

そして何より仕事で抜けられない主人が、何かと調整をして迎えに来てくれたり、

疲れ果てた時は家事を全て担い、私がゆっくり眠られるように工夫をしてくれたり、

少しでも不安になれば一緒に相談したり、対策を立てたりと、心身共に支えてくれた。

「二人で一緒に育てている」と思える事が、何よりも力になり、心が落ち着いていた。

 

国慶節休暇。

大人に付き合わせる形となり、我が子にたくさんの負担をかけたことを

主人ともども反省し、風邪が少しでも早く治るようたくさんの愛情を注ぎたいと思う。

 

追記:

とても簡単に病院の流れをレポートしましたが、みなさんにとってこの記事が異国の雑学の1つになり

「病院とは無縁の生活を過ごす」程、健康体でいられることを、心よりお祈りしてやみません。

また各病院により申請、手続き方法が異なりますので、あくまでも参考としてご覧いただければ幸いです。