昨日ご紹介した『こども孫子の兵法』。
「難しいと思っていましたが、これなら手が出そうです!」
「これを機会に子供と一緒に、読んでみたいと思います」
と言うような声を、たくさん頂戴いたしました。
そこで本日は、こちらの姉妹本の『こども菜根譚』をご紹介したいと思います。
実はこの「菜根譚」と言う題名を、初めて聞いたのは伯母からでした。
伯母は生け花の芸術家で、栄養学の専門とあり、
お恥ずかしながら、「野菜に関連する何か? 栽培方法?」などと思いました。
その後伯母から「野村勝也氏も、この本を読みこんだらしいよ」との一言で
一気に興味がわき、伯母の本棚から書籍をお借りしました。
『菜根譚』は、いまから400年ほど前の中国で書かれた書物だよ。
時代や場所に左右されることのない、生きていくうえで役立つ
考え方がいっぱい書かれているから、今でもたくさんの人に愛されている
書物なんだ。
『菜根譚』の著者は、洪自誠(洪応明)という人物。
『菜根譚』の題名にある「菜根」とは、野菜の根っこのこと。
根っこは筋が多くてかたいけれど、じっくりかみしめれば本当の味が分かる。
同じように、生きていくなかで起きるさまざまな出来事を
じっくり理解しようと努力すれば、その本当の姿が分かってくる。
『菜根譚』と言う題名には、そんな思いが込められているよ。
『こども菜根譚』より
私が中国語と出会ったのは、アラサーの時。背水の陣で挑んだ中国留学。
担任の先生にも「もう帰った方がいいのでは」と帰国をすすめられる程
おちこぼれでした。
でも今日まで中国語を続けてこられたのは、心のどこかでこの言葉があったから、
かもしれません。
伏久者飞必高,开先者谢独早。知此,可以免蹭蹬之忧,可以消躁急之念。
長く羽を休めていた鳥が、飛び立てば、他の鳥より例外なく高く飛ぶことができ、花の中で早く開いてしまうものは、他の花より例外なく早く散ってしまう。
このことをわきまえていれば、人生の途中で疲れ果て勢いを失う心配からは免れることができ、成功を急ぐ心は消えうせる。
つまり、人には其々に“旬”があり、大器晩成という考えが納得できていれば、人生に焦って失敗することはないことに合点がゆくだろう。
言換えれば、達人も同様で、現役の時代に旬が来なかった人でも、退職後に旬が来れば、それは一生ものと言えるかもしれない。
翻った言えば、人生には必ず旬が来るから心配しないで悠々自適に生きようではないか。
今のこの時期、何をどうもがいても、どうなる訳もなく
昨日から私が初めて手に取った、中国語文法書を再度やり直していました。
改めて良き一冊だと思いました。
今はパワーを貯める時期。
そんなことを思いながら、まずは目の前のできることに
懸命に取り組みたいと思います。