今回の“M-1暴言騒動”とは、番組終了後の打ち上げの席でスーパーマラドーナの武智正剛氏が
インスタライブを配信。そこに泥酔状態のトロサーモンの久保田かずのぶ氏が登場し、審査員である
上沼恵美子氏への不満を爆発させた件である。
上沼恵美子氏は関西を始め西日本では「女帝」と言われるほど、実力や人気、“権威”を持っている
関西漫才界、お笑い界の大御所である。
本日上沼氏を審査員に招待した松本人志氏が、自身の番組『ワイドナショー』に登場するとあり、
その発言が注目されていた。
【松本人志「ワイドナ」発言2】M-1暴言の2人は「勉強不足」
【松本人志「ワイドナ」発言3】M-1暴言、飲酒でごまかしちゃいけない
【松本人志「ワイドナ」発言4】M-1暴言で「俺が上沼さんに挨拶に」
もちろん私は今年のM-1を見ていたわけでも、問題の「暴言騒動」動画を見たわけでもないので
こちらについての発言は控えたい。
しかしこの記事を読んで、数年前の中国語に対する私に喝を入れられているような気持ちになり、
その反省を本日の記事にしたいと思う。
やっぱり彼らは何よりも勉強不足ですよ。上沼さんという人がどれだけの人か、本当に分かっていない。勉強不足だし、勉強が不足しているということすら勉強できていないと思いますよ。
中国の大学を無事卒業し、幸いにも(たまたま)優秀卒業留学生&優秀卒業論文に選ばれた私は
非常に調子に乗っていた。中国語を“マスター”したかのような(とても愚かな)自信があった。
中国の友人から中国語の間違いを指摘されると「通じるし」と突っぱね、同じ留学生から
文法が間違っていると言われると、「あなたより発音は良いし」と思っていた。
まさに松本氏の発言のように、「中国語がどれだけ奥深いか」を本当に分かっていなかったし、
「勉強不足だし、勉強が不足しているということすら勉強できていない」状態である。
上記のような発言や中国語への取り組み方をしている数年前の私に、今会ったとしたら、
私自身が匙を投げるほど、怒りと失望を通りこし、悲しい気持ちになるだろう。
何というのか、審査員を一般の人にしたらいいんじゃないかとずっと言われてることですけどね。でも僕が違うかなと思うのは、どうしてもプロが見てるという緊張感の中で、なんかエンターテインメントってすごく向上していくので、一般の人に向けての笑いばっかりやっていると、絶対クオリティーは下がっていくと思うんですよね。
傷のなめ合いの留学生や中国語学習者、褒めてくれるだけの中国語講師、中国語が話せるだけで
「スゴイ!」と言ってくれる中国の方といると、確かに居心地がいい。
しかし中国語レベルの向上と言う意味では、やはり頭打ちの時期が必ず来てしまう。
留学時代、文法の先生と3年生の担任は非常に厳しい先生だった。
授業もピンと緊張の糸が張り詰めているような、そんな時間で、
その厳しさは、話しをするだけで緊張で汗が流れ落ちるほどだった。
しかし留学1,2年生の時、万年クラス最下位の落ちこぼれが、今生活として中国語を
使えるまでになる基礎を作り上げてくださったのは、はやりこのお二方以外考えられない。
人は誰でも、人から好かれたいと思う。
厳しい意見を言うより、見て見ぬふりをして「いいね」と言って済めば、こんな楽なことはない。
しかし先生が生徒に「レベルアップしてほしい」と心から願い、その教えに“愛”があるならば、
厳しいコメントの1つや2つが出ても、決して不思議ではない。
先生お二方からは、宿題の添削はノートからはみ出すぐらい真っ赤になって返ってきた。
2度3度と言わず、毎回これでもか!と言うほどに。
それでも必死になって食らいついていったのは、先生方から本当の“愛”を感じたからだと思う。
お酒飲んでSNSすんなって、みんな言うんですけど、それはそれで僕は、なんか変なかばい方だなと思って。いくらお酒飲もうが、まったく思ってないことは言わないから。そこはごまかしちゃいけないなと思います。
お酒を飲んでいたわけでも、ネット上の不特定多数の方に対して発言したわけではないが、
一度だけ「先生は私が『日本人』だから、私の作文を選ばなかったんだ」と愚痴ったことがあった。
その時期はちょうど日中関係が悪化し、「日本」と聞くだけで日本人も中国人もお互い、
敏感になっていた時だった。
でもやはり選ばれなかった理由は、決してそこではない。
今その作文を見直してみると、そんな考えをした人間力の低さに、とても恥ずかしくなる。
そうやって自分で逃げ場を用意し、傷つかないように、傷つかないようにと、自分の殻に
閉じこもることで、自分のプライドを守っていた。
今思えば、そうしなければ守れないような、それぐらいの大したことがない中国語レベルだった。
今回の“M-1暴言騒動”は、このまま終わりはしないと思う。しかしこの松本氏の
誰ものが核心を避け、逃げたコメント、庇うコメントをしていた中で、事実から
真正面から向き合い、「ダメなものはダメ」と言える強さと、笑いに対する誇りとプライド。
そして怒りを通り越し、侘びと悲しさの含まれたコメントは非常に素晴らしいものだと思う。
そしてこの松本氏の一連のコメントを、記事で拝見しながら、あの頃の私の中国語に対する愚かさに
いてもたってもいられなくなった。
“殻に入らなければ守れない程”の中国語レベル。
あの頃の中国語に対する驕りや自惚れを置き去りにせず、きちんと反省し、
自身の勉強不足をきちんと認め、今日からまた「中国語オタク街道」をひたすら走っていこうと思う
そんな記事だった。