昨日約2か月ぶりに、リンロン音読会に参加した。
先月は日本一時帰国をしていたこともありお休みしたため、久々の参加とあり、開始前は緊張した。
6月に初めてこの音読会を知り、参加は今回で早5回目(特別企画を合わせると7回目)となる。
- 『目送』(龍應台)・・・・・・・散文
- 『蝶恋花・春景』(蘇軾)・・・・宋詞
- 『始聞秋風』(劉禹錫)・・・・・唐詩
- 『来生書・序詩』(廖偉棠)・・・詩
- 『雷雨ーー第二幕』(曹禺)・・・戯曲
- 『大地の子』(山崎豊子)・・・・ドラマ
散文、宋詞、詩、戯曲と少しずつ難易度も上げてきたつもりだった。
戯曲まで行けるとは思っていなかったため、心のどこかでやり切った感が存在していたため
今回の作品は何にしようかと、正直迷いに迷っていた。
実は毎回、主催講師の井田綾さんと熊澤みどりさん、そして参加者の方々に、
私が「マジシャン」になったかのように「ハッと」するような、サプライズを感じていただけたら
と思い、作品選びもただ単純な“音読”だけで終わらないように心がけていた。
しかし「音読会」と言う名のごとく、今回は原点回帰をし、発音をもう一度丁寧に
矯正するための作品にしようと決意した。
と言うのも、最近こんな出来事があったからだ。
以前ブログでもご紹介した岡本悠馬さんが先日、公開発音レッスンを開催された時、
岡本さんの発音指導方法、例えば舌の位置や口の開け方など、恐れ多いが自分自身が
学んできたもの、ネイティブの音を聞いて真似たもの、実践してきたものだった。
「自分が向かっている方向は間違いではなかった」と、背中を押されたようで
非常に嬉しく、また励みになった。ただ最近は発音が甘くなっていることを自覚しており、
もう一度初心に戻り鍛えなおそうと思ったのだ。
また先月11月、日本一時帰国で実家で過ごしている時、中国語関連書籍が詰まった私の本棚に
大切な一冊のあの本が、中央に陣取っていた。
その本とは…。『朱自清散文集』
この本は、一昨日のブログにも登場した留学時代の3年生の担任が、“你的汉语水平,
作为留学生已经不错了。但我知道你的要求不仅于此。你多看看中国人觉得好的文章吧。”
(=君の中国語は、留学生としてすでに高いレベルだけれど、君が目指しているのは
そこではないのを分かっている。中国人が素晴らしいと思っている文章をたくさん読みなさい)
そう言って4年生になった頃差し出してくださったのが、この本だった。
先生への感謝の気持ちや、中国語の楽しさ、これから突破すべき課題などを思いながら、
「背影」や「荷塘月色」と並ぶ朱自清氏の傑作「匆匆」を、課題作品に選んだ。
(「匆匆」全文はこちら、音読原稿はこちらから、ダウンロードできます)
「匆匆」より
朱自清は、口語の流れるような口調の文体を称揚し、自らも朗読を意識した口語文体をいくつも書いている。その中の代表例として、1922年に書かれた「匆匆」の一部を掲げる。 「燕子去了,有再來的時候;楊柳枯了,有再青的時候;桃花謝了,有再開的時候。但是,聰明的,你告訴我,我們的日子為什麼一去不復返呢。(燕は去っても、また来る時がある。柳は枯れても、また青くなる時がある。桃の花は散っても、また咲く時がある。しかし、教えてくれ、私たちの日々はどうして一度行ったきり戻ってこないのか。)
今回特に発音矯正に重きを置いたため、音読練習方法も今までとは少し違うものになった。
- ピンイン表を徹底的に音読、録音し、一音一音の正確性を高めた
- ゆっくり話し音を正確に出せる方法と、自分が話せる一番早い速度で音読する方法を交互に繰り返した
- 鏡で口の形、口の開く大きさ、舌の位置を再確認した
- 苦手な前鼻音(/n/)と後鼻音(/ŋ/)の区別を特に注意した
- 一音⇒二音⇒三音…⇒短文⇒段落⇒文章 ときれいな発音を保てる文字数を増やしていった
- 中国語の発音筋肉を強化するため、音読を1時間毎日継続した。早口言葉にもチャレンジした
- 『普通话标准测试(=標準語試験)』のテキストで、混同しやすい音を練習した。
そして毎日、少しずつ、少しずつ積み重ねていった音読が、こちら。
※中国語学習者の皆さま、講師の皆さま、中国語ネイティブの皆さま
コメント欄やメールに、率直なご感想や改善点、アドバイスをお伝えいただければ幸いです。どうかご遠慮なさらず、ちゃーちゃんの中国語向上に一役かってやろうと、ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
12月10日、音読会が中国時間9時から始まった。
今回はみなさんリピータ。音読会の雰囲気もご存じで、自然と話が弾む。
「普段中国や中国語の話をすると、どうしても話し相手との距離を感じてしまって…。
でもここには中国語に真摯に向き合う方がいらっしゃるので、とても楽しいです」と
参加者のお一人がおっしゃる言葉に共感しながら、自己紹介が進んでいく。
今回もみなさん、「今日のために読み込んでこられたな」と分かる音読が続く。
中国語の楽しさで、心が自然とワクワクする。
そして私の順番が回ってくる。
今回は作品の説明や、選んだ理由などを後にしていただき、まずは作品を音読した。
読み終わった後、講師の綾さんから「今日始めから後鼻音がキレイに出ていましたね」と
おっしゃっていただき、練習のかいがあったことへの嬉しさと、やはりいつも注意深く
私の音読に耳を傾けてくださっていることに、心から感謝をした。
音読会の詳細については、井田綾講師のブログにてご覧いただけます。ブログはこちら↓↓↓
https://idaaya.com/linglong20181210/
毎回、次回への課題と素晴らしい中国語同志に出逢える、この音読会。
この音読会に出会えたことで、今年6月から学習の中で一番苦手であった音読ときちんと向き合い、
毎日少しずつでも取り組もうと思えたこと。そして励まし合い、高めあえる仲間に出会えたことが
何よりもの収穫である。
この音読会を開催してくださることへの感謝を、音読の成長として示せるように、これからも
毎日きちんと積み重ねていこうと、改めて決意した。