「天職」。
あなたにとってはどんなお仕事だろうか?
私にとっては中国語講師である。
寝食を忘れるぐらい、準備にしろ、授業にしろ、本当に心が弾む。
伴う苦しさはもちろんある。しかしそれさえも愉しいのである。
今まで依頼を受けたり、自分を売り込んだりして教壇に立ってきた。
一番幼い生徒さんは幼稚園のクラス20名。最長老は70歳近い人生の先輩。
個人向けの授業もあり、企業向けの授業もあった。
企業向けはその業界に特化したものにしたくて、従業員さんに学びたいことの聞き取り調査をし、
テキストから作成した。
今やもう10年近く経つが、いまだに社内研修のテキストとして使用してくださっているようだ。
中国語は同じ外国語でも、英語とは違い(多くの中学高校の学生さんは)必須科目ではない。
また成人の方も「仕事」、あるいは「趣味」という方以外は、学習しなくても日常生活には
全く支障はない。
そのため生徒さんのモチベーション、学習意欲を維持できる要素の一つとして、
講師の魅力は欠かせないと思っている。
そのため技術的、知識的なものだけでなく、私自身の人間力も高めなければならない。
ずっとそう思って、この中国語講師に向き合っている。
言い訳だと言われることもあるが、中国語講師以外の仕事をするのは、上記の理由からと
社会人として、仕事として本当に使える中国語を“現役”として、学びとるためである。
そして試行錯誤する日々で、ご縁があり今回出会えた南天中国語研究所の岡本悠馬さん。
私が目標とするお一人である。
その岡本さんが先日、中国語発音レッスンを生中継されるということで、心が躍った。
実はその日、片道2時間半をかけ、我が子をしまじろうコンサートに連れて行ったため、
体は疲れ切っていたが、心のドキドキ、ワクワクが止まらず、頭は冴えまくっていた。
我が子を早々と寝かしつけ、開始時刻の1時間以上前からパソコンの前で待機し、
はじまりの時を、今か今かと待っていた。
予告の21時45分。テスト画面が始まる。
その後22時を少し過ぎたところで、待ちかねていた授業がスタートする。
ホワイトボード、口の模型と赤色の手袋(発音しているときの口と舌の動きを可視化するため)など
道具もうまく使いながら、生徒さんの発音を矯正していく。
約1時間にも及ぶ授業。生徒さんの発音がみるみる上達していく。
なにより生徒さんが「正しい発音と、間違った発音が分かる感覚を身につけていく」その様子が
中国語教育に心を奪われている私には、正直胸が熱くなるほど嬉しいものだった。
幸運なことに、そのレッスンは現在公開中。
無料で公開するにはもったいないこの素晴らしい岡本ワールドを、ぜひぜひぜひ、
体験していただきたい!
Live History - 岡本悠馬 (@yuma_okamoto) - TwitCasting
岡本さんが公開授業に踏み切った理由は、
「さらに良い中国語レッスンをするために、多く方々からの意見やアドバイスが欲しい。
しかしただ待っていても情報はなかなか集まってこないため、まずは自分から発信してみよう。
情報を発信するところに情報が集まってくる原理を利用しよう」という考えだそうだ。
生徒さんのがんばりもあり、このレッスンはシリーズ化が決定。
なんと次回は来週11月20日の22時から開催されるようである。
このニュースを聞いた時、真夜中にも関わらずガッツポーズとともに、「よっしゃー!」と思わず
叫んでしまった。
嬉しくて、愉しくて今からもうドキドキ、ワクワクしている。
岡本さんのこんな素敵な授業。生徒さんを、そして授業を見た人たちの心をわしづかみにした。
私の授業は、いったいどんな風に映るのだろうか・・・。
40、不惑。
私はまだまだ迷ってばかりで、岡本さんをはじめとする素晴らしい方々に囲まれ、
正直自分自身と、比べてしまうことがある。
「岡本さんは中国語講師以外に、針鍼灸師として日本の鍼を世界に広めようとされている」
「『稼げる通訳者を育成する“唯一の”ビジネススクール』を経営。書籍も出版され毎日飛び回るあの方」
「あの方は中国語発音講師以外に翻訳家、中国語育成講師として、パラレルキャリアで成功されている」
「この方は発音矯正士として活躍される一方で、展示会通訳などで日本人とばれないそのスキルの高さ」
「元アナウンサーとしてのキャリアを生かして、ボイストレーニング講座を開かれ、
また英語スキルを活かし、通訳ガイドとして外国人のお客様をおもてなすあの方」
・・・・・・。
私を振り返ると何もかもが中途半端に思えて、苦しんだり、自分を責めることもある。
以前の私なら、その高い山々を見上げ「自分には無理だ」と諦めていただろう。
でも今は違う。
どこまで登れるかはわからないけれど、とにかく一歩足を踏み出してみようと思う。
一歩、一歩と重ねふと振り返得ったとき、スタート地点の「今」が、きっと遠くに見えることだろう。
中国語力(語学力)、キャリア、人間力共に、まだまだ目標であるあの方たちの足元にも及ばない。
けれどいつの日か、私も胸を張って公開授業ができるようになりたい。いや絶対になる!
そして岡本さんや、あの人たちのように、人の心をつかめる中国語講師に成長していきたい。
そのために今日も「泥臭い」筋トレ(=発音練習、音読)に励みたいと思う。
追記:
今回、公開授業の生徒役を名乗りでてくださった「めいすいず」さん。その勇気に最大の拍手と御礼を送りたいと思います。本当にありがとうございました。
また公開レッスンをしてくださった岡本さん、心よりお礼申し上げます。知識や技術面だけでなく、いろんなものを学ばせていただきました。