昨日11月25日、中国語検定が実施された。
率直な感想は、「やっと終わった」という気持ちである。
実は蓄膿の薬が私の体にはキツすぎるのか、腹痛と下痢の日々。
薬剤師さんも「少しお腹を下すかもしれませんが…」とおっしゃってはいたが、ひどすぎる。
こんな状態だとテストどころではないと、1日薬を控えたのがあざと出た。
試験前日の土曜日、ひどい頭痛に悩まされ、立つことさえもままず、一日中ベッドの上。
さらには吐き気と高熱まで出てきて、試験を諦めるしかないかなと思ったりしていた。
とりあえず夜、少しでも寝ておこうと思う気持ちとは裏腹に、
オーケストラのシンバルを耳元で鳴らされているような、そんな頭痛が繰り返され、
結局朝方、新聞配達のバイクの音が聞こえても、まだ眠れずにいた。
その後、我が子が「ちゃーちゃん(母ちゃん)」と言って抱きつきにきて
あやしながらいると、知らず識らずのうちに私もウトウト。
ふと目が覚めたのは、間もなく時計の針が7時を指そうとする頃。
まだ頭の痛みは残っていたものの、起き上がれるぐらいまで回復していた。
薬を飲もうと、無理やりロールパンを胃の中にねじこみながら、薬を手にした。
試験中、とくにリスニング問題の時に席を立つと失格とみなされるため、
せめてその47分間だけは、腹痛が起こらないようにと祈りながら服用した。
その後、出発準備の10時頃まで、また横になって過ごした。
少しでも眠りたいと目を瞑るも、頭痛と緊張で目が冴えてしかたない。
主人をWechatで呼び出して、不安な気持ちを吐露する。
「今日中国語検定試験。体はなんとか大丈夫そうなんだけど、受かる気が全然しなくて。
無理に参加しても、体に負担をかけるだけじゃないかと思うんだけど」
「大丈夫。試験を受けられなくても明日はやって来るし、受けられたら、また新しい目標を
見つけられるよ。君はそういう人だから。どんな選択をしても応援してるよ。
でも僕のわがままを聞いてくれるなら、せっかくだから受験してきたら」とのエールを受け、
体を起こす。
同時に一緒にがんばってきた「やる気を育てる通訳学校」のメンバーの顔が浮かぶ。
「そうだ、私一人じゃない。」という気持ちが湧いてきて、力が出てきた。
体の調子が悪くなって、途中で帰って来るかもしれない、途中棄権かもしれない。
けれど、とりあえず参加してこようと思え、身支度をし始めた。
予定より半時間早く家を後にし、車をゆっくり走行させ、約2時間ほどかけて会場へ。
車を駐車場に停め、ひとまず道中お供してくれた水分補給のアクエリアスを一口。
試験案内開始まで1時間強ある。途中コンビニで買った焼きしゃけ握りをほおばった後、薬も服用。
さすがにそれまでにもすでに4度ほど、お手洗いのお世話になっていたが、頭痛の再発を考え
はやり薬は飲んでおくことにした。
その後30分ほど、運転席の背もたれを倒し、少し休憩した。
携帯でタイマーはセットしてあるものの、やはり時間が気になって眠れない。
結局、試験開始40分前には車を後にし、会場受付を通り、試験会場で待機することにした。
受付でふと気が付く。
1級受験者の名簿に私の名前しかないのだ。「やっぱり」と心の中でつぶやいた。
私の受験会場は、海外も含め約50か所ある試験会場の中でも、かなり田舎な場所にあり、
例年の1級受験者数と、人数の多い受験会場である東京、横浜、大阪、神戸などの参加者数を
照らし合わせ、なんとなく私の会場は1人受験のような気がしていたが…。
試験監督と向い合せ。(入ったことはなく、テレビの世界の想像だが)取調室のような雰囲気。
しかし、入室してこられた試験監督は非常に穏やかな方。
「室温はこのぐらいでいいですか? 寒くないですか? でもあまり温かいと火照っちゃいますよね」
「CDデッキの音量はこれでいいですか? でも日本語と中国語は音の響きが違うので、
もし聞き取りづらかったら言ってくださいね」
「時間をきっちり合わせておきましょうか。今私の時計で13時××分です。この基準でいきますね」と
非常に和やかな雰囲気を作ってくださった。緊張感が、一気にほぐれていくのが分かった。
この場を借りて、心より感謝申し上げたい。
13時半きっかりに試験案内が開始。
そして13時45分、ついにリスニング試験が始まった。
長文聴解2題(各5問ずつ、合計10問)と、長文を聞き取った後のディクテーション5問。
合計47分間、腹痛に悩まされることなく、無事乗り切る。
そしてそのまますぐに筆記問題へ。
長文読解、空欄補充、表現(言い換え表現選択)、日訳、中訳の73分間。
2時間をフルに使い、他の受験者もいないのでマイペースで、落ち着いて試験に臨んだ。
終了1分前、すべての解答欄に記入してあることを確認し、鉛筆を机に置いた。
「お疲れさまでした」という試験監督の優しい声が、教室の静けさを破った。
終了後、試験監督が労いのお言葉をかけてくださり、自然と話が弾んだ。
少し話すと、駐在員のご主人に付き添い、2年ほど瀋陽暮らしをされていたそうだ。
試験内容とも重なるが「今の瀋陽」の話から始まり、QRコードでの支払いのことや、
中国人との付き合い方等の話題で盛り上がった。
そしてご自身も中国語を勉強していたこと。1級まで来ると誰に質問すればいいか分からないことなど
中国語学習者としての悩みなども話してくださった。
そこで私は「やる気を育てる通訳学校」に参加し、共に学び、励ましあえる同志がいること。
今日も、試験会場には私一人だったが、その同志たちと一緒に試験に臨んでいる気がして、
心強かったことなどを話させてもらった。
実際この同志がいなければ、体の不調を理由に試験会場にまで、足を運べなかったと思う。
リーダーの温子さんを始め、中検メンバー、そして応援してくださった他言語同志には
感謝の言葉をいくら述べても足りない。
せっかくなので受験した感想を正直に記載するとすれば、
「今回の出題者は、今までと違う方だったのでは?」と思うほど、出題作品の色が違う気がした。
今まではどちらかというと、文学色の強いお堅い感じの内容が多かったが、
今回は時事関連の内容が多く、比較的日常生活で使う身近な中国語も、前回までと比べ、
多かったような気がした。
ただ中国語訳は、言葉は悪いが非常に「えぐかった」。あの問題はセンスと語彙力が一目瞭然。
あの点数が合否の分かれ道だと思う。
いずれにせよ、来年も“健康診断”は必要なようだ。
次回「第99回(の1次試験)」は、2019年11月24日(日)。
今回で自分の病状(弱点)に気づき、その処方箋も心得ているつもりである。
来年度こそ合格を目指し、また今日からコツコツと積み上げていきたい。