ちゃーちゃん@中国瀋陽

オンライン中国語講師|中国語ネイティブの発音と、より楽しく学べる方法を模索中|漫才や“脱口秀”など、面白い事(言葉遊び)が大好きな関西人

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中国人の二元論 ~第3回『漢語Cafe』開催報告~

昨日、第3回『漢語Cafe』が無事開催されました。

 

第1回、第2回開催時の反省を生かし、今回からは少人数制、レベル別にするとともに

今回の中上級は、「バーチャル・リアリティ中国」を目指し、

お迎えするゲストは、対外漢語教学(外国人に中国語を教える科目)の専攻ではなく、

日本語が分からず、普段は日本人と接することがないという方で、

話すスピードも表現方法も、内容も、一切手加減なしでお願いしますと

事前にお伝えしておりました。

 

今回のテーマは「中国人的是非观」。

講師のTom先生は、長年のビジネスマンとして「商売の第一線」に立ち続けたご経験から、

ご自身の理論を展開してくださいました。

 

その中には、欧米人に多い考え方である一元論に対し、

中国人の根底には二元論があり、それがもとになっているのが、

太極拳であることもご教授いただきました。

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※実際の映像は、こちらのページ中程にあります動画にて、ご確認いただけます。

http://dy.163.com/article/FAKH63HF05188DF0.html

 

Tom先生のお話は難易度が高く、 論理的要素が高く

話の内容が一層一層深くなっていくため、1段落目で詰まってしまうと、

その後が理解しづらくなっていました。

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私も中国で生活をしていて、よく二元論を感じます。

中国の方にとって正誤という『黒と白』ではなく、

『自分の状況に合っているかどうか』あるいは『自分が求めているものかどうか』

という理論です。

 

例えば仕事で私が良いと思った行動も、

立場が違えば、見え方も利益の概念が異なるため、

予想だにしていなかったお叱りを受けることがあります。

 

いわば経営者と雇用者、需要側と供給側では、立っている立場や位置が違うため、

当然として見えているものが違うわけです。

それらはとらえ方、考え方にまで影響します。

そのため金銭という可視化でき、(例えば100円はあくまでも100円というお金の価値)

共通認識があるもの以外なら、個人差が出てくることは否めません。

 

時として、一方向からは白と見えても、ある方向からは影の部分の黒が

見える(あるいは見えてしまう)というのも然り、という考え方です。

つまり先ほど動画でご覧いただいた、二元論です。

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また中国在住の日本人ならば、一度は経験がある日本帰国時の買い物リスト。

中国人の同僚や友人から(当たり前のように)依頼され、

「なんなのー!私だって持ってきたいものがたくさんあるのよ!!!」となる場合も

多いのではないでしょうか?

逆に本当に仲が良く、買ってきてあげたいという人からは依頼がきません。

 

中国人的発想からすれば、その考え方の一つとして、

迷惑をかけられ合える関係まで、“昇格”するための行動であるかもしれません。

また本当に仲が良い関係性であれば、相手と自分が一体化していると考え、

自分が面倒と思うことは、もう一人の自分(つまりはここでは相手のこと)には

大変な思いはさせない、という考え方です。

 

それらの原理が本当に理解できたならば、中国人がより理解できるのではないかと

講義を通し、考えておりました。

 

Tom先生の話される内容は難しく、使用単語も普段の生活では、

あまりなじみのないものだったこと。

そしてTom先生が一生懸命話してくださったからこそ、独壇場の時間が

少しばかり長かったこともあり、主催者としては

正直次回も参加したいと思っていただけるかどうか、気が気ではありませんでした。

 

そんな不安を打ち消すかのごとく、参加者の方のtwitter投稿を拝見。

こんなにありがたい感想ツイートをいただき、朝から感無量でした。

 

正直、この『漢語Cafe』は万人受けする企画ではありません。

いわば「プール」での競泳練習を終え、一気に高波が襲ってくる大海に

放り出されたような感覚のイベントだと思います。

つまりは、教科書や教室内の"教えてもらう”中国語を卒業し、

"自らが学びに行く”、あるいは”くらいついていく”、

容赦なし、まったなしの中国語です。

 

しかしこれらの積み重ねが、振り返られたときに必ず力になり、

きっと中国の現地に立たれたとき、あるいは仕事で使われるときに

絶対に役に立ちます。

 

これからも方言も入った中国語、年代別の考え方やとらえ方、

価値観や生活観、金銭感覚なども感じ取っていただけるような方をお招きし、

「バーチャル・リアリティ中国」を感じていただければと存じます。