前回の記事から、早2か月。瀋陽も半袖を着ている人も、ちらほら。
この2か月、卒業論文の口頭質問があったり、インタビューを受けたり…。
そうなんです!
『究極の中国語リスニングVol. 1』について、大学側からインタビューのご依頼を頂戴し、そちらに関わる記事が大学のホームページ、そしてWechat公式アカウントなどで取り上げられました。
X(元Titter)で、私がしょっちゅうつぶやいている“导师”。
今日また“导师”の研究室へ。
— ちゃーちゃん『究極の中国語リスニングVol. 1』アルク@中国瀋陽 (@ChachanChina) May 14, 2025
「卒論提出したよね?」って言う周りの目も気にしない気にしない😆
結局、13時半に入って16時半に出てきた。
“导师”も私のことを好きで好きで仕方ないんじゃないかと思えてきた🤣(研究の話を真剣にしているだけです)
“导师”、やはり愛があるなと思う。
— ちゃーちゃん『究極の中国語リスニングVol. 1』アルク@中国瀋陽 (@ChachanChina) May 22, 2025
この2週間は、主人より濃い話をしているのではと思うぐらい、いろんな中国語教育についての話をしている。
"导师”も「もうあなたと話すの嫌よ😆話がとまんなくなっちゃうから」といって、また話し出す。
“导师”も中国語を教えるのが、心底好きなんだと思う。
私が“导师”のことを大好きだというのは、すでに周知の事実ですが、それが視覚的にも伝わるような“导师”の隣で嬉しさのあまりデレデレしている私の姿が、写真からご覧いただけると思います。
辽宁大学硕士留学生出版汉语教材荣登日本亚马逊榜首-辽宁大学国际教育学院
“导师”との出会いは、“师生见面会”と呼ばれる卒業論文の指導教員懇談会でした。それまで“导师”が私の授業を担当されることはなく、まったく接点はありませんでした。お会いする前に知っていた情報といえば、事前に配布された先生方の自己紹介文に書かれていた、「副学院長で、日本に関する研究をされている先生」ということだけでした。
自己紹介で“导师”の番になり、お話を始められたその瞬間、副学院長や日本の研究などのことは関係なくとも、「この先生のもとで学びたい」と強く心に感じたのを今でも覚えています。
とはいえ、卒業論文を書き上げるまでの約2年半、正直、“导师”に対してはずっと緊張していました。それもそのはずです、“师生见面会”での自己紹介の際にも、「ただ卒業するためだけに卒論を書こうと思っている人は、私を選ばないでください。私は要求が高く、課題も多く出しますし、非常に厳しく接します。優秀論文賞を目指すくらい、研究に対して意気込みのある学生を歓迎します」と、はっきりおっしゃっていた先生なのです。
“导师”からWeChatのメッセージや電話が来るたびに、私は自然と姿勢を正して対応していました。また、コンテストなどにはとにかく積極的に参加するよう強く勧められました(私の場合は「申し込んでおいたから」と、半ば強制的に電話がかかってくることもよくありました)。
それでも、「もうダメかもしれない……」と思ったときや、「うまくいかなかった……」と落ち込んでいたとき、誰よりも早く電話をくださったのは“导师”でした。電話ではまだ完全に気持ちがはれていないと判断すれば、「研究室においでなさい」と声をかけてくださり、特別な言葉をかけるわけではなく、ただただ静かに傍にいてくださいました。「あなたは自分できちんと気持ちを整理できるひとだけれど、気持ちがいっぱいになったら、いつでも連絡してきなさい」と励ましてくださいました。
あの痛ましい事件が蘇州で起きた後、私は研究室に呼ばれ、「あなたはいろんな気持ちを抱え込みすぎてしまうとても優しい人だから、今回のことも心穏やかではないはず。日本と中国の世論を目にして、ネガティブな言葉に心を痛める必要はないのよ」と言って、先生が抱きしめてくださったことを、私は今でもはっきりと覚えています。
“导师”は、留学生や中国人学生への授業・卒業論文指導に加えて、副学院長としての業務もこなしておられ、研究室の外には順番待ちができるほどご多忙な方です。それでも、こちらから相談ごとがあって連絡をすると、「それでは、明日の××時に」と、どうにか時間を割いてくださるような先生でもありました。
この3年間、“导师”とはさまざまなお話をさせていただきました。中国語教育の話、中国語の話、コンテストの相談や卒業論文そして中国語講師の悩みなど…。おそらく歴代の学生の中でも、「导师の研究室で最も長い時間を過ごした学生」だと思います。そんな3年分の思いがあっての、デレデレ写真だと思っていただければ幸いです。
※記事翻訳
辽宁大学硕士留学生出版汉语教材荣登日本亚马逊榜首-辽宁大学国际教育学院
遼寧大学の修士留学生、中国語教材を出版 日本のAmazonランキングで首位に
2025年3月17日、遼寧大学国際教育学院中国語国際教育専攻2022年度入学の日本人修士課程留学生・塩山恵さんが主編として参加した『究極の中国語リスニングVol.1』が日本で正式に出版された。本書は発売直後から、日本のAmazon「中国語学習法」カテゴリにおいて売上第1位を記録し、学習者および教育関係者から高く評価されている。
市場の反響も極めて良好であり、販売成績の好調を受けてすでに増刷が決定し、重版はすでに日本全国の主要書店にて販売が開始されている。Amazon上でも星5つのレビューを獲得しており、学習者の間での支持の高さと影響力の大きさを示している。
『究極の中国語リスニングVol.1』は、日本在住の初級中国語学習者を主な対象とした実用型のリスニング教材である。本書は、実際の会話場面を想定した構成となっており、学習者がつまずきやすいポイントや日本人の学習習慣を踏まえた設計がなされている。科学的かつ段階的に学べる構成であり、実用性と体系性を兼ね備えている点が大きな特徴である。特筆すべきは、リスニング教材でありながら、日本人学習者のニーズを徹底的に考慮した内容構成である。混同しやすい文法事項への解説、文化背景の補足解説、リスニング力向上のためのアドバイスなどが含まれており、多角的に言語知識を習得できるよう工夫されている。本書は、日本の中国語学習界において大きな注目を集め、指導性と実用性を兼ね備えた良質な教材として高く評価されている。
本書の制作背景について、塩山さんは「この書籍の出版は、遼寧大学の育成と支援なくしては実現できませんでした。国際教育学院は、私にとって成長の場であり、確かな学術基盤を築くことができました。惜しみないご指導をくださった先生方に心より感謝しており、その知識と学生への深い愛情は、私の最大の原動力です。」とりわけ、指導教員である趙春秋先生については、「趙先生は学術面で体系的かつ丁寧な指導をしてくださっただけでなく、教育理念と育人の精神においても私に深い影響を与えてくださいました。趙先生の学生であることは、私の修士課程における最も貴重な経験です」と語っている。遼寧大学の教育環境については、「理論と実践を融合させた授業は内容が明快で、学びが深く、多文化が交錯する環境、教員と学生との真摯な対話、学生同士の切磋琢磨は、私の授業設計力や表現力を高め、学習者視点の重要性を理解するきっかけとなりました」と述べている。
塩山さんの受賞歴:
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2022年 遼寧大学国際教育学院 留学生世界文学朗読コンテスト 一等賞
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2023年 第1回「吾愛吾師」杯 全国大学生言語文化素養・標準語コンテスト 団体一等賞
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2023年 遼寧大学 優秀来華留学生
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2023年 「理解当代中国」多言語翻訳コンテスト(日語部門)筆訳 優秀賞
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第5回 全国大学院生中国語教育マイクロレクチャーコンテスト 学生文化部門 団体三等賞
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第6回 国際中国語教育マイクロレクチャーコンテスト 文化部門・中国事情分野 卓越デジタル教材 一等賞
本書の出版は、日本における中国語学習者のリスニング教材に対する強いニーズに応えるものであり、同時に本学留学生の学習意欲を高めるきっかけともなっている。さらに、海外の現地中国語教師の育成や華文教育支援の分野において、遼寧大学が実践的成果を上げていることを示すものである。