今や中国語オタクに私も、中学高校時代は毎日クラブ活動に明け暮れるスポーツ少女だった。
このしつこいほどの粘り強さは、その時培ったものであり
先輩・後輩の上下関係など、人との距離感や気遣いも、実践の中で自然と身に着けてきたと思う。
ただ一つ失ったものがあるとすれば…。
「腰痛」。トレーニングのし過ぎで、椎間板ヘルニアとぎっくり腰の常連となり
17歳の時に、医師から「50歳の腰」と言われた程だ。
かつて大横綱千代の富士が、脱臼を繰り返す肩を守るために強靭な筋肉を作りだしたように
私も弱い背筋を腹筋によって支えるため、日頃から筋トレやストレッチをし、
ここ20年ほどは、大きな腰痛に見舞われることもなく過ごしてきた。
しかし先日、試験勉強のためにサボり気味だった筋トレと、
長時間机に向かう日々が続き、ついに私の腰が根をあげることとなってしまった。
試験4日前から違和感があったが、なんとか試験日も超え、やれやれと思っていた
先週水曜日の夜。瀋陽は非常に寒く、雪が積もり銀世界となった。
体を冷やすというのは、病に一番良くない。
結局翌日の木曜から、起き上がるのも気合を入れなければならない程に悪化。
さらに金曜、どうしても必要な手続きがあり、3時間立ちっぱなしという状況で
「あぁ、完全にアウトだな」と、最悪な状態だった。
これはヤバいと、思わず中医の“あの先生”に相談してみた。
すると「これから、診療所に来なさい」とWechatで連絡が来たため、
金曜の午後診療所へ。
いつものように、まずは舌診。
心の中では「舌を見て、腰痛が治るの?」と少々、いやかなり疑心暗鬼。
「うん? 腰だけでなく胸髄も悪いなぁ。座り過ぎた? 背中あたりが疲れてる」
との診立て。(ちなみに先生には、テスト勉強のことは伝えていない)
さらには
「う~ん。最近忙しかった? 食生活がちょっと乱れ気味。簡単に済ませてない?」
お見事!
舌を診ただけで全て言い当てらた。
「じゃあ、そこへ横になって。熱を入れてあげるから」と言われ、ベッドへ。
何をされるのかと思えば、「火疗(=火を使った治療)」とのこと。
簡単に説明すると、やけど防止のために腰や背中に特殊な布を何重も引いた後、
アルコールを染み込ませた布を一番上に置き、その布に火を入れる。
実際に布が燃えている時間は10秒程度で、やけどをする手前で火を止める。
その動作を何度も何度も繰り返す。
(実際の映像で、腰の部分に「熱」を入れてもらっています)
簡単にご想像いただけると思うが、本当に熱い!
自分で言うのはおかしいが、こう見えても、かなり我慢はできる方である。
そんな私でも、さすがに根をあげてしまうぐらい熱い!!!
「先生、ああああ、熱い!熱い!!!」
「そりゃ、そうさ。痛みがあると言うのはその部分が「寒」だから、『熱』が
余計に熱く感じると思うよ。熱いと思う時点で腰が悪いわけさ。
熱さを感じないツボを押してあげるから、もう少し我慢しなさい」
というやり取りを繰り返すこと、約1時間。
「今日『熱』を腰に入れたから、お風呂はダメね」と言われ、診療所を後にした。
その夜、腰は現状維持という感じであったが、まさに泣きっ面に蜂。
こども園にお迎えに行った時から、我が子の様子がおかしいと思っていたら、
案の状発熱。さらに主人は泊りがけの出張で不在。
こういう時に、周りに頼れる方がいないと言うのは辛いと思いながら翌朝を迎えた。
幸いにして、我が子は驚異的な回復を見せ、土曜の朝には熱が下がり、
さらに親孝行という言葉がぴったり当てはまる程、
週末の連日共、夕方6時から翌日朝7時まで眠ってくれたため、
私の腰もかなり休めることができた。
そして昨日、月曜日。再び「火の治療」へ。
始まって気付いたことは、前回ほど熱くないこと。
先生に伝えると「良くなった証拠だよ。でも熱くないならもう少し熱を入れておくか」と
今回は15~20秒コースへ。
「先生、ツ、ツボ! ツボお願いします!」とまたまた熱さに、悶絶しそうになる。
またまた死闘を繰り返し、終わるころにはぐったりするほどだった。
「かなり熱の入りが良くなったから、次回からはお灸にするよ」とのこと。
とりあえず、あの熱地獄からは解放されるようだ。
ちなみに次回からの「お灸」とは、こちら。
(黄色の物体は生姜。体をより温める効果があるそうです)
胃腸が弱い主人が、接待で疲れた内臓を温めるために
こちらのお灸をしてもらったことが何度もあるが、本人は毎回始まって5分も経たないうちに、
いびきをかいて爆睡。
私もそうだったらいいのになぁ、と淡い思いを抱いている。
中医では、体を冷やすことはご法度。
これからますます寒くなる季節がら、みなさまも温かくしてお過ごしくださいね。
でなければ、私のように「火の治療の刑」に…。