皆さん、こんにちは!「ちゃーちゃん」こと塩山恵です。
この度、2025年3月17日に『究極の中国語リスニング Vol. 1』が発売されることになりました!
まず、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。そして「出版記念に、思ったことや気づいたことをブログにしてみては?」と提案してくださった著者チームのリーダー、上野先生にも心より感謝申し上げます。
書籍の特徴
今回出版する『究極の中国語リスニング Vol. 1』は、中国語検定4級、HSK3級以上の方に適したリスニング教材です。特に、「知らない単語が多すぎて、全く歯が立たない…」という状況を防ぐため、アルクから出版された『改訂版 キクタン中国語』(入門編・初級編)の単語に準拠しています。
本編には、
- 会話20本・長文10本を収録
- 「親子げんか」「研究計画」などバラエティ豊かなテーマ
- 思わずクスッと笑ってしまう内容を随所に織り交ぜ、楽しく学習できる
- 音読教材としても活用可能!
X(旧Twitter)で「#究極の中国語リスニング」のハッシュタグをつけて音読をアップすれば、
- 同じく中国語を学ぶ仲間を見つけられる!
- モチベーション維持に役立つ!
- 誰かに聞いてもらうことで、単なる音読練習以上の効果が得られる!
仲間と切磋琢磨しながら、中国語力を一緒に高めていけたら嬉しいです。
※ 「猫のひとりごと」さんがX(旧Twitter)で、Androidからの音声UP方法の動画をご紹介されています。
著者4名と編集者のバックグラウンド
本書は、上野先生、太田先生、許先生、私の4名で生まれました。実は、この4名人の生徒層やバックグラウンド、中国との関わり方は全く異なります。
- 上野振宇先生:高校生に指導/バイリンガル環境で育つ
- 太田匡亮先生:大学生に指導/日本で中国語教育を受ける
- 許挺傑先生:短大生に指導/中国語ネイティブ
- 塩山恵(私):社会人に指導/中国で中国語教育を受ける
執筆メンバーを決める際、「異なる視点を持つ4人で作る」というコンセプトが重視されました。その結果、さまざまな立場から学習者に寄り添った教材が完成しました。
そして、驚くべきことに、私たち著者4名とアルク編集担当者のりっひさんは、それまで一緒に仕事をしたこともなく、リアルで会ったことすらありませんでした。
顔を合わせることなく、全てオンライン上でのやり取りのみで進めていくという、まさに新たな挑戦の形でした。それにもかかわらず、各メンバーがそれぞれの強みを生かし、意見を交わし、時には悩みながらも、「より良いものを届けたい」という共通の思いを持って進めてきました。
画面越しのミーティングだけで、ここまで密に連携し、一つの作品を作り上げられたことは、まさにチームワークの賜物です。この本は、オンラインでつながる時代だからこそ生まれた、新しい形の学習教材でもあるのかもしれません。
こうして我々5人のバックグラウンドを見てみると、それぞれ異なる経験を持つメンバーが集まっていることが分かります。そして、その中で私はどのような立場でこの書籍に関わり、どんな思いで執筆したのか――
ここからは、私自身のことをもう少し掘り下げて、お話ししたいと思います。
私のこと──中国との出会い
実は私が中国という国と本当の意味で出会ったのは、大学4年生のときでした。
当時、私はゼミでアメリカのマイノリティグループを研究し、特にチャイニーズ・アメリカンに関心を持っていました。そんな折、母から「中国との青年交流会があるけれど、応募してみる?」と勧められました。すでに就職活動も終えていた私は、「夏の思い出作りに」と軽い気持ちで応募したのが全ての始まりでした。
このプロジェクトは、近畿2府7県の青年400人が「近畿はひとつ」というテーマのもと、大型船で12日間の洋上生活を共にし、中国を訪問して交流を行うというものでした。和歌山県代表として参加した私は、大連理工大学の学生たちと交流する機会を得ました。
それまでの私の中国のイメージは、正直に言うと『ラストエンペラー』や『大地の子』の影響が強く、辮髪や人民服の印象が残っていました。しかし実際に出会った大連理工大学の学生たちは、流暢な日本語を話すだけでなく、英語や韓国語まで操る人材ばかり。
特に親しくなった金さんと任さんは、同い年ながら4か国語を話し、留学経験なしでその語学力を身につけていました。彼女たちとの会話はとても刺激的で、歴史問題を含めた率直な議論も交わしました。そして私はこう確信したのです。
「こんな優秀な人材がいるこの国は、これからますます発展する。」
「もっと中国を知りたい。自分の言葉でこの国を理解できるようになりたい。」
この強い想いが、中国語を学ぶ決意につながりました。
しかし、当時は就職氷河期。親に負担をかけるわけにはいかず、すぐに留学することはできませんでした。その代わり、私はある目標を立てました。「まずは3年間働き、500万円を貯める。それでも中国への想いが変わらなければ、留学しよう。中国の大学に行きたい!」この気持ちが、中国そして中国語の原点となりました。
留学中──悔し涙の日々
今でこそ中国語を教える仕事をしていますが、実は留学当初の私は中国語の成績がとても悪く、あまりのできなさに自分自身が耐えられなくなり、授業中に悔し涙を流すことさえもありました。特に大学の最初の2年間は、クラスで最下位。年齢から将来を心配した先生から、「もう帰国したほうが良いのでは?」と言われたことさえあります。
それでも「仕事さえもを辞め、一念発起して挑んだ留学を簡単に諦めるわけにはいかない。」そう思いながら、必死に食らいつく日々を送っていました。
光が差した転機──万先生との出会い
そんな私に、少し光が差したのは中国の大学3年生のときでした。そこで出会ったのが、私の人生を大きく変えた万業馨先生です。
それはもう厳しい先生でしたが、私が必死にもがいている姿を見て、ずっと応援してくださいました。そして、私の成績が上がらないのは学習方法が間違っているからだと、どんな学習法をすればいいのか、どんな気持ちで取り組めばいいのかを、研究室に何度も呼んで指導してくださいました。
「目で捉えるな、耳を鍛えろ」
万先生が常に伝えてくださったことです。
日本人は漢字圏のため、つい「目で読んで覚えよう」としてしまいます。しかし、それに頼りすぎると、リスニング力が育ちません。だからこそ、まずは耳を鍛えなさいとアドバイスをいただきました。
この経験が、今のスクールのレッスンでも役立っています。
私自身がリスニングに苦しみ、それを克服してきたからこそ、本書『究極の中国語リスニング Vol. 1』では、ただ聞くだけでなく、「耳を育てる」ことに重点を置いています。
この本を通じて、私と同じようにリスニングに悩む人が、「聞こえた!」「わかるようになった!」と感じられる瞬間が増えることを願っています。
さて、本日の内容はこれまで。これから5日にわたり、お届けしたいと思います。それではまた明日、お会いいたしましょう!