ちゃーちゃん@中国

中国滞在10年以上の日本人女性から見える「生の中国」とは?

あなたの目には、中国はどのように映っていますか?

あなたが本当に知りたいことはなんですか?

影響力等は決してないですが、日本人と中国人の誤解が少しでも解ければと思って始めたブログです。



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『蜻蛉日記』その26

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『蜻蛉日記』 目次は、こちらをクリック

 

みをつくし先生の『蜻蛉日記』講座 その26

(※古典にご興味がおありの方、中国語学習者、日本語学習者の交流の場になれば幸いです)

 


 

〈凡例〉

・原文は、言葉の区切りが分かりやすいように、なるべく漢字を多めにします。

・現代語訳は、原文との対応関係を分かりやすくするため、若干簡潔です。

・不明瞭な部分のみ、簡単な注釈を付けます。 

蜻蛉日记(1)——序章_Ellen_新浪博客 (中国語訳参照サイト)

 

「うぐひすの徒(アダ)にて行かむ山辺にも鳴く声聞かば尋(タヅ)ぬばかりぞ」
  • 「鶯さんが気まぐれに飛んで行くような山辺でも、鳴く声を聞いたら、それを頼りに探し出すだけさ!」
  • “幽幽黄莺鸟 任性且漫为 若闻报春声 定带春色回(那随意散漫的黄莺鸟儿,不管是在山里也好,乡间也好,只要听到她那报春的鸣叫,我都会马上去找寻她的踪迹)”

【にて】状態を表します/【む】婉曲を表します/【鳴く】「泣く」を掛けています
【ば】仮定を表します/【尋ぬ】昔は、この意味が主流です
【ぞ】力強く言い放つ時に、文末に用いられます。「君が悲しんでいる時は、どこにいようと見つけ出すよ!」と安心させています。たぶん作者も、見つけてほしいから歌を置いて来たのでしょうね(*´3`)
 

 

〔補注〕『後拾遺和歌集』恋四には、この時の物と思われる贈答歌が載っています

 

・女の許(モト)に遣はしける(兼家)

 

何処(イヅク)にか世をば厭(イト)はむ。心こそ野にも山にも惑ふべらなれ(『古今和歌集』雑下)

  • 我が恋は春の山辺に付けてしを。燃え出(イ)でて君が目にも見えなむ (私の恋の火は、もう春の山辺に付けてしまったよ! 燃え始めている様子が、君の目にもはっきりと見えるでしょ!) 

  【恋】「こ火」を掛けています/【てしを】て(完了)、し(過去)、を(詠嘆)
       【春の山辺】新春に行われる山焼きや野焼きを、「恋の炎」に見立てています
       【が】所有を表します。今も「我が社」とか言いますね  
    【なむ】な(確実)、む(推量)

 

 

返し道綱母

 

春の野に付くる思ひの数多(アマタ)あれば 何(イヅ)れを君が燃ゆとかは見む

  • 春の野に付ける恋の火なんて、たくさんありますから、どれがあなたの燃える思いなのか、さっぱり分かりませんねぇ

  【思ひの数多あれば】裏の意味は、「あなたはあちこちで浮名を流していますから」
       【かは】反問を表します/【む】適当を表します

 

 

・同じ女に(兼家)

 

春日(カスガ)野は名のみなりけり。我が身こそ飛ぶ火ならねど燃え渡りけれ

  • 春日野の烽火(トブヒ)は、もう名ばかりの物なんだ。我が身そのものが、烽火でもないのに燃え続けているんだから!

   【春日野】今の奈良公園の一帯です/【名のみ】無益・役立たず
      【なりけり】なり(断定)、けり(ある事実への気付き)/【こそ】前句を強調します
      【飛ぶ火】外国の侵攻を報せるため、丘陵地に設けられたのろし台です。奈良時代に、九州から平城京にかけてありました
      【ねど】ね(打消)、ど(逆接)
      【燃え渡り】激しい恋心を喩えています。「渡り」は、単独では「(川を)渡る・(~へ)移動する」などを表しますが、動詞と合体すると継続を表します

 

【参考資料1】春日野の地図("飛火野"という、そのものズバリの地名も残っています)

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【参考資料2】若草山の山焼き

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http://yuyu-kankan.asablo.jp/blog/2018/01/30/8779031

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