ちゃーちゃん@中国

中国滞在10年以上の日本人女性から見える「生の中国」とは?



あなたの目には、中国はどのように映っていますか?

あなたが本当に知りたいことはなんですか?

影響力等は決してないですが、日本人と中国人の誤解が少しでも解ければと思って始めたブログです。



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情熱中国(7-2)【薛氷さん・レザークラフト職人】

中国にゆかりのある「人と人」「人と情報」をつなげたいと、先月から新企画として

稼働し始めた「情熱中国」

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(※決してパクリなどはしておりません。もとが良いので、敬意を表し、少々拝借しているだけです。)

 

昨日に引き続き、第7回目のゲストはレザークラフト職人の、薛氷さん。

 

情熱中国(7-1)【薛氷さん・レザークラフト職人】

 

それでは早速、昨日に引き続き、薛氷さんへのインタビューをご覧いただきたいと思う。

 


 

 心理的ニーズを満たす作品。確かにそうですね。機能性の他にも、このかばんを持つと心が浮き立つという気持ちはとてもよく分かります。
 別の質問ですが、尊敬しているレザークラフト偉人はいらっしゃいますか?

 2人います。1人目はアメリカのアル・ストールマン氏(英語:Al Stohlman、中国語:史东门)です。現在のレザークラフト技巧は、ほとんど彼が生み出したと言っても過言ではありません。また時代の変化に伴い、レザークラフト工具のレベルもずいぶん高くなりました。しかし工具を造る多くの基礎技術や考え方は、彼が発明し、今もそのまま使用されています。まさにレザークラフト界の開拓者とも言えると思います。
 もう1人は日本の大塚孝幸氏です。なぜならアメリカのレザークラフトは、アメリカ人の性格も関係があると思うのですが、大胆で豪快です。それに引き替え日本のものは繊細で精巧です。大塚氏の功績は、アメリカのおおらかな感じのレザークラフトを上品なものにされました。私は繊細で上品なものが好きなので、大塚氏のことをとても尊敬しています。

 

 これだけ細かい作業を繰り返されていらっしゃると、正直飽きてきませんか? また目がぼやけたり、見間違えたりすることはありませんか?

 作品に向かっているときは、お客様が手にされたらどんな表情を浮かべるのだろうと、想像しながら手を動かしています。そのため非常に楽しく、一種の興奮状態ですので、飽きることや面白みがないと思うことはありません。
 また私の作品はオーダーメイドであるがゆえに、1つ1つを創り出すには時間はかかります。もちろん技法などに大きな変化はありませんが、お客様の要求が異なることで、デザインに取り入れる要素も自然と異なります。そのためいつも新鮮な気持ちで、作品に向かうことができます。言い換えれば毎回0から1を創り出すということですので、飽きはこないですね。
 2つ目の質問ですが、正直見間違えることはなくはないです(笑) 作業が細かいためピントが合わなくなることは、たまにあります。

 

 先ほどおっしゃっていた「楽しさ」とは逆方向の位置づけだと思うのですが、薛さんにとって「職人精神」とは何だと思われますか?

 確かに楽しさと、職人精神は真逆だと思います。中国と日本の伝統的なものはたくさんの共通点があります。でもなぜ日本は古代からの良き文化が残っているのに、中国は忘れてしまった、あるいは捨ててしまったのでしょうか。政治や経済の話はとりあえず置いておき、私達中国人が足りないものが2つあると思っています。その1つは「真面目さ」、もう1つは「継続する力」です。この当たり前のことが非常に大切です。
 今中国で声高らかに言われている「爱岗敬业(=職場(所属先)を愛し、仕事を敬うという意)」ですが、本来ならばごくごく当たり前のことです。この当たり前のことが重視され、道徳的に素晴らしい評価を受けていることが、そもそも問題ではないでしょうか? もちろん中国と言う広大な土地や経済発展状況とは、切っても切り離せないことは百も承知で申し上げています。その部分を差し引いても、やはり私たちが直視しなければならない現実ではないでしょうか?
 日本人の仕事に対する姿勢は、「もうこれ以上のものは出てこない」と言うほど、完璧を目指します。いわば「疵」を見つけ出すことができないレベルで、この真面目さはある意味怖いと思うほどです。この真面目さから生み出されるものが、二級品、三級品である訳がありません。日本は国土が狭く、資源も少ないこともあり、1つのものを何年、何十年も使えるように大切に扱う習慣が、受け継がれているのだと思います。

 

 確かに「一生もの」と言う言葉があるように、私も初任給で買った革製品の財布を未だに大事に使っています。

 中国では「壊れたら次」というように、物に対する愛着が弱く、大切にしないことも「職人精神」が育ちにくい原因の一つです。

 

 日本もバブル時代は「使い捨て」の時代がありました。しかし思い返せばそれを教訓とし、またテレビのCMを使うなどして、物を粗末に扱うと「もったいないお化け」がやってくると言われ大きくなりました。

 中国はまだその過程にありで、また国土が広大なことも重なり、「物を大切にする」という考えが浸透するまでには、もうしばらく時間がかかると思います。これらの体制が整ってくれば中国古代の「良いものを創る」という職人精神も復活し、良いものだから大切に扱い、より長く使うという考えが安定し、好循環してくると思っています。

 

 中国と言う環境にいらして薛さんは、なぜ「職人精神」をお持ちなのですか?

 まずはこのレザークラフトという仕事が、大好きだからです。自分の身を削っても、もっと良い作品を創りたいといつも思っているからです。そしてもう1つの理由は、時代の変化と言えます。以前中国では「職人精神」では家族を養うことができませんでした。それが経済発展のした今では“本物”を提供しても、その価値にお金を払える人が出てきました。それならば“本物”で勝負がしたい、その方向で頑張ろうと思えるようになりました。つまり私が「職人精神を!」と思う理由は、環境や時代の変化も伴っていると言えます。

 

 すべての人が、社会の発展や時代の変化という大きな渦からは離れられません。先程の例にもありましたが、スーパーの袋から精巧な物、高級品へのニーズの変化。そしてレザークラフトでは生計を立てられない時代から、1つの職業にまでなりました。中国の真の発展状況、意識の変化がこのニーズの変化から垣間見ることができますね。

 おそらく日本の方からすれば、「中国のレザークラフトレベルなんて、たいしたことはないだろう」と思われていると思います。しかし経済発展やニーズの変化、意識の高さと言う違う角度からご覧になれば、その答えはおのずと感じていただけると思います。なぜなら、それらに見合う実力、作品レベルでなければ、社会の渦から淘汰されてしまうからです。

 

 確かにそうですね。では将来、ご自身とレザークラフトの関係はどのように思い描かれていらっしゃいますか? 例えば大企業を抱える、あるいは今後何百年も続く老舗にしたいなど、いかがお考えですか?

 今言えることは、大企業という選択は「ない」と言うことです。また老舗になれるかどうかは、正直分かりません。
 大企業を選択すると言うことは、以前の大量生産大量消費、つまり「安かろう悪かろう」の状態に戻るということだからです。日本では100年以上前、さらには江戸時代から続く老舗がたくさんあります。それはなぜだと思いますか? 彼らはお金儲けを第一には考えていないからだと思います。
 お金儲けを考え出すと、材料コストは安いものを、制作時間は短縮できるように、となってしまいます。これらは決して「ハンドメイド」が求める方向性ではありません。また手作り作品とは、多くの方に供給できるものだと私は思っていません。なぜならハンドメイド作品は、「職人は好きだから作る、お客様もその職人の作品だから買う(あるいは良いものだから買う)」という双方の気持ちが重なった時に初めて成立します。このハンドメイド作品は、機械による大量生産ではないため、お値段も正直それなりにします。その値段に見合った価値があり、なおかつ(お客様は)その金額の支払い能力がある等、売買に至るまでいくつもの条件を満たさなければなりません。また精巧になり、芸術品になればなるほど、万人受けが難しく、誰でも手にできるものとは一線を画します。それ故にハンドメイド作品は価値があり、人を魅了する力が宿るのだと思っています。

 

 そうですね。〇〇巨匠の××が欲しいと思っても、いろんな“制限”がありますものね。
 「天下没有不散的宴席(=この世に終わりのない宴会はない。物事には必ず終わりがあるの意)」。大変名残惜しいですが、最後に皆さんに一言お願いできないでしょうか?



  大家好!我是一个中国的手工皮雕皮匠。
  这些年呢,中国在各个领域都有了长足的发展,那么中国的匠人和中国的匠人精神,也都在向她应有的这种方向上去回归。
  中国有着五千年的悠久的文化,我们有信心把她发扬光大!也有信心把中国的这些传统的文化、发挥到一个更好的一个高度!我也希望更多的国际友人来了解中国;来到中国、来了解中国,然后,爱上中国!谢谢!

(みなさん、こんにちは。私は中国のハンドメイドレザークラフト職人です。この数年間、中国の各分野が目覚ましい発展を遂げ、中国の職人や職人精神もあるべき姿に復活しようとしています。中国は5000年もの長い歴史があり、その歴史がより一層輝きを増すことを私は確信しています。さらに国境を越えた多くの方たちが中国にお越しになり、中国を知り、好きになってくださると信じています。ありがとうございました。)

 本日はお時間をいただき、ありがとうございました。これからも薛さんの作品の力で、多くの方に幸せを届けていただきたいと思います。

 


 

私は以前から革製品が好きで、初給与で購入したものが革製品の財布だったほどだ。

そのため初めて彼の工房で作品に出逢ったときは、心が震えた。

 

付き合いは2015年まで遡る。以前に一度なぜ革製品が好きなのかを聞かれたことがある。

「使えば使うほど味が出るから。人も同じだと思ってて。私も年を重ねるたびに、味のある

女性になりたいから」と言う答えに、いたく感動してくださったのが昨日の事のようである。

 

インタビューをしながら、中国の発展を経済と言う側面から判断することが多いが、

経済(お金の流れ方)という物差しを使い、中国の今の姿を語るというその考え方が、

非常に趣深い。

また彼のような「職人」が、中国でこれからどんどん増えてきていることに嬉しく感じると共に

彼らが思い浮かべてくれる「日本人像」に恥じない生き方や、立ち居振る舞いができるよう

日々精進しなければと、襟を正す思いである。

 

彼は私のことを「嫂子(=お姉ちゃん)」と呼ぶ。

(「嫂子」という呼び方は、まずは私の主人ありきで、主人の奥さんという意味である。これは主人に対しても敬意を示しており、また私に対しても親しみを込めている。)

インタビューの話を持ちかけた時、「嫂子,我说什么好呢?(=お姉ちゃん、何を話せばいいの)」

と、実に照れくさそうだった。

「事前に質問も用意するけれど、話したいことを話したいように話してくれればいいよ」

と伝えると、「日本のみなさんに、たくさん伝えたいことがあるんだけど」と教えてくれた。

 

最後のビデオレターも「できるだけゆっくり、はっきり話した方がいいよね、

分かりやすい単語を使って、親しみのある内容にしよう」と、実は5回も撮り直したのだ。

「インタビューの時、そのぐらい私にも(話す内容やスピードに)気を遣ってよ」と

皮肉っぽく冗談を言うと

「次回ね! だってこれ年間契約でしょ」と冗談で返された。

 

インタビューはできるだけ、彼の話した内容に忠実に訳したつもりだが、この実力のため

聞き間違い、思い違いをしている箇所もきっとあるはずである。

ただ中国語が少し分かるだけで、このように国境や文化を越え、意思疎通ができる喜びを

伝えたく、今回の全編中国語インタビューに踏み切った。

 

「人と人」「人と情報」を伝えたいと思ったところから始めた、この『情熱中国』。

それが今回はさらに「人とモノ」まで領域が広がったことに、改めて感謝の気持ちで

いっぱいである。

これからも中国、中国語という糸を手繰り、さまざまなものを繋げ、織り成していきたい。

 

薛氷さんからのお知らせ!!!

◆『情熱中国』インタビュー特典

  • 「『情熱中国』を見た」とご連絡をいただければ10%OFF
  • 今なら送料無料(2019年06月注文分)※通常中国からの送料+日本国内の送料がかかります

 

◆カタログ

  • 略知工房コレクション1(ダウンロードはこちらから)
  • 略知工房コレクション2(ダウンロードはこちらから) ※写真集としてもお楽しみ頂けます

 

◆その他

  • 作品は全てカスタマイズでお伺いいたします。
  • カタログ内の、同じ作品も制作可能です。
  • 企業様のOEMも受注可能です。

 

◆連絡先

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情熱中国(7-1)【薛氷さん・レザークラフト職人】

 


 

 【これまでの『情熱中国』の記事はこちらから】

 今後も中国(あるいは中国関連)で奮闘される方を取材、あるいはインタビューをし、「人と人」「人と情報」をつなげたいという理念のもと、有益な情報を皆さんにも共有していただけるような、そんな企画になればと思っております。

 ある日突然、インタビュー依頼のご連絡が届いた方には、ぜひ今お持ちの専門性、独自性、影響力等の非常に価値のある情報やご経験、熱い思いを、存分にお伝えいただければと存じます。また逆に中国、あるいは中国語で「こんなことを知ってほしい、こんなことを伝えたい」という情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報いただければ、取材やインタビューをさせていただきたいと思います。

 これからもこの企画をはじめ、ブログをご愛読いただければ幸いです。

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