今日は「発音」、特に中国語の発音について少しマニアックな話をしたいと思う。
プロフィールや先日発表した記事からもご覧いただけるように、現在発音矯正中である。
実に多くの方が手を差し伸べてくださり、中国語を通して巡り合えるご縁に感激し、
感謝の言葉しか見つからない。
中でも山岡義則さんには、今までもたくさんのアドバイスを頂戴し、
特にこちらの画像をヒントと共に頂戴した時、蜘蛛の糸のように一寸の光が差したので、
今日皆さんにもご紹介させていただきたい。
日本でも有名な作家、テレビコラムニスト、神戸国際大学の教授も務める毛丹青氏。
日本に暮らして30年になる毛氏は、すでに文化の使者となっており、自分の言葉や小説を通して中国人に日本のことを伝え続けている。毛氏は、「今や多くの中国人が深く日本について理解する時代になった」とかつて話していた。
私も毛氏の作品を何冊も拝読したことがあり、中国語だけでなく、日本人として違う角度から
日本を再認識したり、中国人から見える日本という観念が、実生活に置いて非常に
大きな役割を果たしてくれている。
まずは、毛氏のこちらのインタビューをご覧いただきたい。
中国語の発音に敏感な方なら、「ん?」と思われたのではないだろうか?
(今回の着目点はあくまでも「発音」)
こちらの動画を私は始め音声だけで聞き、またお恥ずかしながら毛氏のお声を始めて拝聴し、
(存じ上げなかったため)中国語が非常に上手な日本人が話していると勘違いした。
誤解なくお伝えできるとすれば、発音が日本人訛りのように感じたのだ。
ちなみに毛氏は北京人である。
標準語と北京語は違いがあり、毛氏は教授もつとめるため「標準語」を意識して
話されているということもあるが、北京の方はこのような話し方をされることが多い。
つまり言葉というのは、実に干渉を受けやすく、繊細なものであると考えざるを得ない。
毛氏は日本に30年滞在され、日本語で授業も生活も執筆活動も行い、日本語能力も非常に高い。
そのため母語の中国語が、日本語の影響を受けたと考えられる。
この事実を受け、日本人訛りの私の中国語。
母語である日本語の干渉を受けるのは、致し方ないことである(かも知れない)。
しかし言葉は、環境にも影響を受けるという事実。
中国で生活をしている今、この環境を思う存分生かし、母語の干渉をできるだけ
少なくすることができれば、私の今の中国語の発音を進化させることができる…
のではないだろうか?
もちろんそれには、今まで以上の努力が必要である。
しかし「外国人とは分からなかった」と言われることを目標に掲げる私にとって、
環境が(良い悪いは別として)発音に影響を及ぼすということが、
非常に大きな励みになったのも、また事実である。
(※今回毛氏のインタビューを取り上げさせていただきましたが、あくまでも発音と言う観点からで、インタビュー内容の「日本人が自国という殻にこもりがちであること」。そして「中国が発展した後には、もしかしたら今の日本のように“閉じこもりがち”になる可能性もある」という、現在の若者の行動に疑問を投げかける態度に、非常に共感を得ました。相手を知ることは、結局は己を知ること。このインタビューを通し、私自身中国と言う視点から、日本のことを、しいては自分自身のことをより深く理解できるようになったことを、改めて感じずにはいられませんでした。
またご紹介にあたり、毛氏を始め毛氏のファンの方に、ご気分を害されるようなことが万が一ございましたら、改めてお詫びを申し上げたいと思います。)
さらに、この動画を激励と共にご紹介くださった山岡さんが、『寺子屋中国語』という
中国語学習の場を、無料でご提供されています。
(詳細はこちらから ※中国にお住いの方はVPNでの接続をお願いします)
私もこちらの寺子屋で、発音のご相談をさせていただき、多くのヒントを頂戴し、
感謝の気持ちでいっぱいです。
自分で学んでいくことをモットーにされていらっしゃる山岡さん。
その手助けをしてくださる、そんな学習スペースです。
またご参加されていらっしゃる方々は、中国語でお仕事をされていらっしゃる方も多く
いろんな立場から、アドバイスやヒントをいただける場所でもあります。
私もこの場をお借りして、今後ご好評いただいた「発音を語る会」の内容に、
いろんな方からのアドバイスや、コミュニケーションから得た知識を加えた
バージョンアップ版で、座談会を開催できればと、案を練っている最中でございます。
もし開催できることが決定いたしましたら、こちらのブログでもご紹介させていただきます。
語学学習はある意味、孤独な作業の繰り返も多く、このような学習スペースで、
伴走相手やコーチに出逢えることは、モチベーション維持の非常に大きな役割であると、
思えてなりません。
このような学習スペースをお作りくださった山岡さんに、この場をお借りし改めてお礼を
申し上げたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。