一昨日Amazonアソシエイトに、無事合格したとの記事をご紹介した。(関連記事はこちらから)
実は以前から申請をしようと思ってはいたものの、なんとなく機会を逃していた。
しかし一通のコメントが、申請を後押ししてくださったのだ。
それがブログを応援してくださる古猴さん(https://ameblo.jp/ryo19750407/)の、こちらのご質問。
私は中国語原書を読むのを生き甲斐にしているので、好きな作家やオススメ作品がありましたら、ぜひ教えてほしいです。ジャンルは問いません。
せっかくこのようなお声掛けをいただいたので、ぜひ分かりやすいご案内にしたい。
なんならご紹介から(もしご興味をいただけた場合)購入までをできるだけスマートに
できればと、Amazonアソシエイトに申し込んでみようという考えに至ったのだ。
実は以前、原書の紹介をタイトル名だけでいただき、購入しようとしたものの、
入力や検索で、案外手間暇がかかったことがあった。
1,2冊程度ならまだしも、何冊もとなると正直面倒にもなってくるため、少しでも便利であれば
という思いがあったからである。
それでは私なりの評価で非常に申し訳ないが、早速ご紹介したいと思う。
またせっかくなので、今まであまりご紹介されていないであろう書籍をご案内したく
さらに「マニアック度」(笑)も、一緒にご覧いただければ幸いである。
1作品目、余华氏の《活着》。マニアック度★☆☆☆☆
普通、本のタイトルに「動詞」を用いることは少ない。
それに反して「活着(生きる)」という言葉の使い方をされているように、
文中に使われている単語、その使い方が非常に興味深いものが多く存在する。
もちろん内容も中国の歴史背景を知ることもでき、さらには社会の混沌とした渦に
巻き込まれながらも、それでも強く生きていく姿、人を信じる強さなどを感じられる
ことから、まずは一押ししたい作品である。
原書はまだまだ高いハードルと言う方は、映画のDVDも発売されているため、
そちらを先にご覧になり、あらすじを知ってから挑戦されても良いと思う。
こちらの映画も見たが、 葛优(グォ・ヨウ)、巩俐(コン・リー )と中国を代表する
俳優が主役をはり、引き込まれる世界観を作り出している。
中国人がこのセリフを言う時は、こんな表情をするのかという観点から作品を見ても
非常に面白い。
2作品目、《我的兄弟姐妹》。マニアック度★☆☆☆☆
生き別れになった兄弟4人が、どのように再会するかを描いた心温まる物語。
毎日の忙しさ、人間関係で躓いた時などに、ふと読みたい作品である。
またこちらの作品も、40~50代の方々が幼少期にどのような生活をしていたかを
知ることができる作品となっている。
現在の目まぐるしいスピードで発展する中国ではなく、その前ののんびりと過ごす社会が
垣間見れるのも、この作品の良さである。
こちらもDVDが発売されており、子役は素人さんだったとのことだが、その素朴で
純粋な演技に何度も泣かされた。成人した兄弟を演じたのは梁咏琪(ジジ・リョン)、
姜武、夏雨(シア・ユー)、陈实と脇役で光る演技力のある俳優さんたち。
そして父親役を演じたのは、中国におけるロックンロール創始者の一人とされる
崔健(ツイ・チェン)で、映画に出演したことも話題となった。
3作品目、《读者》。マニアック度★★☆☆☆
言語を問わず、世界各国の作品を取り上げるのが『读者』の良いところである。
またひと作品が長くとも3ページほどに収まっており、(通常は1ページ程)就寝前に
ひと作品読んでおこう、というような区切り方もできるところが非常に良い。
通常版は毎週発行されているが、それを季節ごと(3か月分)にまとめたタイプ、
「春(夏・秋・冬)季巻」も発売されている。またテーマ分けをしたタイプ、
「精华版(=厳選版)」なども取り扱われている。
そのため本棚にもタイプの違う『读者』が何十冊もあり、Amazonからのご案内も
その中の1冊である。
ここまでは割と万人受けすると思われるが、それだけではこの「中国語オタク」の
名が廃り、全く面白くない(笑)。
それではさらにマニアック度を上げていきたいと思う。
4作品目、加藤嘉一氏の《从伊豆到北京有多远》。マニアック度★★★☆☆
留学時期がほぼ同じ、さらに同じく北京であったため、実際にお会いしたこともある。
加藤氏を取り巻く噂や講演問題、こちらの内容への真偽などの“騒音”は、この場では
一旦置いておくとして、今回は純粋に作品としての話をしたいと思う。
こちらを取り上げた理由は、中国語で書かれてはいるがロジック、根柢にある考えなどが
やはり“日本人”であるため、スラスラと読み進んでいくことができる。
中国語を始められ、そろそろ原書に挑戦したいと思われる方や、長文読解がどうも苦手
という方に、まずは1冊読み切ったという自信をつけるための初級編としてオススメしたい。
また単純に外国人として中国語で文章を書き続ける加藤氏の努力は、素直に素晴らしく
見習いたいと思う。
5作品目、《普通话水平测试实施纲要》。マニアック度★★★☆☆
こちらの作品は発音強化のためのテキストであるが、最終章に試験用の60作品が綴られている。
どの作品も1ページに収まる程の短編作品であるが、音読作品にも選ばれるだけあり
「音」としてはもちろんのこと内容、使われている単語なども素晴らしい。
こちらの本に限らず、おそらく「普通话水平测试」のテキストであれば全て掲載されて
いるはずである。(ネットからでも検索、ダウンロード可能)
試験と言う枠を外して、中国語作品を鑑賞するのも非常に趣深いと思う。
(※同じ書籍がAmazonでは取扱いがなかったため、同類商品をご案内)
6作品目、デール・カーネギー氏の《卡耐基成功之道全套》。マニアック度★★★★☆
こちらの作品は自分自身が、人生の進路に迷っているときに読んだこともあり、
内容として、「そう考えればいいのか」と思うことが多かった。
また中国の方と一緒に仕事をするとき、できるだけポジティブな言葉を使ったほうが、
(国民間の)変な誤解を招きにくいのではと思うこともあり、この本を通して
ポジティブな表現方法を学ぼうとした、というのもあってのことだ。
さらに中国の方はこの手の内容が好きなこともあり、話のネタとして読んでおくのも
身を助けてくれるアイテムになると思われる。
7作品目、レイ・カーツワイル氏の《奇点临近》。マニアック度★★★★★★★★★★
オリジナル(The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology)
日本語訳(ポスト・ヒューマン誕生:コンピュータが人類の知性を超えるとき)
目覚ましい進化を遂げる科学技術の世界。
人類が科学技術の進化を予測できなくなるのが、2045年というのが著者の考えである。
実はこう見えても(笑)、AIに興味がありSEになろうかと思ったことも一度や二度ではない。
そこで主人の本棚から拝借して読んではみたものの、始めは非常に難しく、何のこと?
と思う部分もたくさんあった。
ただ、時に主人に手助けしてもらったり、IT関連の友人に質問したり、義弟に医学の知識から
解釈してもらったりしながら、調べながら読み進めていくと、「そういうことかぁ」
「なるほど」という言葉が、ついつい出てしまうほどのめり込んだ。
内容的にSFぽいと思われる方もいるほど、未来予想図的な事も書かれているが、
それでも「もしかしたら本当に起こりえるかも」と読みながら考えてしまった。
そこがこの書籍の面白さでもあると思う。
もう少しクリアな音質で、中国語版があればと思うのだが(本編は英語)、なにかの
ご参考になればと思い、一緒にUPしておきたいと思う。
今回はまず7冊ご紹介したが、まだまだご紹介したい書籍がたくさんある。
1,2冊目のように、留学中に読破し書籍は帰国と同時に持ち帰ったため、写真掲載が
ないものもあるが、少しずつご案内していきたいと思う。
また現在我が子が読んでいる中国語の絵本、主人が読み聞かせているこども事典も
私のようなノンネイティブの中国語学習者には、非常にすばらしい学習教材である。
そういう書籍も今後、ご紹介できればと考えている。
さらに中国語をより深く理解するためには、論語や孫子兵法、唐詩や宋詞なども
外せないことから、次回からは古代漢語の書籍も織り交ぜていければと思う。
余談となるが、私のオタク度が分かる(?)中国語文法書のご案内をした記事もあるので
もしよければそちらもご覧いただけると幸いである。
それでは、またいつの日か「オススメ中国語原書(その2)」でお会いしましょう。