以前告知していた『りんろん 第1回なんちゃって朗読劇クラブ』。
先日11月18日に無事開催されたのだが、体調がすぐれなかったり、中国語検定試験があったりで
今まで記事にすることができずにいた。そこで本日遅ればせながら、ご紹介したいと思う。
中国残留孤児、陸一心(ルー・イーシン)の波乱万丈の半生を描いた物語の中から、
特に感情表現が難しいと思われる初恋相手、丹青とのワンシーンが選ばれた。
- 自分が日本人であることをずっと告白できずにいた。その負い目と丹青を失いたくないと言う葛藤
- 心のどこかで自分は日本人であっても、愛する丹青は信じてくれるのではという思い
- 愛する一心は成績優秀で、前途洋洋。大学卒業を迎え、自慢の結婚相手と明るい未来が待っていると信じ、天にも昇る思い
- 長い時間待ち望んだ一心からの“告白”は、考えもしない「日本人」というものだった
- 天国から地獄へ。騙されていたと思う気持ち、憤慨、父への申し訳なさなどから、一心を罵倒。自身も取り乱してしまう。
【原稿のダウンロードはこちらから】
今回ゲスト講師としてお招きいただいたこともあり、自然と準備に力が入る。
開催数日前には、主催講師の熊澤みどりさんにお手合わせをお願いし、お互い数パターンの陸一心、
丹青を用意し練習にのぞみ、形を作りあげていった。
掛け合ってみた時の感触、お互いの中国語の特徴、役に対する思い入れなどを考慮した結果、
みどりさんが丹青を、私が陸一心を演じることで落ち着いた。
今回の課題作品は、中国語自体それほど難しいものではなく、内容も複雑ではないが、なんせ朗読劇。
セリフの「間」、声の「色」、相手との会話のかぶせ具合など、朗読とはまた一味違う難しさと
緊張感がある。
特にTake3の盛り上がり部分に「生まれは日本人だが、日本のことは何一つ全く覚えておらず、
中国人に育てられ、今は中国人だ!」と陸一心が丹青に訴える長セリフが存在する。
私が想像するセリフ回しは、この3行を畳掛けるように一気に話し、丹青に“無罪”を訴えたい。
そのためこのフレーズを一息で話す練習を繰り返すのだが、酸欠状態になり頭痛を引き起こすことが
何度もあったことを、ここだけの話としてこっそり告白したい。
また違う難点は、Take1とTake2の冒頭にあるナレーション。
どのくらいの温度で、どのぐらいの無機質感で読み上げるか、結構苦労をした。
と言うのも、回想の色を強くしボソボソと話すと、Take1の二人のラブラブ感が表現しづらく
かといってあまりにも機械的な声だと、「朗読劇」としての感覚が全く伝わらない。
あまりにも難しく感じ、みどりさんに「ナレーション読んでくださいよ~」とお願いしたが
「そうすると変じゃない?」と一刀両断されてしまった(笑)
約1時間半程、試行錯誤を繰り返し、やっと形が見えたところで予行練習を終了。
2日後に迫った本番に向け、各自自主練を繰り返すことにした。
当日。通常のりんろん音読会とは違う緊張感。
参加者も掛け合いの相手とは初対面ということもあり、大変なのが伝わってくる。
本番の詳しい内容は、みどりさんがブログで取り上げていらっしゃるので、そちらをぜひ
ご覧いただきたい。
※中国語学習者の皆さま、講師の皆さま、中国語ネイティブの皆さま
記事内の「中ほど下の方」に、みどりさんと私の音読劇音源がございます。もしよろしければ、お楽しみいただければと存じます。
コメント欄やメールに、率直なご感想や改善点、アドバイスをお伝えいただければ幸いです。どうかご遠慮なさらず、ちゃーちゃんの中国語向上に一役かってやろうと、ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
みどりさんとの掛け合いが終わった後、オブザーバーで参加してくださったゆうさんが、
男性ということで一心役で急遽ご参加くださることになり、私が丹青役をさせていただいた。
このシーンは大連が舞台になっていることもあり、できるだけ「中国東北女性」を意識し
上から下に降ってくるような、けたたましい中国語で一心を責めるセリフを話してみた。
それを必死で受け止めてくださったゆうさんに、心から感謝を申し上げたい。
語学学習において、音読の重要性は嫌と言うほど味わっているが、
今回のように「朗読劇」を体験することは、相手がいて掛け合いがあるということで、
より生きた言葉が学べるような気がして非常に有意義だと感じた。
いつも思っている「言葉はパワー」をさらに磨いていけるように、次回開催されたときは、
ぜひまた参加したいと思う。
次回開催と言えば、12月10日(月)に
第8回中国語音読サークル〈玲瓏りんろん〉オンラインイベントが開催されるようだ。
いつも大人気で現時点ですでに満員御礼のようだが、キャンセル待ちもできるようなので、
ご興味のある方は、まずHPをご覧いただければと思う。
またリスナー枠なら増員可能だそう。「キャンセル待ち」からの申し込みができるようだ。