ちゃーちゃん@中国瀋陽

オンライン中国語講師|中国語ネイティブの発音と、より楽しく学べる方法を模索中|漫才や“脱口秀”など、面白い事(言葉遊び)が大好きな関西人

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「大学行かなくていい論争」中国の場合

ツイッターでこの「大学行かなくていい論争」が盛り上がっているが、

日本と中国の大学をどちらも卒業した私も、少し参戦してみたいと思う。

 

まず日本で生活をする場合、結論から言えば「正直わからない」

日本の大学の授業の内容は、ほぼと言っていいぐらい今の生活には役立っていないし、

就職したときも、それが仕事に直結するかと言われれば、「NO」だった。

ただ同じ出身校ということでかわいがっていただいたり、部下と一気に距離が近くなる

と言うことはあったので、そこは少しプラス評価したい。

 

でも、生まれ変わった時に行く/行かないの選択肢ならば、私は「行く」を選択する。

なぜなら大学時代の自由な時間、そして生まれて初めての一人暮らし、

井の中の蛙」だったことを知れたこと、大失恋も含めた挫折や失敗の経験は、

今の私に大きな影響を与え、人間をはるかに豊かにしてくれたのは確かだからだ。

 


 

 次は中国で生活する外国人の一人として、意見を述べたい。

 

もし将来、中国で就職したいなら、大学入学どころか卒業が必須である。

というのは以前、特に21世紀に入るまでは「外国人」と言うだけで価値があった。

しかし現在は語学力や専門知識を持った方は、国内にも多くいらっしゃるし、

留学帰りの優秀な中国人、ビジネスチャンスを狙う外国人で溢れ、

さらに経済成長に以前のようなパワーがなくなった今、中国ビジネス界には

「外国人」ではすでに意味がなく、「人財」となり得る外国人だけが必要という

時代になった。

 

つまり中国政府としては、就職という「椅子取りゲーム」において、

同じレベル、あるいは少しぐらいの差であれば、中国人を優先して就労させ、

「就職できない!」という政府への不満を、国内からなくしたいわけである。

 

そのため大学卒業資格を持たないものは、よほどの特殊能力/専門技術がなければ

就労ビザが下りない。つまり中国では働けないということである。

 

語弊があるといけないので、少し補足しておくと、

中国への入国は15日以内の滞在であれば、ビザは必要なくパスポートだけで入国可能。

そのため、1週間程度の出張ならば問題はない。

またビザの種類も大まかに旅行ビザ、留学ビザ、家族ビザ、就労ビザ等さまざまで、

私の言う「就労ビザ」は俗にいう「Zビザ」と言われる、中国を拠点に長期滞在し、

就労するためのビザのことである。

 

さらに中国で生活していれば、否応なしでも学歴を書かされる場面に何度も遭遇する。

就業時以外でも婚姻届、出産許可届、出生届、子供の入園入学届・・・。山ほどある。

 

中国は社会の成熟度に、正直まだまだムラがあり、

学歴がある人は教養があり、(それなりの)品格、素養、分別があるとみなされる。

偏見や思い込みは決してないが、実際話をしたり、その方の行動を見ていれば、

だいたいの教育レベルが見て取れたり、感じ取れたりする。

 

中国は広大で、人口も多いため、表になって現れる大学進学率はまだまだ低いが、

「人財」と言われる会社に利益をもたらす人、大きな収益を得ている会社社長、

起業して成功している人は、ほぼと言って(有名)大学や大学院の卒業、

少なくともNBAを取得している方が多い。

(これは日本と違い大学時代の専攻と、業務内容が直結していることもあるだろう)

 


 

将来的に中国と何かの形で、深く関わりたいと思われている方は、

大学に行く行かないの話ではなく、大学卒業が大前提であることを

どうか頭の片隅にでも置いていただけておけば、と思う。

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※中国でビザ申請は年々厳しくなっているのは事実です。ただ現地採用ではなく、日本の本社から中国の子会社(あるいは合弁会社)に「派遣(=つまり駐在員)」と言う形であれば、審査条件が少し緩和される場合もあります。実際2012年、人材派遣会社で就労ビザの申請にも携わっていた際、高校卒業の方も取得できました。ただその方は家具企業の技術指導の方でした。

 2017年から外国人の入国審査がさらに厳しくなり、それに対して就労審査にも影響があると思われます。観光ビザ、家族ビザでの就労は違法とされ、裁きが一番厳しい場合、ご本人は強制送還と罰金(最悪永久追放=中国には以後入国できません)、就労させていた企業には罰金と以後の外国人就労申請の信用度低下、というペナルティが科せられますのでご注意ください。