8月3日15時時点で、発生地点の913頭が殺処分された。
高熱処理により殺菌され、人体への感染はないとされる。
瀋陽の庶民といえば、食の安全意識が低いのか、
あるいは分かっていても豚肉の値段の魅力には敵わず、背に腹は代えられないのか
市場の豚肉価格の高騰はなく、売り場でも以前と変わりなく販売され、購買されていく。
我が家においては、ニュースをキャッチしてから、豚肉は購入しておらず、
しばらくは様子を見守りたいと思っている。
とは言っても、生きていくためには欠かせないタンパク質と脂肪。
豚肉に代わる肉類を求め、朝から「ローカルの市場」へ。
ということで今日は、中国のローカル市場についてレポートしたい。
自宅から車を走らせること約15分。
『瀋陽九路市場』というローカル市場へ到着。
我々のような地元民だけでなく、業者や飲食店も買付に来るほど大きな市場。
肉類、海鮮、野菜、卵だけでなく、白米や雑穀、大豆食品や冷凍食品、
お菓子や調味料、食品袋専門店までもあり
食卓のことなら、ここで何でも揃ってしまう。
ここではさすがにお見せできないが、肉類に関しては、牛や豚等が一頭、
丸裸、あるいは無残な姿で吊りさげられている光景も。
さて、西出入り口から入ると、
半年ほど前までは、石畳みで「長靴を履いて来なければ」というほど
水たまりができている個所もあったが
だがここ最近整備がされ、一気に別世界。
(一応これでも)清潔感が大幅に増した。
市場の中へと足を進めると、
ソーセージ専門店。
その端の方には、羊のホルモンも販売。
166gを6元(=約110円)で購入
計量してもらいながら、美味しい調理の仕方を聞いてみる。
「火を通して、チャチャっと作ればいいのよ!」
正直に言おう、全くアドバイスになっていない(笑)
何をどう、チャチャっと作ればいいの?
おばちゃん家ではどうやって作るのかを聞いてみる。
「焼く!」
いやいや、間違ってないけど・・・。
思わず吹き出してしまったのが、おばちゃんに受けたのか
ピーマンとニンジンを千切りにして、ホルモンはぶつ切りにして炒めるのが
おいしいとのこと。
それを早く言ってよ!
ちなみに、調味料はこちらが手軽で、お勧めのようだ。
おそらく瀋陽人の家には必ずあるといってもいい調味料。
『BBQ専用調味料』
赤唐辛子、食塩、クミン、ゴマ、味の素
「何も考えずに、あの調味料と一緒に放り込んだら終わり」
自慢げに語るおばちゃんの後ろで、おじちゃんが「作るのは俺だけど」と言っていた。
こういうやり取りをしながら、買い物するのも嫌いじゃない。
おばちゃん(おじちゃん)たちが、瀋陽訛りの中国語で
いろいろ教えてくれるし、おもしろい。
瀋陽人の友人からは、
「普通日本人はそういうところ行きたがらないし、行ったとしても、
話もせずに慄いて棒立ちが当たり前。あんたももう、りっぱな瀋陽人ね!」と
太鼓判を押される意味はここにありか、と一人でふと笑いが起こる。
ホルモンを受け取り、視線を右側に移せば「食品用ビニール袋」専門店。
本当はもう少し近づいて写真を撮るつもりが、おっちゃんの視線を感じ2歩後退。
さらに足を進めると、今度は調味料専門店。
香辛料のいい香りが、食欲をそそる。
一応「わさび」も売っていた。(このわさびは美味しくないけど)
そうこうしていると、向こうの方からにぎやかな声が。
このスピーカーをもっているお方。こう見えても不正や秩序を取り締まる巡査隊。
その後方、赤丸で囲まれた場所には、警察官の姿も見える。
習政権になってから、こういう庶民レベルにも厳しい取締の目が光るようになり、
「公平」ではあるが、昔の荒々しさや臨機応変さがなくなりつつあるのも、
どこか少し寂しい気もする。
また米中貿易戦争の余波が、こんな田舎の庶民の場所でも垣間見れる。
というのは、政府はとにかく資金集めをしたいのだ。
そのため徴収できるところはないか、目を光らせている。
このように巡回するのは、表は「社会秩序の統制」であるが、
本当の意味の「資金集め」の側面を、見逃してはならない。
表社会には決して出てこないが、中国政府の懐具合は真っ赤っか。
相当厳しいはずである。
さてさて
このあと肉売り場、海鮮売り場と続いていくが、その様子はまた明日にでもゆっくりと。