主人の弟夫婦は、そろって医師。普段は北京で生活をしている。
学会と学術発表があるとのことで、先日から瀋陽へ。
特に義弟は普段の仕事の忙しさに加え、海外研修、論文提出、メディア出演と
ここ数年ほぼほぼ、休みなし。
そんな中やっと土曜日は仕事から離れ、ほぼ完全オフ。
その貴重な休日に密着!
まずは義弟夫婦を学会が行われているホテルまでお出迎え。
瀋陽でも数少ない5つ星ホテル。
さすが!
しかも学会に出ている義弟の代わりに、義妹が出迎えてくれたのはVIPルーム。
どうやらダブルブッキングのトラブルがあり、ホテル側が特別手配してくれたらしい。
まず玄関を入って、いきなりビックリ。
とにかく広い!!!
さらに簡易キッチン付。
ベッドルームは合計2部屋。
1部屋目は義弟夫婦が使っていたので、撮影禁止!
これが本当の「ドクターストップ(おやじギャグ)」
入らせてもらったが、この部屋が一番広かった。
せっかく記念にと、もうひと部屋(これでもかなり小さめ)を撮影。
ちなみに手前のソファーはマッサージ機能付き。
さらにバス&トイレも一枚。
私としては、ここにバスタブがあったなら、100点満点だが
瀋陽はまず家にバスタブがなく、あまり浸かる習慣がないのでしかたない。
(中国全体的に言えることだが、バスタブは基本家にはない。南方はバスタブがついているところもある。上海などは日本人が多いこともあり、外国人専用マンションには設置されていた。厳寒の瀋陽にはSPAが多く、冬はSPAで岩盤浴をしながら接待することもある)
また、洗面台に密着するように洗濯機が設置されているのが、なんとも中国らしい。
お蔭で洗面台が使いづらい。
ホテル到着後半時間ほど過ぎたころ、義弟が学会から戻ってくる。
さてここからが、待ちに待ったオフ。
彼らの一番の楽しみ、「食事」をするために外へ。
せっかくなので、瀋陽で最高級と呼ばれるレストランの1つである『梅龍鎮』に行くことに。
ホテルから歩くこと約800m。食事前のちょうど良い運動。
中に一歩足を踏み入れると
立派な銅像がお出迎え。
さらに左側の待合室。
「年年有余(毎年余裕のある生活が送れますように)」という願いが込められ、
「余」と「魚」の発音が同じことから、たくさんの魚が水槽に。
その隣には、商売の神様も。
事前予約をしてあったため、早速2階の個室へ通される。
階段を上がると
「鼎盛(ていせい。真っ盛りという意味)」がどっしりと佇む。
でも右端で、密かに携帯充電中。
案内をされながら、すかさずカメラでパシャ、パシャ。
高級ワイン、ブランデーが並ぶ。
ここ最近中国人、とくに上海や広州をはじめとする南方地域ではワインが受け入れられてきた。
健康志向が強くなってきたからだ。
北方地方の接待の主流は、相変わらず茅台(マオタイ)酒に代表されるような度数の高い「白酒」。
43度、52度、60度と、ウォッカ並みのアルコール度数だ。
それらのお酒は2階の会計カウンターの奥に並べられていた。
ちなみに瀋陽はビール派。
地元ビール『雪花』が一番よく飲まれている。
瀋陽人らしい飲み方としてはケース(12本入り)で注文し
コップなどは使わずに、1人1本ずつ瓶を手に持ちラッパ飲み。
雪花ビールの1種類、「老雪花」を除けば、アルコール度数はそれほど高くなく3~5度。
そのため「干!(飲み干せ)」と言い合い、瓶と瓶とをカチンと合わせ
ゴクゴク、グイグイと飲み干していく。
茹でピーナッツや、枝豆等、塩加減が強めのおつまみをつまみながら、
30瓶、40瓶とテーブルの周りに、瓶が並んでいるのも珍しくない。
話しは戻り、引き続きレストラン。
2階の大広間
ひとグループごとの空間がゆったりと確保されている。
大広間を抜け、奥の個室ゾーンへの渡り廊下
やっと到着。
個室に到着するなり、早速メニューをチェック。
瀋陽でこの価格は、かなり強気の設定。それでも一昔前に比べれば2割ほど値下げした。
(北京や上海の一級都市でも、この価格設定は高め)
それほど今、中国でも飲食業界はかなり厳しいのだ。
ちなみに「老酒蒸鲥鱼(ジギョの酒蒸し)」は238元。
注文。
到着一番客ということもあり、すぐに運ばれてくる料理。
それでは、せっかくなので目だけでもお楽しみいただければ!
まずは「花雕鶏」。
花雕という黄酒の香りとコクが食欲をそそる。
冷たく冷やされてあり、前菜の部類に入る。
「姜汁菠菜(生姜汁ホウレンソウ炒め)」
日本人にも食べやすい、優しい味
「油焖春笋(筍の油煮込み)」 ※撮影前に義弟がつまみ食い
こってり味が好きな方に。見た目よりも柔らかく、白ご飯にもよく合う。
「石锅猪手(豚足の石焼鍋)」
豚足をガブリと、豪快に!
緑色の野菜はにんにくの芽と唐辛子。
見た目よりしつこくないが、やはりアツアツを食べるのがおすすめ。
「老酒蒸鲥鱼(ジギョの酒蒸し)」
注文冊子と見た目がかなり異なるのは、きっと気のせい、か・・・。
しかしこの左に見える「鱗」が絶品!
梅龍鎮に来たなら、一度は食べるべき一押し料理!
さらに「清蒸辽参(いりこのスープ)」
いりことは「干しナマコ」のことで、中国料理の高級食材の一つ。
日本人は生のナマコを酢の物で食べることが多いので、コリコリ、シコシコした歯ごたえを想像しやすいが、中国料理のナマコは乾物を戻して使用するので、柔らかくモチモチした歯ごたえ、ツルツルしたなめらかな舌触りが特徴。
海参は中国では人気が高く、価格もフカヒレと同じか、むしろ高いぐらいである。
「红烧裙边(スッポン甲羅軟骨のしょうゆ煮込み)」
コラーゲンたっぷり、これでお肌ツルツル!
味付けは見た目よりもずいぶんあっさり系。
冷めないように、お皿の下には小さな炎。
このソースをご飯にかけると、ご飯がススム、ススム。
「东坡肉(ドンポーロウ)」
東北のドンポーロウは、上海と比べて少し醤油が多め。ちなみに南方は砂糖が多く甘めの仕上がり。
横からの写真がなくて残念だが、今回は脂身と赤身が「五重塔」に重なる作品だった。
「蟹黄豆腐(カニみそ豆腐)」
季節はずれということもあり、少し生臭さが残っていたのが減点。
でも安定のおいしさ。
「蟹黄小笼包(カニみその小龍包)」
ノーマルタイプの小龍包は豚肉を使用。
そのため1つ食べるともういいが、カニみそタイプはあっさり。
2個3個と続けていける。
最後は「生煎(焼き小龍包)」
これはブーイングもの。
本来ならば皮はもっと薄く、パリパリ感がたまらない(はず)
焼き小龍包というより、焼き肉まんという感じ。
大人4名、幼児1名で約1200元(=約2万円)也。
瀋陽にもたくさんのレストランがあり、それぞれの特色があるが
せっかく瀋陽に来たならば、ぜひ一度食べてみる価値あり!
「おなかいっぱい、もう入らない」
「苦しい~、でも満足!」
「やっぱり一押しは魚だな」
と言いながら、来た道を戻り、チェックアウトのためホテルへ。
義弟夫婦、主人、子供、私を乗せた車がその後向かった先は?
【午後編】に続く。